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超伝導ナノワイヤ単光子検出器を用いた光量子状態の新しい測定手法の確立、量子コンピュータの新たな可能性を切り開く パダーボルン大学

パダーボルン大学の研究者たちは、光量子状態の特性を決定するための新しい手法を確立しました。この手法では、従来のホモダイン検出に、単一の光粒子を検出できる「超伝導ナノワイヤ単光子検出器」と呼ばれる検出器を初めて用いました。この検出器は、現在最速の光子計測機器です。

光量子状態の特性決定は、量子情報処理にとって不可欠なツールです。例えば、量子コンピュータにおいては、特性を正確に把握することが重要です。今回の研究成果は、専門誌「Optica Quantum」に掲載されました。

「ホモダイン検出は、光量子状態の波動性を利用して調べる手法として、量子光学分野でよく用いられます」と、パダーボルン大学物理学部の「中間スケール量子光学」研究グループに所属するティモン・シャペラー氏は説明します。シャペラー氏はマクシミリアン・プロット博士と共に、この手法を用いて、光量子状態の「連続変数」と呼ばれる性質を調べました。連続変数とは、光の波動の振幅や位相など、様々な性質のことを指します。

独自の実験装置を用いて、シャペラー氏とプロット氏は、超伝導ナノワイヤ単光子検出器を用いたホモダイン検出器は、入力光子数に対して比例的な出力を得られることを示しました。

「超伝導ナノワイヤ単光子検出器を用いると、連続変数の分野で多くの利点が生じます。特に、位相の安定性が高く、検出効率はほぼ100%に達します。つまり、検出中に粒子を失うことがありません。今回の成果は、単光子検出器の高効率ホモダイン検出器開発への道筋となる可能性があります」とシャペラー氏は述べています。

光子を用いた連続変数の操作は、量子コンピュータの基本単位である「キュービット」を超えた、新たな量子情報処理の可能性を切り開きます。

詳細内容は、パーダーボルン大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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