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「人と会い、人とともにつくり、カタチを残していく」- 慶應塾生新聞会インタビュー

今回は慶應塾生新聞会の代表を務める佐々木遥平さんにお話を伺いました。

概要:

慶應塾生新聞会

慶應塾生新聞会は1969年に創立した慶應義塾内で最大規模のメディアサークルです。全共闘時代、学生運動に反発した塾生により、政治色を排した学生新聞団体として立ち上げられました。2014年に創刊500号が発行され、2019年には創立50周年を迎えます。

現在も大学の公認団体として「不偏不党」をモットーに、大学内のイベントを始め、慶大の教授や著名人へのインタビュー、体育会の試合結果など、幅広い報道を塾生の手で行っています。

インタビューをお受けいただいた方:
 佐々木遥平(ささきようへい)さん
 慶應義塾大学経済学部2年生、慶應塾生新聞会代表

インタビュアー・編集:
 尾本将太(Shakr inc.)

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本文:


慶應塾生新聞会では代表をされている佐々木さん。
塾生新聞会には記事を取りまとめてレイアウト編集を行う編集局、読者への広報や定期購読の方々に新聞を発送する読者広報局、新聞に掲載する広告を請け負う広告局、財務管理を行う財務局、ウェブメディアの管理を行うウェブ室、そしてそれら5局1室をまとめる代表局で佐々木さんは代表を務めている。


佐々木さん)
「代表局では調整役になったりだとか、外部団体と連絡を取る時に情報とかを一旦集約して実際に連絡を取ったりだとか、という事をやっています。

内部での役割は明確に決まっている訳ではないんですが1年生、2年生のうちに記事を書き始めて、自分の好みの書きたいと思う記事を書くことが多いです。

学年が上がるにつれて段々とサークルの運営だったりとかに移っていくというような感じですね。」



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塾生新聞会では主にどんな記事を書いているのか尋ねてみた。
毎年何を重視するかは異なるそうだが、基本的には慶應の中であった重要なニュースを報道するのが主な役割とのこと。主な役割の他にも様々な記事があるそうで、その記事の作り方はサークルといえど実際の新聞社さながらのようだ。


佐々木さん)
「毎年何を重視するかが異なるのですが、基本的には慶應内で重要なニュースがあったりした時はそれを報道するというのが主な役割です。

その他にも個々人が慶應とか大学生に絡めてこの記事を書きたいと思った時にはその記事を自分で取材先に連絡をして書きます。
例えば最近ですとファッション雑誌の編集長に連絡を取って実際に取材をして書かせて頂いたりとかしました。

あとこれは書きたいという記事とは異なるのですが、クライアントさんから塾生新聞の方でこういう記事を書いてくれないかという依頼があったらその記事を書いたりもします。」



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コロナ以前と以後でどのようにメンバーを集める上で違いがあるかを尋ねてみた。
以前は大学の新歓活動の期間に新聞を模した広告を作り新入生に配布を行ったりSNS上での宣伝をしていたとのこと。また大学から許可を得て、入試の道中で受験生応援号というタイトルで毎年配布を行っていることが広く知ってもらうことに一役買っており、入学後の新歓活動にもつながっているそうだ。


佐々木さん)
「受験の時に知って、何か入学前に調べる時にうちの団体を見つけてくださって、新歓活動で入ってくるという事が結構多かったですね。

コロナ以降は昨年が初めてだったということもあるんですけど、やはりSNS上での広報にどうしても依存する感じになってしまいました。」



実際の人の集まり具合についてコロナ以前と以降で比較してどうかと尋ねた。
昨年もコロナ下であり、一昨年に比べるとそれでも20人ほど減ったようだが、大体50人集まったという。継続率はどうかというと、一昨年は70人入って40人ほど残っていたそうだ。実際会費をとっていないということもあって入ってもらうことはできるそうだが、継続となると今年はまだどうなるか見通しは難しいようだ。

普段の活動についてもコロナの状況下ではオンラインの活動が多いそうで、直接顔を合わせる機会がほとんどないという。


佐々木さん)
「やはりうちのサークルの性質上、オンラインでもできてしまうんですね。
Zoomをつかって取材をして、パソコンでリモートで記事を書いてっていう感じになるので、どうしても内部ではLINEとかSlackとかでの会話が多くなります。

オンラインでレクリエーションをやったりするんですけど、やはり実際に顔を合わせるという機会はもうほとんどないっていう状況ですね。

これからまさに年度が変わるので、継続という点はしっかり把握しないといけないので少し怖いなという感じです。」

なかなか現状では運営に苦心する難しい側面があることを感じる話だった。

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塾生新聞会の歴史について訊いてみた。
慶應塾生新聞会は今年で52年目になるという。歴史の長いサークルということもあってその看板もしっかりしたものだそうで認知はされやすいそうだ。


佐々木さん)
「塾生新聞っていうと『ああ、慶應の新聞か』となって認知されやすいです。
SNSでも7千人弱のフォロワーがいるアカウントがあるので、そちらで広報すると比較的目につきやすいという点もあって、やはり色んな面で有利に働くことは多々あります。」



塾生新聞会のコミュニティとしての魅力についても訊いてみた。
一番の魅力は趣味の合う友達がいるときに趣味を共有するだけでは終わらず、それを共同執筆したり、取材をすることで更に趣味を深めるようなことも可能なところだという。
趣味を活動に活かせるという部分はなかなか他のサークルには無い、塾生新聞会のいい部分だそうだ。


佐々木さん)
「取材をするという名目があるとただ単に話題について話すだけじゃなくて、じゃあ何かこういう話題を使って記事を書いてみようかというところまでいけるんですね。

そうやってただ単に趣味が合うから仲良くなるだけじゃなくて、共同執筆をすることによって更に深い仲になれたりもします。

あとはやはり達成感というのが非常に大きいです。
今の時代って結構紙媒体に残るものって少なくなってくるんですけど、新聞はしっかり紙として手元に残るんですよね。

ちゃんと自分の名前が入った新聞を手で持って、『ああこれで自分が作ったんだ、この人たちと協力して作ったんだ』という達成感がやはり分かりやすく、そういう部分でより団結していけるとおもいます。」



具体的に趣味が発展した記事ではどういう物があるのかと尋ねた。
野球が好きでよく観に行くそうだが、慶應の野球部からプロに入る人に取材をすることで、情報をニュースで聞くだけでなく自らその情報を取りに行くことができると力強く語っていただいた。


インタビュアー)
「趣味の範囲だけだったらそこまでできない、みたいなことでもさらに趣味を発展させるみたいなことまでできちゃうってことですよね!」

佐々木さん)
「まさにそこなんです!そこはすごい魅力だと思っていて、やはり歴史が結構あったりとかその分信用っていうのもある団体なので、そこを使えるというのが利点だと思います。」

佐々木さんの声からはとても力強く魅力が伝わってきて、佐々木さん自身とても楽しんで活動をされているのだなと感じた。



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塾生新聞会を運営していく中で大変なことはなにかを尋ねた。
昨年は1学年に70人だったそうで、その中で生まれる情報の格差に頭を悩ませたという。
さらにサークルという性質上避けては通れない問題もあるようだ。


佐々木さん)
「知ってる側からしたらこれ言わなくても分かるという風にどうしてもなってしまう。
でも聞いてない方からすると、『いや言ってくれなきゃ分からない』と。
ここをすり合わせるのが結構大変でした。

サークルは個人のモチベーションにすごい依存しているところがあって、仕事みたいに『お金を貰ってるんだからやって』っていう言い方はできない。
だから個人のやる気とかに依存しないで、いかに情報の格差を無くしていくかというところが非常に大変でしたね。」



代表としてこれから塾生新聞会でやっていきたいことは何かと訊いてみた。
一番は佐々木さんだけでなく周囲の人々も感じていることだそうで、もっと新聞づくりに色んな人が1年生から携われる環境づくりをしたいとことだ。


佐々木さん)
「やはり今1年生は記者で記事を書くだけで、上級生はその記事をまとめる、編集するのがメインみたいな感じになっちゃって、どうしてもなんとなく仕事が決まっちゃっている感じなんです。

誰かに言われた訳でもないんだけど、なんとなくこうなのかなみたいな感じで。

これは前代表の方も言っていたことで、やはり学年によって自分の役割を決めてしまうという側面があるので、難しいんですけどできるだけそういうことを無くしていきたいなという風に考えていますね。」



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これからの塾生新聞会に是非入ってきてほしいと思う人物像について尋ねてみた。
具体的にこういう能力が必要などと言った話は一切なく、大きく門戸を開いている様子が伝わってきた。


佐々木さん)
「割とうちは比較的色々なことができるので、この人に会ってみたいとかくらいでも動機はそこまで問わないんですけど、記事を書いてみたいなという動機があれば十分。

それに加えて、是非新聞の編集もやってみたいというのもあれば嬉しいですね。

基本的に門戸がすごい開いていて、是非何か書きたい記事があるという人であれば、それだけで大丈夫という感じですね!
まずは自分の書きたい記事があるというのがやはり大事かなと思います。」



最後にこれから入ってきてくれる未来のメンバーへのメッセージを伺った。


佐々木さん)
「やはりうちの団体では普段なかなか他のサークルではできないような人に会ったりだとか、実際に自分で取材や対話ができるというところも魅力だし、さらにひとつの団体としても全部自分たちの手で運営しているので、様々な経験ができます。

なので具体的なやりたいことがあるという人も、記事を書いてみたいという人でも大丈夫なので是非来てください!」



編集後記:
佐々木さんの言葉からは塾生新聞会での活動の「楽しさ」が非常に伝わってきた。
もちろん運営で大変な部分はあるが、やはり自分の作ったものが形になる楽しさ、それを人と共同で創る楽しさ、会ってみたい人に取材を通して会いに行ける楽しさ、という塾生新聞会だからこそのいろんな楽しさが詰まっていると非常に感じるインタビューだった。
これからのさらなる活躍に是非期待したい。

◯リンク
ホームページ: https://www.jukushin.com/
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◯連絡先
慶應塾生新聞会 三田オフィス
〒108-0023 東京都港区三田3-4-8佐野ビル4階
TEL: 03-3454-7966


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