汀艷の庭園「花梨」
…なんて毎度駄洒落をぶちかましております TeiEn PRESENTs 園芸随想録です。
Sunny Side ~苦節8年~
庭の花梨が初めて咲きました。この木は、洋裁学校に通っていた弟のファッションショーを観に文化祭に行って、50円で買った花梨の実から取った種を蒔いて、自分で育てた苗木です。今は教師をしている弟が高校2年生の時ですから、もう8年も歳月が経ったのですね。最初は、いくつも芽が出ていて順調に育っていたのですが、台風で流されてしまったり、夏の暑さ冬の寒さで枯死してしまい、次第に減り続けて、とうとう私と同じくらいの背格好の立派な苗木になってくれたのは3本だけ。生き物を育てるのは難しい事ですね。それでも、あの日買った1つの良い香りのした実から命を繋げることが出来て、少しは私も地球に徳が積めたのかしらと思っております。そのうち、山に還してあげようと思っております。樹木という生き物は、きっと私なんかよりも長生きなのでしょう。私のことなんて忘れちゃっても良いから、立派な木になって、ずっと遠い未来まで美しく花実を付けたりしながら過ごして欲しいものです。
Dark Side ~作曲家時代~
桜より少し赤みのかかった花を何年も待ちわびながら、私自身も様々な変化がございました。苦節8年とでも申しましょうか、私が第2の人生(音楽家を主軸とした)を歩み出せたのも、ちょうどこの頃からでございます。今は、それすら放棄してしまって、楽しく第3の人生(役者・随筆家を主軸とした)を歩ませて頂いておりますけど。(とは言いましても、作曲家を引退したわけではございません。ただ、もう殆ど、一見さんお断り状態でございます。) 結局、私はクイモノにされて終わってしまいました。都合好く使われて、名実だけ必要とされて、箔を付けるためだけに近寄られて、私も、私の音楽も大切にしてはもらえませんでした。私も花梨の実のように好い香りは放っても、クイモノにされない凛とした存在でいたかったです。食えない奴として。私は、第1の人生(罵詈雑言の寄せ集め)でバカにされ過ぎてしまって、その辺が麻痺していたのでしょう。ずいぶんとなめられたものです。安売りなんてしてはいけませんね。私も好い香りをフワリと扇ぐだけにしておきます。何も返ってきやしませんもの。次は…大丈夫!
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