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知らないは楽しい

いかに自分がその人にほんとうに出会っていなかったかということ。
思いというものが捨てられなければ、いつも会っていながら、一度も会わないという。
毎日その人と顔をつき合わせながら、結局、その人と一度も出会わなかったという、そういうこともあるわけでございます。

           宮城顗


4年半前、SNSに、学生時代に一緒のサークルで芝居をやっていた友人Aから、
「覚えてますか?」
と、直接メッセージと友達申請がきた。

ネット上でだが30数年ぶりの再会だった。

声かけてくれなかったら、まず気付かなかったろうし、たとえ先に見つけたとしても、当時の閉じまくっていた自分だとスルーしていたかもしれない😅

だれ?と言われるのも怖いし、なによりも、わかっているけどオマエなんかと友達?冗談じゃない!、と言われるのがもっと怖い(TдT)、ってチキンな自分がおりやして、無理!

それで喜んで、SNS上でやり取りをしていた半年後、その友人Aがやはり一緒に芝居をしていた友人Bに偶然、本当に偶然に観に行った芝居の劇場で再会したと連絡してきてくれた。

2人も再会したのはやはり数十年ぶりだったようで、その後、一緒に食事に行ったり、なんだかんだと旧交を温めているとの連絡もしてくれた。

この2人は、ま、同級生なのだが、けっこう学生時代好き勝手やらかしていたわたしとしては、全てを知られているような2人であるきもするが、芝居以外の関わりは皆無であったかも、とすら思えるような2人だ。

またそやつらも、とても仲良しこよしとは傍から見ていて思えない。
そやつらも、わたしほどではないにしろ、かなりヤバい方だったと思う、あの頃は。

そんな2人が仲良く飯食って、だべっている、そんな話を聞いて、とても嬉しく思えたし、なんかありがたかった。

数回会っているうちに、劇団の同窓会を開こう、という話になったそうな。

で、そこら中に声を掛けるからオマエも来い、と声をかけてもらえた。

正直、是非!、という思いと同時に、声を掛けるメンツを聞いて、皆さんにお会いするのが怖い、という思いも同時に湧いた。

特に、その幹事を一手に引き受けた友人Bにはとんでもな無礼をしたのを最後に会っていなかった。

どうしよう。。。

ま、結局、会いたいが勝って、喜び勇んで京都までみんなに会いに行ったのだが。

およそ30年ぶりに再会した面々は、皆変わらねぇなぁ〜、という安心をくれたと同時に、その間、皆様々な苦労をしてきただけに、ちょっとだけだけど大人になっていた。

ま、50になろうが60になろうが、中学の時のともに合えば中防に、高校の時の友に会えば青春真っ只中に、大学時代の友人に会えばクソ生意気なガキに戻るのだけどね。
だから、日常どんだけ偉くなっていても、その頃の役割に戻るから、そっりゃ、変わってないように見えるというのも在るのかもしれない。
でも、

「変わんねぇなぁ〜」

というのは安心する。

で、皆さんの話を聞いてみると、どうもわたし以外は、皆、それなりであろうが芝居以外でも、食事に行ったり、飲みに行ったり、芝居を見に行ったり、遊びに行ったりしていたようだ。
卒業後も折々会っていたり、手紙やら電話やらMAILやらで連絡も取り合っていたようだし、どうも、卒業と同時に完全に音信不通、行方不明状態だったのは、その時集まったメンツの中では、わたしとやはり同期の友人Cだけだったみたいだ。

そういえば、芝居仲間と遊び仲間を完全に切り分けていたのはわたしとCの2人だけだったなぁと。

飲み会も打ち上げや特別な時以外は参加しなかったし。

で、なんだかんだ話をしていると、色々知らされた。

もちろんこの30年のこともだけど、当時のこと。

わかっていたようで、なんも解ってなかったなぁ。

どんな思い出過ごしていたか、なにを考えて芝居を抜けたか。

一応、全体を取りまとめる役割の一翼を担っていたので、私生活は知ったこっちゃないが、いざ触れ合ったっら、こいつが落ち込んでいるか、調子こいているか、全部をわかっていた気に成っていたと思う、当時。

でも、何一つわかっていなかった😅

あらま!そんなふうにわたしを見ていたのね!

あらま!そこに傷ついてしまったのね、ごめんなさい。

とにかく、ごめんなさい、と、何回言ったか、ってくらい知らなかった。

人間付き合いってそんなもんだろうな。

そう考えると、なんでこんなに面白い気付きがいっぱいあるのに飽きてしまうのだろう、互いに密に接触していると、と、不思議に思える。

でも、確実に飽きるよね、毎日四六時中一緒にいたりしたら。

なんて、いかにも経験者ぶって言ってみたりして😆
誰とも四六時中なんて付き合いをしたことすら無いくせに。

なんせ、わたしは同じ人間と二泊三日以上ずっと共に過ごすことはできない質だ。

昔々、彼女が泊まりに来た時も、二泊分以上と思えるような荷物を持ってきて、当たり前のように二日目も一緒に帰宅すると、「頼む🙏帰ってくれ🙏」と心のなかでお願いしていたくらいだ。
そのあと、理由をこじつけてむりくり送って帰らせちゃったりしてた。

そんな奴が、稽古中の3〜4時間で、わかっちゃっている事自体が間違いだし、そこに気付かなかったってのは目出度いの極みだな。

それはそれとして、わからなけりゃ、わかった気にならなきゃ、楽しく過ごせるんだな。

でも、人間は何でも分かりたい。
だから、それはとても難しいこと。

でもさ、いちばんわからない「自分」てもんと、本当に四六時中過ごしているんだよね、みんな。

自分のこともわからないでいれば、毎回発見があれば、どんだけこの生活、人生が楽しくなるのだろう。

そんなことを思う。

あぁ、でも、3年続いた同窓会、今年はできなかったなぁ。。。

そういやぁ、大学時代の遊び仲間と始めた同窓会、もう5年もやってないなぁ。
オレなんかに幹事やらせっからだよ。
だめよ、そういうの一番できないやつなんだしさ。
あいつらはオレの本当をわかってない!ってことで😆

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