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産業医のサポートだけでは不十分

Boyaです!

今回は僕が鬱を発症した時についてご紹介したいと思います。どんな症状が出て当時会社はどのように対応してくださったのか。

大きい会社のためサポート体勢は充実していたが復帰することができなかった点について僕なりに体験したことをご紹介いたします。

それではいってみましょう!

鬱が発症した時の会社は大手企業でした。規模が大きいこともあり、産業医が存在する会社でした。

ありがたいことに僕が鬱を発症し診断名が明確になった時に、会社は即対応してくれました。

対応としては以下の通りです
・電車が乗れなくなったためプロジェクトから抜けられるよう即座に調整
・2ヶ月の休職
・産業医の面談
・福利厚生を生かしたカウンセリング

即座にプロジェクトリリース(業務から離脱)の手続きを対応し、休職をさせてくれました。2ヶ月の休職後も復帰を配慮したプロジェクトアサインなどを意識してくれました。

また、産業医と会話させてもらい、職場や会社への配慮をヒアリングしてもらったり、アドバイスしてもらったり手厚い対応をしてくれました。福利厚生で外部事業者のカウンセリングを受けられたのもありがたかったです。

そんな手厚いサポートがあっても僕は復職と休職を幾度となく繰り返してきました。結果、休職期間を超えてしまったため退職せざるを得なくなり退職いたしました。

ではそんな手厚いサポートがあったにも関わらずなぜ回復することができなかったのでしょうか。(僕が休職をしてた時期は今から10年前のため、今は当時とは異なっているのかもしれません)

僕が経験した休職者(精神障害発症者)への支援で足りなかったポイント
・業務以外の調整ができない
・個人の課題となる生活習慣を指導できない
・カウンセリングまではできない
・就労移行支援やデイケアなど福祉施設を案内することはない

当時産業医の存在は非常にありがたかったです。自分の状態を業務とは関係なく会社に伝えてくれる人がいるのは救われていたと思います。しかし、今思うと足りない部分は多いなと思います。産業医は客観的な立場であるものの、あくまで会社組織の一部であるため、治療というスタンスよりは復帰させるためにどうするかというスタンスが強かったように思います。

そのため、アドバイスも浅かったように思います。
例えば、「休職中生活のリズムには気をつけましょう」というポイントについても、その人の生活のリズムは現在どうなっているのかや食生活はどんななのかについては多少ヒアリングされますが、軽く指摘が入るだけです。生活のリズムをモニターするために、「生活リズムを毎週書き出してください」というようなことはしません。(ま、コストがかかるのでやらないのは当然です)

だからといって、休職中にリワークを通うようなことを勧めたりなどはありませんでした。

社会福祉制度の案内はない上に、休職が長くなっても障害者手帳や障害者年金の存在を知ることは在職中にありませんでした。

ここでポイントなのは社会福祉の情報が会社、病院においても提供されないことに不満をもってもしょうがないという理解が必要です。基本的に社会福祉制度についてはなかなメディアで紹介されないため、誰も知らないことが多いです。役所でたまたまその担当者が教えてくれたということが多いです。社会の仕組みが社会福祉制度に対してなかなか拡散されづらいということを理解しておきましょう。ただし、インターネットの普及で個人がそう言う情報を拡散しています。そういう個人の情報を上手くゲットできる必要があります。強い言い方をしてしまえば、今までその情報にたどり着くことのできなかった自分にこそ責任があるとも言えます。そのため、社会福祉制度に関連することは厚生労働省の公式ページを確認したり、個人のブログなどで情報がないかどうかなどご自身の状況に合わせた情報の取得を身に付けておく必要があると思います。

このスキルは障害者だからとか、体の調子が悪いからなど関係なく必要となる能力であり、残酷なまでに情報格差によって自分自身の状況の良し悪しに影響します。

話を元に戻すと、担当する産業医にもよると思いますが。産業医は細かくカウンセリングしてくれません。あくまで状態¥や状況をヒアリングして会社に休暇などの診断をするだけです。もし、産業医の段階で手厚いカウンセリングやワークなど治療をすることができれば離職する前の段階で復帰させることができるのかもしれません。しかし、大きな会社でも産業医は数人で対応しているため、そこまでの時間を割くことができません。時間も限られているため、治療は完全に主治医に一任されています。

しかし、主治医も心理士ではないため、本格的なカウンセリングを受けるとなると別途カウンセリングをお金を出して受けなければなりません。

ある知人が昔総務部長の役職に就いていて、社内で精神障害者となり休職者の手続きや復職支援などを担当していたそうです。その会社も産業医が常駐していたが、一度休職すると復帰することが難しく、離職してしまうことが多かったそうです。その方も実感として産業医だけではサポートしきれないということが実感しているそうです。

産業医がいることはありがたいです。必要な立場だと思います。しかし、産業医を用意しているから、休職しなければならないことが起きても安心と言うことはありません。産業医も立場上「それ以上はできない」ということがあると思います。そのためにも、調子が悪くなって療養している時間により情報を集めて分析することは忘れないでください。

結局のところ自分を助けることができるのは自分だけであり、他人は自分が目を向けて行動を起こした時に初めて助けてくれるものです。もしかしたら、偶然にも他人がありがたい情報をくれることもあるかもしれません。その時は感謝し、それを受け取れた自分を褒めてあげれば良いと思います。

2021/9/27追記:
この度、現職の産業医の方から貴重なご意見を頂く機会があったため、追記させていただきます。
まず、産業医は「安全に業務ができる健康状態なのか」という観点で、従業員を守る立場にあって、疾患の診断や治療は行わない立場であるということが前提にあります。
そのため、産業医と主治医の役割は全く違うということになります。
治療過程において「産業医は細かくカウンセリングしてくれない」のは、業務上その責務を担っていないからです。
そのため、産業医は精神障害のカウンセリングを行う立場にないということになります。
これらの前提を考慮すると、産業医の立場からするとなかなか踏み込めない部分が発生するのかなと思いました。
今回ご意見をいただき、最も僕も気になったのは今回の僕の記事を読んで「産業医のサポートは不十分なんだ」と産業医の利用から足が遠のいてしまう可能性があることでした。
そこは誤解してほしくないのですが、産業医が用意されている会社に所属していて、つらい思いをしている方は絶対に産業医に相談してください
会社の中において辛い思いを相談し調整ができるのは産業医だからです。
僕は過去の経験から色々と不十分だなと思う点を前述してきましたが、それは制度を利用する上で不便だったり、主治医や産業医がもっと連携してくれれば良いのになという個人的な意見に過ぎないと会社していただけると幸いです。
今ある会社の制度を十分に利用してください。ご自身の辛さを軽減するために二の足を踏まずにまずは産業医に相談してみてください。

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