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「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」のネタバレ,あらすじ,感想を詳しく解説するよ
小説の「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」
あらすじ
物語は、故郷で父親が殺害された真世が、結婚準備と仕事を抱えながら生家に戻るところから始まります。再会した叔父の武史は、元マジシャンでありながら警察を頼らず、独自の手法で犯人を見つけ出すことを決意します。真世の父を殺した犯人が、彼女の同級生の中にいる可能性が高まります。物語は、コロナ禍に苦しむ町を舞台に、新たなヒーロー「黒の魔術師」が手品のように謎を解いていくミステリーとして展開されます。
ネタバレ
物語の終盤まで犯人の正体が明らかにならず、読者は事件の真相を解き明かすために一喜一憂します。叔父の武史が警察を超える方法で犯人を追い詰める姿は、緊迫感とスリリングな展開を生み出します。物語のラストでは、婚約者の告発メールが登場し、新たな展開が期待されます。次回作に続く展開にも注目が集まります。
東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』詳細な要約
1. あらすじ
舞台は、かつて栄えていた観光地だったものの、現在は寂れ果てている名もなき町。
結婚式を控えた主人公・真世は、帰省先の自宅で父親を殺害されたという衝撃的なニュースを受け取る。
悲しみに暮れる真世の前に、かつて奇術師として活躍していた叔父・武史が現れる。
警察を頼らず、独自の捜査に乗り出した武史は、真世とともに真犯人を追い始める。
2. 登場人物
真世: 主人公。結婚式を控えた若い女性。帰省先で父親を殺害されるという悲劇に見舞われる。
武史: 真世の叔父。かつて奇術師として活躍していた。真世とともに父親の死の真相を探る。
田尻英一: 真世の父親。元教師。真世が帰省中に自宅で殺害される。
織田信之介: 田尻の元教え子。かつて田尻から虐待を受けていた過去を持つ。
美波: 信之介の恋人。信之介に協力して犯行を隠蔽しようとする。
その他: 真世の婚約者、町の人々
3. 謎解き
犯人: 織田信之介
トリック: 信之介は、真世の父親を殺害後、巧妙なアリバイ工作を行い、真犯人であることを隠蔽する。
動機: 信之介は、かつて田尻から受けた虐待への復讐心から犯行に及んだ。
4. 作品のテーマ
真実と虚構: 作品の中では、真実と虚構が巧みに交錯する。信之介は、奇術師としての華麗なテクニックを使って、真実を巧妙に隠蔽していく。
正義と悪: 信之介は、復讐のために殺人という悪行を犯す。しかし、信之介の過去や境遇を考えると、彼の行動を単純に悪と断罪することはできない。
人間の心理: 作品中には、様々な人間心理が描かれている。信之介の歪んだ復讐心、美波の信之介への愛情、町の人々の様々な思惑など、人間心理の複雑さを垣間見ることができる。
5. 考察
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、謎解きと深いテーマを兼ね備えた、東野圭吾の中でも屈指の傑作と言えるでしょう。
感想
読者は、東野圭吾氏の新シリーズを楽しむことができます。登場人物のキャラクター設定や物語の進行は、東野氏の作風によく合ったものとなっています。ただし、一部の読者は物語の展開や犯人の動機について、より深い謎や驚きを求めるかもしれません。それでも、シリーズの続きに期待が高まる一作と言えるでしょう。
登場人物
神尾 武史(かみお たけし)
当作品の主人公的な存在。
今回事件の被害者である、神尾英一の弟。
天然パーマが髪まで伸びており、無精髭があり、ミリタリージャケットを着ている奇抜な人です。
マジシャンとしての顔を持っているがゆえに、めちゃくちゃ手際が良く、観察力に優れていることが特徴のキャラと言えます。
あるシーンでは、目と指の動きを見ただけで、スマホの暗証番号を把握したほどです。
また、当てずっぽうの褒め言葉を並べ立てて、相手に情報を喋らせるのが癖という厄介な一面もあります。
真相究明のために真世をこき使いますが、純粋に幸せを願っての言動を見せることもあり、憎めない叔父と言えるでしょう。
神尾 真世(かみお まよ)
当作品の主人公的な存在。
30歳。
市谷の不動産屋で勤務。
中学時代に親である英一が、同じ学校で勤務していました。
ただ、親が先生というのは気まずかったようです。
真世は無口な優等生でしたが、英一のことを考えて妥当な生徒を演じていました。
なぜか子供の出産にこだわるシーンがあり、ちょっと引っかかりますが、最後には納得できます。
事件の真相を突き止めるために武史と行動を共にしますが、武史の発言や動作は突拍子もないことばかりで、しばしば面食らってしまいます。
中條 健太(なかじょう けんた)
37歳。
真世と同じ、市谷の不動産屋で勤務。
真世の婚約相手です。
今回の事件がキッカケで会える時間が少なくなったものの、遠くからでも真世をサポートしようとする懸命さを感じます。
神尾 英一(かみお えいいち)
真世の父。
元国語教師。
今回の事件の被害者です。
卒業した生徒の相談を聞くといったことからも、かなり面倒見の良い人間であることが分かります。
葬儀に沢山の元生徒が訪れかことからも、相当に慕われていたことは間違いありません。
どう考えても、殺されるような人には見えないという印象です。
原口 浩平(はらぐち こうへい)
英一の元生徒。
原口商店という酒屋を営んでいます。
英一の遺体を発見した第一発見者です。
釘宮 克樹(くぎみや かつき)
英一の元生徒。
幻脳ラビリンスという漫画の作者。
中学時代は誰からも相手にされないような生徒でしたが、漫画で一発当てたことから、同級生が私利私欲のために擦り寄ってくるようになりました。
ただ、釘宮自身はそういった手のひら返しに反発しているということはなく、意外とすんなり周りの変化を受け入れている印象です。
九重 梨々香(ここのえ りりか)
英一の元生徒。
有名広告代理店「報通」の社員。
釘宮のマネージャー的存在。
見た目が美しい女性です。
中学時代は釘宮など見向きもしませんでしたが、漫画で成り上がった瞬間に連絡を取ってくるような狡猾さがあります。
池永 桃子(いけなが ももこ)
英一の元生徒。
旧姓は本間 桃子(ほんまももこ)。
真世の親友であり、葬儀を手伝ってくれるほどの仲です。
杉下 快斗(すぎした かいと)
英一の元生徒。
出自が金持ちの家で文武両道だったことから、エリート杉下と呼ばれています。
IT企業を立ち上げており、会社は軌道に乗っているようです。
柏木 広大(かしわぎ こうだい)
英一の元生徒。
地元の建築会社の副社長。
幻脳ラビリンスの人気にあやかって町おこしをしようと計画していますが、九重に拒否されてしまいます。
それでもめげずに、何度もアタックする執念深さが特徴的なキャラですね。
津久見 直也(つくみ なおや)
英一の元生徒。
中学の頃に白血病で亡くなっています。
父親が教師であることをイジられ悩んでいる真世に対して、「そんなの気にするな。お前はお前だろ」と、男らしいセリフを吐ける生徒でした。
釘宮の才能に惚れ込んでいまして、釘宮と津久見は親友と言える仲でした。
牧原 悟(まきはら さとる)
英一の元生徒。
地銀の三つ葉銀行に勤めています。
印象的なシーンが少なく、地味な人物という印象です。
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人のレビュー
アッシュ
ネタバレ 最後の最後まで犯人が分からず。面白かった。本当に最初から最後まで楽しく読めた。おじさん凄いわ!あれもこれもおじさんの仕業で驚いたけど。犯人はアナタでしたか。彼が病死しなかったら名コンビで、たくさんのヒット作を生み出せたかも知れないね。そして気になる終わり方!あぁこれぞ東野圭吾先生…。自分だったら......どうかな...。内容が真実なら健太サイテー。女の敵!真世もだけど元カノの幸せも願いたい。ついに小説にも《コロナ禍》登場!あ~、最初の頃 こうだったな、そういうことあったな、と懐かしく思う部分もあった。
ルーナ
ネタバレ 『幻ラビ』をはじめから亡き親友との合作として発表するのではダメだったのだろうか。下世話だがその方が連載当初から話題にもなったのではと思った。津久見くんは自分の叶えられなかった夢を叶えてほしいという思いもあってアイデアノートを託したのではないか。彼の母親に断りを入れれば「息子も喜ぶ」と快く受け入れてくれていた気がする。真世が考えたように、英一にも素直に話していればきっと黙っていてくれただろう。引き返すところはいくらでもあったのにその選択ができなかった、大人になってから自己顕示欲が満たされた針宮克樹の弱さか。
いけ
ネタバレ ページ数にふさわしい人間模様が絡み合った話でした。登場人物がみんな一物抱えてて思わせぶりに混乱させるけど最後はみごとに伏線回収。冒頭のやり取りを一番最後に回収するのがうまかった。けども、そんなに詰め込まなくてもいいかなとも思う。釘宮と津久見の友情とそこからの事件が、他の色んな問題で少し色あせた気がして。あと個人的には探偵役が魅力的ではなく、のめり込むとまではいかなかった。口の悪さとかヴィランぽいところは魅力になるけど、金銭面でがめついと少し引いてしまう……「メインテーマは殺人」のホーソーンを思い出した。
一番盛り上がる見どころ
この小説の一番盛り上がる見どころは、元マジシャンである叔父武史と姪の真世が、町で起きた殺人事件の謎に挑む姿です。叔父武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を見つけ出すという行動力と推理力を発揮します。読者は、彼らが次々と事件の謎を解き明かしていく過程で、どんなトリックが隠されているのかを楽しみます。また、登場人物たちの心理描写や関係性も深く掘り下げられており、読者はそれぞれの思惑や秘密に興味を持ちながら物語を追うことができます。さらに、ストーリーが進むにつれて展開される意外な展開や緊迫したシーンも見逃せません。全体を通して、読者は謎解きのサスペンスと登場人物たちの心情描写に引き込まれ、物語の結末がどうなるのかをワクワクしながら読み進めることができます。
東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』考察:謎解きと深いテーマを探る
1. 真犯人とトリック
真犯人: 織田信之介
トリック:
不在証明工作: 犯行時、信之介はバーの店長として勤務していたが、実際には共犯者である美波と入れ替わっていた。
目撃者工作: 犯行現場にいた美波は、信之介が犯人であることを隠すために、自分が犯人であると偽っていた。
証拠隠滅: 信之介は、犯行現場に残された指紋やDNAを巧みに消去していた。
犯行動機:
信之介は、かつて叔父から受けたいじめと虐待のトラウマを抱えていた。
被害者である田尻は、信之介が通っていた小学校の教師であり、信之介をいじめていた人物の一人だった。
信之介は、田尻への復讐のために殺人を実行した。
2. その他の謎解き
美波の行動: 美波は、信之介の共犯者であり、犯行現場にいた。
黒の魔術師の正体: 黒の魔術師は、信之介が作り上げた架空の人物であり、犯行を隠蔽するための道具として利用された。
町おこし計画: 町おこし計画は、信之介が主導していた。信之介は、この計画を利用して犯行を隠蔽しようとしていた。
3. 作品のテーマ
真実と虚構: 作品の中では、真実と虚構が巧みに交錯する。信之介は、黒の魔術師という虚構の人物を使って、真実を隠蔽しようとする。
正義と悪: 信之介は、復讐のために殺人という悪行を犯す。しかし、信之介の過去や境遇を考えると、彼の行動を単純に悪と断罪することはできない。
人間の心理: 作品中には、様々な人間心理が描かれている。信之介の歪んだ復讐心、美波の信之介への愛情、町の人々の様々な思惑など、人間心理の複雑さを垣間見ることができる。
4. 考察
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、謎解きと深いテーマを兼ね備えた、東野圭吾の中でも屈指の傑作と言えるでしょう。
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