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 #6【韓国ドラマ】구경이(調査官クギョンイ)

学生の頃から韓国ドラマを見続けて6.7年経ちました。
コンテンツ供給量が常に飽和状態の中、進化していく韓国ドラマに未だ魅了され続けています。

中でも特に刺さったドラマを、自分なりにまとめてみようと思います。

今回はnetflixで配信中『調査官 クギョンイ』です。
全12話で比較的見やすい長さですし、繰り返し見たくなる作品です。

注目ポイント①:ドラマのテーマ

●基本情報
2021.10月から12月にかけてJTBCで放送
演出はイジョンフム(이정흠)
脚本はソンチョイ(성초이)

中でも注目したいのが公式HPで公開されているドラマ紹介文です。

전지전능한 신이 당신에게 묻는다.
“근데 진심으로, 모든 생명이 살아갈 가치가 있다고 생각해요?”
모든 생명은 소중하다고, 살아갈 가치가 있다고 답해야 하는데
사회면의 끔찍한 뉴스들은 본 당신은 쉽게 입이 떨어지지 않는다.

우물쭈물 하는 사이 신은 한 발짝 더 다가온다. 천진한 소녀의 모습을 하고서.
“대답 못 하네? 그럼 이제 다 없애도 되는 거네?”

그 때, 우리의 주인공 구경이가 나타난다.
며칠 씻지 않은 떡진 머리를 하고서. 목 늘어난 티셔츠에 트렌치코트를 걸치고.
“무슨 소리! 당연히 살아야지. 왜냐하면!!!”

구경이가 대답한다. 도덕책 같은 설교 대신 구경이만의 방식으로.
기꺼이 겪어낸 고통들 속에서 찾아낸 진실로.
‘그럼에도 불구하고' 인간은 살아가야 한다고.

이 드라마는 ‘왜냐하면!’ 뒤에 이어질 긴 이야기다.
근데 그전에 일단, 게임 한 판만 하고. 고고고!

구경이公式HPより

訳してみると以下の通りです。(翻訳アプリを駆使しまくりました…)


全知全能の神があなたに尋ねる。
”ところで、本心で全ての生命に生きる価値があると思いますか?”
全ての生命は大切だと、生きる価値があると答えるべきなのに、社会のひどいニュースを目にするあなたは、簡単にそうは答えられない。
 
ぐずぐずしている間に神が一歩近づいてきた。無邪気な少女の姿で。
”答えられないのね?なら、もう全て無くしてもいいのね?”
 
その時、私たちの主人公クギョンイが現れた。
何日も洗ってないベタついた髪で。首元が伸びたTシャツにトレンチコートを羽織って。
 
”何言ってるの!当然生きなきゃ!なぜなら!”
 
クギョンイは答えた。道徳的な説教の代わりに、彼女らしい方法で。
喜んで経験した苦痛の中で見つけた真実で。
それにも関わらず、人間は生きねばならない。
 
このドラマは、何故なら!の後に続く長い話である。
でもその前にとりあえず、ゲームを一発GO!ゴーゴー!

なぜ生きるのか、どうして生きるべきなのか。
そんな哲学的で壮大なテーマを問いかけながら、ユーモアも感じる紹介文です。予測できない物語にワクワクも高まります。
こんな問いかけを念頭に置いて見ると、セリフや演出から豊富な考察が出来るのも面白いポイントの1つです。

注目ポイント②:個性的なキャラクター

疑い深いね、クギョンイ

主人公 捜査官 クギョンイ

過去の事情によって廃人になっていた彼女。警察官時代の後輩ジェヒの声掛けで、再び調査官として復帰します。ゲーム大好き、ビール大好き、頭ベタつき、服装テキトーな彼女ですが、頭の回転が速く優秀です。
何より彼女はとにかく疑い深い!これがキーポイントです。

「こんなに疑い深くて、どうやって生きていったらいいの~」と脱力しながら呟く場面があります。
一緒に捜査している仲間すらも疑わずにはいられない程の疑い深さ。それがもはや生きづらさまで生み出している。

もし、彼女の様に何もかも疑ってしまう人生だったら…。まず人付き合いは難しいです。彼女のように娯楽がお酒とゲームになるのも納得でしょう。そうして、どんどん外部への興味も薄れていき、生きることに無気力になることも考えられます。

しかし、彼女は違う。事件の真相を追うことは決してやめません。真実に対して一直線なのです。

誰にだって疑い深い心は持ち合わせていると思います。彼女を”変わっている”と切り離しきれない。だからこそ、彼女なりの生き方を見逃せません。

アイドルみたいな殺人鬼、K

ドラマ紹介文に少女の姿をした神が出てきてましたよね。これがKのことなのでしょう。
可愛らしい見た目で、高級車を乗り回し、高級マンションに住んで、ハッピーなオーラを醸し出す笑みを浮かべる少女。そんな人物が殺人鬼なのです。
けれども、恐ろしいことにそのことを一切忘れさせるような瞬間が何度もあります。本当は悪い子じゃないのではないか。そんな風に思えてくる瞬間があるのです。
インタビューで脚本家、ソンチョイさんがこのように話しています。(私なりの訳なので、本文を参照してみてください。)

송이경은 젊고 매력적인 여성 살인마 아닌가. 자칫 삐끗하면 얼마든지 대상화될 수 있는 캐릭터다.
(ソンイギョン=K は若くて魅力的な殺人鬼ではないか。ちょっと間違えればいくらでも対象化できるキャラクターだ)

※以下作家の答え
‘비릿함을 없애자!’는 구호가 있어서 가능했다. (웃음) 우리가 집중했던 포인트 중 하나는 이경이가 어떻게 웃느냐였는데, 진짜 속 없는 애처럼 ‘컹컹컹’ 웃기를 바랐다. 집필 당시에 조금이라도 무표정하면 욕먹는 여자 아이돌들의 운명에 대해서도 생각하면서 썼다. 늘 상냥하게 애교 부리길 요구받는 젊은 여성이 앞에선 그 기대에 부응하면서 뒤에선 사람들을 다 죽여버리는 어떤 충돌. 거기서 무언가 해소되는 지점을 찾아보고 싶었다. 앞에선 아이돌 뒤에선 살인마라는 컨셉조차 어떻게 표현하느냐에 따라 일종의 대상화가 될 수도 있겠지만.
(生意気さを無くそう!というスローガンがあり、やり遂げました。(笑)私たちが集中していたPOINTの一つがKがどう笑うかでしたが、本当に中身のない笑い方を求めました。執筆当時、少しでも無表情だと悪口を言われる女性アイドルの運命について考えて書きました。いつも優しい愛嬌を求められる若い女性が表面上その期待に応えて、後ろで人を殺してしまうという衝突。そこで何か解決できる点を探してみたかったのです。前ではアイドル、後ろでは殺人鬼のコンセプトをどう表現するかによって一種の対象化になるかも知れません。)

http://m.cine21.com/news/view/?mag_id=99356

喋らない役!?サンタ

サンタさん、爽やかです。多くの韓国ドラマだったら、彼のような人物がまさに女性主人公を夢中にさせる、或いは彼が夢中になる姿に私が夢中になるような人物でしょう。

でも今回は違った意味で夢中になります。who are you? 彼の存在は一体何を意味するのか。それがドラマの進行と共にずっと問いとして存在します。

元々はクギョンイのゲーム仲間であったことから、彼女の運転手として雇われた彼。しかし本名不明、口ではなく携帯で会話する明らかに怪しい人物です。疑わしい性格のクギョンイからすれば、尚更安心できない存在のはず。
にも拘らず、ゲーム仲間であることを確信したクギョンイは彼を受け入れます。

怪しい。怪しすぎるぞ。そう最初は思っているのですが、彼の温厚で献身的な行い見る度、その感情は薄れ、寧ろ一番信頼できるような気になるのです。不思議ですね。人を信じるとは一体何なのでしょうか。
最後まで目が離せない人物です。

友情よりも濃い繋がり ナジェヒ

クギョンイの警察時代の後輩であり、クギョンイの好物も過去もすべて知るナジェヒ。シングルマザーでもあり、家族を守るために仲間と別行動にならざるを得ないこともあります。
だけど、クギョンイを心から見方し、本気で心配したり、本気で怒ったり。浮ついた楽しさだけの友情を越えた信頼関係に、人間関係の在り方を考えさせられます。二つの立場の間で葛藤しながらも、彼女なりの正しさを探る強さは魅力的です。

〈人物の二面性〉

さて、重要人物を紹介する中で改めて思ったことは、設定としてキャラの二面性がわかりやすくあることです。もちろん人にはいろんな顔があります。このドラマでは、分かりやすい二面性を設定することで、表の顔と裏の顔を意識させます。この人は本当にいい人か、見ていると不思議にそんな判断をしようとする。安心したいからなのでしょうか。
しかし、善人か悪人かを第三者が簡単に判別出来るのでしょうか。
どんどんドラマのテーマに引き込まれていきます。

注目ポイント③:簡単に分からない真実

疑わしいクギョンイが徹底的に疑って、真実に近づいてく。その途中では、犯人に殺されそうにもなり、過去の自分を傷つけられ、身も心もボロボロになります。それでもヘコタレナイ姿を見ると、真実への見方も変わるように思います。このドラマは、簡単に答えを教えてくれない。だからこその面白さがあると思います。

何が真実かを視聴者も一緒に考える。見返すたびに新たな発見があたっりするのもこのドラマの好きなところです。

疑う、答えを出す、その答えをまた疑う。まるで自分との対話です。
孤独な営みですが、正しさの判断とはそれ程奥深く、自分と向き合わなければ出せない答えなのかもしれません。(孤独と言いつつも、チームワークのイイテンポ感もドラマのコミカルポイントです!)


カッコいいOST

ドラマの彼女たちのように、力強い曲調に、何回倒れても立ち上がり戦う姿を歌っています。カッコいいです!

予告動画


まだまだ語りたいけれど、纏まりが悪くなりそうです…。
好きを伝えるのって難しいんですね。勉強になりました(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました。

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