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逆転の生み出し方

これは最近読んだ本の中で一番参考になったし、一番おもしろかったので是非紹介したいです。「制約」を課されたなかでどう成果を出すか、むしろ「制約」をチャンスに変えるにはどうしたら良いのか?ということが本書のテーマです。

何が私にこんなに刺さるのかでいくと、ベンチャーなんかは制約だらけなわけです。人は足りない、時間もない、お金なんか全然ない。その中でも求められることは結果を出すことだけ。

本書では実例に基づき、制約をチャンスに変える方法についてかなり具体的に説明してくれています。

制約に直面した際に人がそれに対して反応する3つのタイプ

1.被害者

2.中和者

3.変革者

当然3の変革者が本書で推奨される考え方なのですが、これは単純にステージを登れているかどうかということだと筆者は説明しています。最初は誰でもなんでこんな制約がついてきちゃうんだと落ち込むが、達成できる可能性を信じ、モチベーションを高めれば変革することができると説明されています。まぁここまで読んだだけだと完全に気合系の自己啓発なわけですが、本書が理解しやすいのは実例が色々入っているところです。

不可能なことをしろと言われたとき

例として上がっていて、不可能なことを指示する意味があるかもしれないと個人的に思ったのはIKEAの事例です。「5ユーロで売れて、利益が出るような優れたデザインのテーブルを作る」完全に不可能に思える指示ですが、IKEAは実際にこれを達成しています。この不当なまでに低い価格を達成するためには競合を調べてみたり、専門家に頼ってみたところで答えが出るわけがありません。IKEAがたどり着いたのはドアメーカーでした。ドアを半分に切って5ユーロのテーブルを作ったのです。おそらく不可能なことを指示されていなければこの思考の飛躍は起こっていないはずです。

リソースフルな状態は本当にいいことなのか

制約を課されて悩んでいるときはリソースフルな状態を羨みがちです。しかし、リソースフルな状態は本当に望ましいのでしょうか。マーケティングに関して本書ではこれも事例をあげています。リソースフル、つまり「なんでもやっていいよ」という状態のときは考えることが少なくなりがちでイノベーションを起こすべく発想がまわらないものだというのは非常によくわかります。例として広い公園に柵がない場合に子供が遊ぶ範囲は限定的でその範囲よりも広い柵を用意すると柵のギリギリまで子供は遊ぶようになるというのはとても納得感があります。制約を提示されているからこそ限界まで頭を絞るようになるというところに突破口があるんだと思います。

まさにベンチャーなんかヒトもカネもモノもすべてが制約だらけなわけですから、そこにイノベーションのヒントがあるんだろうなということでめちゃくちゃやる気が出た本でした。


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