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磁場スイッチで電気抵抗が2万5,000%変化!革新的な「巨大磁気抵抗スイッチ効果」を実現 東京大学

不揮発性メモリ、論理演算回路、ニューロモルフィックコンピューティングなど、様々な次世代デバイスの実現に貢献すると期待

東京大学の研究グループは、磁場によって電気抵抗を2万5000%も変化させる革新的な「巨大磁気抵抗スイッチ効果」を発見しました。従来の抵抗スイッチ効果とスピントロニクスを融合したこの技術は、省エネルギーな次世代デバイス開発に大きく貢献すると期待されています。

研究グループは、ホウ素添加半導体GeにFeとMgOの電極を組み合わせたナノチャネルデバイスを作製しました。このデバイスに電圧を印加すると、電流の通りやすさが大きく変化する抵抗スイッチ効果が現れました。さらに驚くべきことに、磁場を印加すると、抵抗変化が2万5000%という驚異的な値に達することが確認されました。

この巨大な磁気抵抗スイッチ効果の起源は、MgO層内の欠損に存在する「d0強磁性」と呼ばれる特殊な磁性だと考えられています。d0強磁性とは、磁性原子を含まない物質でも、特定の条件下で強磁性を発現する現象です。

研究グループは、電圧によってMgO層内の欠損が集積し、強磁性を持つ導電性フィラメントが形成されると推測しています。磁場を印加すると、このフィラメントが切断され、電気抵抗が劇的に増加します。

従来の抵抗スイッチ効果は電圧で制御されていましたが、今回の発見により、磁場でも抵抗を自在に操ることが可能になりました。この技術は、不揮発性メモリ、論理演算回路、ニューロモルフィックコンピューティングなど、様々な次世代デバイスの実現に貢献すると期待されています。

研究グループは今後、動作温度の向上や、より高性能な材料開発を進めていく予定です。磁場スイッチによる革新的なデバイス開発は、省エネルギー社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めています。

詳細内容は、東京大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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