思考が先(続き)

「メディアが情報を流さなくても大衆心理は自然に変化している」と2010年頃に思った理由を言うと、自分は芸人をしているので、お笑いネタやバラエティの時代毎の傾向を書き出す作業をしていたところ「これ音楽もお笑いと同じニュアンスの傾向で変化しているな」と思ったんです。そしたら、他のジャンルや世の中の出来事も、その時代毎に「全てのジャンルが同じテーマで変化している事がわかったんです。しかもそれはある一定の速度とサイクルがある」事も。これは何を意味するかと考えたところ「マスメディアは脈略なく流したい情報を流して、それに大衆心理が変化している訳ではなく、大衆の嗜好が先に変化しメディアはそれに合った情報を流している」のが自然だと感じたんです。飲食店で例えるなら「脈略なくメニューを流行らせているのではなく、大衆の嗜好の変化に合わせてメニューを作ってそれをPRする事で流行らせている」というメカニズムなんです。ここで重要なのは仕掛ける側は「大衆の嗜好の変化を知っている」という事なんです。よく世の中の発信をしている人は「次は◯◯というメニューが流行る」というような事を言っていますが本当は「どんな味が流行る」かを言わないと「メニューのタイトルが変わったら騙されてしまう」という事なんです。

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