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本当のお金持ち

徳州駅の前にホテルがあった。 僕たちは、ホテルなら両替してくれるかもしれないという1%の希望を持って行ってみた。

結果は “NO” だった。

これから、どうしようか考えていたら… ある人が後ろから英語で話しかけてきた。 北京から出張に来た人だった。

“お困りですか?”

僕たちの状況について正直に話したら、その方は “自分が中国のお金に換えてあげるよ”と言ってくれた。どれだけ感謝だったことか… 空から天使が舞い降りてきたと思った。

そのホテルは激高だったので、ホテルの周りにリーズナブルな宿がないか探してみたが,結局見つけれなかった。僕たちは宿の代わりに24時間営業のレストランを探すことにしたのだが、遠くに非常に懐かしい文字が見えた。

“KFC”

どれだけ嬉しかったことか。 KFCなら24時間ではなくても、少なくとも夜遅くまで営業していると思った。 が...しかし、30分後に閉めるというのだ。

マジで、これからどうしようか考えていたら… 突然ある人が ‘韓国語’で話しかけてきたのだ。 びっくり仰天。 韓国語で自由にコミュニケーションがとれるほどの実力ではではなかったが、少なくとも僕たちの中国語よりかは、はるかに上手だった。 その友達は、K-popが大好きな大学生だった。 僕たちは韓国語と英語を使いながら話し始めた。

この辺りに安い宿があるか聞いてみた。 彼女はインターネットを使って調べてみたが、やはり適当な場所はなかった。その時、彼女が衝撃的な提案をした。

自分は友達と一緒に暮らしているんだけど、自分の家に一部屋余ってるから、もしよかったらそこで寝たらどうかというのだ。

...
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本当に有難い提案だったが、本当にそうしてもいいのか? よく分からなかった。 でも、時間は遅いわ、外で寝るには寒すぎるわ、僕たちが望んでいる宿はないわ.... 僕たちはそこで寝ることにした。

実際に行ってみると、その家は一生懸命アルバイトをしながら生計を立てている貧しい学生たちが一緒に暮らしている家だった。僕たちが寝た部屋には小さいベッドの他には何もなかった。 布団もなかったため、身体はマックス寒かったが、心はポカポカだった。

お金が多い人をお金持ちと呼ぶが、本当のお金持ちは、お金の量とは関係なく、自分が持っているモノを他の人と共に分け合える人だと思う。見知らぬ人に、何の理由なしに ‘助けの手’を差し伸べてくれた彼らこそ本当のお金持ちじゃないだろうか。 僕もそういう人になりたい。

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