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Golド下手免許。

人はそれぞれの人生でさまざまな着物を身にまとうが、それらの財力、能力、資格、家柄・血筋といった世間の着物がその人自身ではない。
人はその見かけがどのようなすがたであろうとも、その人自身は頭の髪の毛一本から足のつま先に至るまで、徹頭徹尾「ただのひと(凡夫)」である。

            狐野秀存


ついに優良運転手になってしまった。
ゴールド免許を取得したってことだ。
ゴールドデビュー、長い道のりだったぜ😂

1994年の5月に導入されたゴールド免許制度。

導入されてまる27年が経つ。

27年間、というか前回の更新だから24年間、2回ほど優良ドライバーチャンスがあった。
いずれも、更新の直前、後1〜2ヶ月捕まらなければゴールドというところで捕まった😅

駐禁。

仕事柄、駐禁でよく捕まていた。
ひどい時は、お盆参りで15分くらい停めている間に通報されて捕まったりもした。
で、訪れたお宅の人に後から聞くと、「あそこの家の人は、自分とこに客が来る時はすぐに通報してどかすんですよ。基本、このへんは適当に停めても問題ないんですけど、あの家の周辺だけはこれからは停めないようになさってください」
だと。
まだ、わりと住宅街では路駐を見逃す、コインパーキングなんて殆どなかった時代の話。
そのころは、だいたい、年一で駐禁で捕まっていたなぁ。

スピード違反は、基本捕まったっら免停以上だから、さすがにそんな違反はここ20年くらいはない。
その前は、若気の至り、2回ほどやらかした。
???
いや、3回だ😅
短期免停2回と中期免停1回。

で、10年くらい前と15年くらい前にゴールド目前があった。
運転はまだ荒かったけど、だいぶお気をつけあそばすようになっていたけど、なかなか、いまよりもコインパーキングも少なく、それに相反するように駐禁の取締が厳しくなってきた頃だ。

ま、違反したのだから、こちらが悪いし、こいつは致し方がないよね。

ゴールド免許ってものができたころ、
「あなもん持ってる奴は、日頃車乗らない日曜ドライバーかペーパードライバーくれぇだろ」
「あと、周りの迷惑考えない、流れ無視するマイペースヤローな」
「ふつうに、毎日、仕事だ何だで3年も乗っていたら、少なくても1回は捕まるよなぁ」
「若葉マークの他にゴル免マークってのも作ってもらいてぇよな」
「ゴル免みつけたら、アブねぇから寄り付かねぇようにしなきゃな😂」
なんて、舐めた、不遜な会話をしていたりした😅
自分らが、すぐ捕まって、遠い遠い、もしかしたら辿り着けないような困難な道程であることを感じての妬みだったのかもしれない😅

でも、たしかに、その頃からだんだん増えてはいたんだよね、日曜ドライバーの周りを見ない運転。
いまほど酷くはないけどね。
方向指示器を曲がる直前まで出さない。
右折時に左に寄る、左折時に右に寄る。
高速道路の追い越し車線を走行車線を走っている車と並んだように延々と走ってどかない。
対向車がいるのにハイビームで走る。
どの店に入ろうか、きょろきょろ探しながらフラフラ低速で走る。

こういう車が増えてきていた。

なんか今どきは、土日、こんな風に走る車しかいないんじゃね?、って思うくらいそんな車だらけだけどね。
パトカーも全く注意もしねぇし。

「右折レーンに並ばれてる車の運転手さん、ウィンカー出さないと違反ですよ!」
「左折する時に右に寄って大回りするのは危険運転ですよ!」

これくらいは見かけたら注意してもらいたいもんだぜ、捕まえろとは言わないけど。

で、ゴールド免許を受け取った。

手元にきて、
「なんか・・・ゴールド取っちゃった・・・青いほうが良かったなぁ」
そんな気がしたりした。
別に、違反走行をしたいとかするというわけではないが、なんか、そんなこんなでずっと車に乗っていたので、ゴールドグループに入ってしまったことに負い目を感じている自分がいたりしてビツクリしている。

いや、今朝、講習を受けて、手にするまではそんなことはまったくなく、ワクワクしながら石神井警察まで行ったのだよ。

「やっぱ、府中へ行くよりか近いし、朝楽だし、いいねぇ」

なんて思いながら、講習も30分で済むし最高!、って感じだったが、免許を受け取って、金色の線が目に入った瞬間、青のほうが良かったなぁ〜、って😅

ま、ゴールドで良かったんだけど、ちょいと気づきや何やかやをもらえたし。

人間、実際にものがあるかないかで、見て確かめるかどうかで、現実味というものがこんなにも違うもんなんだなと思う。
いままでも「なんじゃこのへんな顔。こんな免許証、恥ずかしくて見せられねぇぜ!」というのはずっとあったが、今回もご多分に漏れず、とてつもなく変な顔で写っているが、それよりも、「ゴールド」を見せるのが恥ずかしい。
それがいま、免許証入れに入っているのが無性に恥ずかしい。
「おまえ、ゴールド?うわ〜、ついにゴールド!運転ドヘタの証明証受け取っちゃたぁ〜😆」と、わたしの中の昔の悪いわたしが笑っているのよ。
で、よかったかもな、ゴールドになって。
それも年老いてきてるし特に。
と、思い直している。
正直、運転は、今まで、一度も上手かったことなんてない!ってことは解っている。
でも、実感しているか、本気でそこまで思っているのか、と自問すると、上手くはないけどね、と、自答する自分がいる。
「そりゃ、上手くはないけどさぁ〜。。。でも、下手でも〜〜〜」って。
そんなずっと勘違いから抜け出せないドライバーである自分にとって、
「オマエも今日からドヘタの仲間入り、迷惑ドライバーの仲間入り」
と、突きつけてくれているんだな、わたしにとってのゴールドは。
「気を引き締めて運転せぇ!」って。

ゴールド免許ってもんは、わたしにとっては、あくまでわたしに向けてだけの話よ、運転ドヘタ証明証・ド下手だけど特別に運転することを許可してやる免許証。

ま、こんなカード一枚で、運転が丁寧になるかどうか疑問も残るけど、しょせんは人間はなんかそうしたもんで自分を見つめないと、自分ってもんがわからないんだろう。
ただ、危険なのは、それが自分だと思ってしまうところもあるってことだな。
なんちゃら免許だの、地位だの、金だのが自分だと勘違いして、免許持ってない、地位が自分よりも低い、金を自分よりも持っていない、そうしたもので相手を量り、相手を低く見るってところがある。
そうなると手のつけられないバカでしかない。

前にも書いたけどさ、自分にそういうところが見え隠れしたら、公衆浴場やSPAなんかにいくのがいい。
素っ裸に成れば、地位も金も関係ないし。
そこで、オレはどこどこの社長だ!、ってふんぞり返ってみればいい。
すんげぇ、恥ずかしいから、ハタで見ている方も。
すんげぇ、マッチョでイイからだしているのが、マッチョ見せびらかすように自分に酔って大股で入ってくることもあるけど、あれはあれで見ていて恥ずかしい。
昔、世界的なボディービルダーの方が同じスポーツジムに来ていたけど、そこのジャグジーやサウナにその方が現れた時、空いている時はそうでもないけど、人が結構はいっている時は、ちゃんと前を隠しながら、なるべく身体を縮めて(ただでさえデカイからね)、気を使っていたよね。一流は、こんなとこで見せびらかして喜ばねぇわな、そりゃ、ってその時思った。

ま、マッチョだろうが、社長だろうが、絶世の美女だろうが、楊貴妃だろうが、クレオパトラだろうが、クソもするし、屁もこくし、鼻くそも目くそも出るし、3日も風呂入らなきゃ臭くなるし、焼かれりゃ白骨になるのよね。

持ち物・着る物は違っていても、根っこはなんも変わりゃしない。

白骨の御文 By 蓮如

それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おおよそはかなきものは、この世の始中終、まぼろしのごとくなる一期なり。
されば、いまだ万歳の人身をうけたりという事をきかず。一生すぎやすし。
いまにいたりてたれか百年の形体をたもつべきや。
我やさき、人やさき、きょうともしらず、あすともしらず、おくれさきだつ人は、もとのしずく、すえの露よりもしげしといえり。
されば朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり。
すでに無常の風きたりぬれば、すなわちふたつのまなこたちまちにとじ、ひとつのいきながくたえぬれば、紅顔むなしく変じて、桃李のよそおいをうしないぬるときは、六親眷属あつまりてなげきかなしめども、更にその甲斐あるべからず。
さてしもあるべき事ならねばとて、野外におくりて夜半のけぶりとなしはてぬれば、ただ白骨のみぞのこれり。
あわれというも中々おろかなり。
されば、人間のはかなき事は、老少不定のさかいなれば、たれの人もはやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて、念仏もうすべきものなり。あなかしこ、あなかしこ。

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