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私の過去⑥~両親との衝突~




気づいてしまった以上、
自分の気持ちに嘘をついて、宗教活動を続けていく事はもう考えられませんでした。

そして、辞めると決意した以上、
両親に言わねばならないと思いました。
自分の本当の気持ちを伝え、
これからの自分はどうしたいか、どうするかを話さねばと思いました。
同時に、その事を両親に伝えれば、聞いた両親が、間違いなく大反対してくるだろうと、怒り倒し荒れ狂うかもしれないと、避けて通れない、越えなければならない大きな壁を予測しました。


数ヶ月前に体調不良になった時から、私は、宗教の集まり(集会)は休みがちになり、
体調が回復していっても、以前と同じような頻度で、集会に出席する気持ちにはなりませんでした。宣教活動への参加も激減しました。

体調が良くなってから、モヤモヤした気持ちの状態で、数回、集会に参加しました。
でも、その時私は、司会者や講演者が、何を話しているのか、どこか違う国の言葉を聞いているかのように、全く理解出来ませんでした。
全く頭に入ってきませんでした。
宗教の教義、音楽、その場の空気感、すべてを心身が受け付けなくなっており、自分が変化していると、自覚しました。
ずっと下を向いて、本だけ開いて何も見ず、何も考えず、ただそこに座っているだけの2時間。
同じ部屋の中にいるものの、私だけが分離して浮いているような、私と私以外のまわりとが、すっかり乖離した、そんな状態に感じました。

私の体調不良を心配し、親切にしてくださった方、優しくしてくださった方もいらっしゃいましたが、
私の全体的な変化を敏感に察知し、態度を変える方もいました。
私はそこの誰かと交流したり会話する事、その場にいる事は、もうとても息苦しいものでした。

そしていろいろな限界が訪れ、
はっきりと目が覚めて、
もう宗教に関するすべてを辞めると、強く決意する瞬間が訪れたのです。




集会の日、いつものように家族は準備をしていました。
私は、両親に、自分は行かないと伝えました。
体調不良かどうかを聞いてきたので、
いや、行かない、もうこれからずっと行かないと、
伝えました。
両親は動きをピタリと止め、驚いた様子でした。
私は自室に入って、内側から鍵を閉めました。
母親がやって来て、どういう事か聞いてきました。
だからさっき言った通りだと、もう私は行かないと、言いました。
ドアを開けるように言ってきましたが、開ける事はありませんでした。
この日以降、私が集会に行く事はなく、すべての宗教活動に参加する事はありませんでした。
私は自分の意志を貫くには、強い気持ちと、強い態度が必要だと覚悟していました。



集会から戻った両親に、
再度、もう今後一切集会には行かない事、
この宗教を私は辞めると決めた事、宗教に関係する活動をすべて辞める事、
そして私は高校卒業後は就職し、家を出て1人暮らしをしていく事を伝えました。

父親はすぐに怒り出し、何を言っているんだ、よく考えろ、と言ってきました。
母親も、1人で勝手に宗教を辞めると言ってもね...献身している(バプテスマを受けている)からそんなの無理よ、と言ってきました。
2人ともまだまだ本気にしていないようでした。
それまでどれだけ私が悩み考えてきたのか、1つ屋根の下で一緒に住んでいながら、心を交わす会話などはなく、何も見ず、何もわかっていない2人でした。
私はもちろん、よく考えた上での決意でした。
私の気持ちはもう固く揺るぎないものだったので、常に冷静な気持ちと態度でいようと努めました。
献身していると言われても、会衆と親の希望に沿うための、自分の本心ではない、まやかしの献身で、そんなもの意味のない物だと思いました。


この時高校3年生の春でしたので、この後高校を卒業し、家を出るまでの約1年間、両親との衝突、壮絶なやり取り、冷戦の日々を過ごす事になりました。



以前父親から、将来は高校卒業後、
短時間の仕事をしながら宗教活動をメインでやっていくよう言われ、大学進学の費用などは用意していない事を告げられていたため、私も一時はそういう進路だと予定し、高校の担任の先生には、就職希望の旨を伝えていました。
先生から、あなたは大学進学が可能なんだが、と進路指導があった時は、一瞬、大学進学を夢見ました。
でも、父親に大学に進学したいと話したところで、またダメだと言われるに違いないと思いました。
仮に大学に進学し、学費は奨学金やアルバイトなどでなんとかしたとしても、それまでに掛かる受験料や大学の入学金、新生活準備や必要な物品費用などを、両親が協力してくれるとは到底考えられませんでした。
そして私も、お金の事やいろいろを、もう両親に頼りたくありませんでした。
本当に大学に行きたいのなら、いつか大人になってからでも方法はある。今は、私は自立して、働いて、自分の力で生きていく事のほうが先だと思いました。
進路希望は就職で、就職先は、社員寮があり、その寮に入れる所。それを就職先を選ぶ条件にしました。


担任の先生に伝え、許可をとり、学校帰りと休みの日に飲食店でアルバイトを始めました。
少しでも自由に使えるお金を貯めておきたいと思いました。


父親は、私が勝手な事を始めたと怒り散らし、
誰が私にそんな知恵を付けたのか、
誰かがそうするように私に吹き込んだのか、
そんな悪い友達がいたのか、
霊性が弱まって悪魔サタンの思うつぼになってしまって...! そういう事を言ってきました。
言ってくる事はすべて予想していました。
やっぱりこういう事を言ってくるんだと、やっぱりこういう事しか言ってこないんだと、思いました。

小学生の頃からそうでした。
私が何か(父親の意に反する事を)すると、すぐに友達が悪いと言っていました。友達は何も悪くないのに。
聞いていて、心の底から残念で、悲しい気持ちになりました。

私は、誰も私に知恵を付けていない、
誰からもこうするように吹き込まれていない。
私が私自身の意思でしている事だ、と強く反論しました。
その事に対して友達が悪いとか言わないでほしい。友達はまったく関係ないと断言しました。
そして霊性が弱まったとか、それはそっちの勝手な解釈であり、宗教の考えから脱した私は、まったくそうは思っていないと言いました。
むしろ目が覚めて、自分の本音本心を、父親相手に言っている。私は失ってしまっていた本当の自分を取り戻して言っていると思いました。
悪魔サタンの思うつぼ?? なにを言ってるの??、と思いました。


⑦に続きます。


お読み頂き、ありがとうございました。
記事の内容はあくまで私自身が体験し、その体験から感じた主観です。


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