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家に来た3人の迷子(大人)さん達

10年以上前のことですが 当時、私は難病の夫を介護していて 外へ出ることは全くできない状況でした。
夫は 永くても 後4年と言われてましたが 病名が分かってから10年間
生きていました。
夫の介護は私一人では出来ないので、有難いことに 毎日8人以上のヘルパーさんなど医療関係者が 来てくださって
夜も10時から 朝までヘルパーさんが泊まって下さり、私と二人で介護してくださいました。
私は一日中 夫のベット周りから離れられないので、外出は出来ないけれど
一日22時間、訪問してくださる どなたかと一緒でしたので淋しくは無かったです。

ある 秋の日 「すみませーん」という声がしたので 玄関へ出てみると
女子高生が 立っていました
その子を見て 私はびっくりしました。
今まで見たことのない 絵に描いたような可愛い顔だったんです
「ここは どこですか? 住所 教えてください」と
 慌てているような疲れ切っているような感じでした
住所を 教えると 「タクシー呼んでください」と言うので、タクシー会社に電話して「 直ぐ来れるから」と伝えるとホッとしたようでしたが
その時 彼女の携帯電話が鳴り 手短に話しおわると
「迎えに来てくれることになったからタクシー 断ってください」 との事
私も それを聞いて安心したのです。
次の日 この話を 鍼灸の 先生たちに話しました
鍼灸師さんは全盲なので 運転などのため いつも二人で来てくださるのですが お二人の話しに 世間知らずの私は ビックリしました
内容は「その女の子は 整形している。 高校の制服を着ているけど高校生ではない。 電話で商売をしていて 相手の男の人に会ったけど 何か話がもつれて 知らない場所で車から降ろされて困っていた。 そして他の 男の人に 連絡が取れて 迎えに来ることになった」と推測していました。
私は 何とも言えない気分になった 一人の迷子さんとの 出来事でした