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初めての落語

2021年8月20日

さて、昨日帰りが遅すぎて書く気になれなかった昨日の出来事。
タイトル通りですが(笑)、昨日私は人生で初めて生で落語を観てきました。
実は去年あたりから、何人かの人が落語の面白さを語っていて、それを聞いて一度は観てみたいと思い地方でも観れるのか調べてみてはいたんです。
もちろん常設の「寄席」なんてないので、単発の公演を狙うしかない。
それがコロナのせいなのかわからないが、あんまりない…あっても申し訳ないがあんまり聞いたことのない落語家の方で(まぁ、根気よく探していればきっとあったのだろうが、すぐ諦めてしまった笑)…どうせなら、初めての落語はせめて名前と顔くらい知っている落語さんの落語を観てみたい。
だって、もしかしたらものすごく面白いはずなのに、言っちゃあ何だが…ねぇ、まだ無名の落語家さんでは当たりはずれのリスクが高すぎる…
一度、ちゃんとした落語を観た後なら素人に近い人の落語でも良いのだが、最初は…ね。

…と思っていたところ、なんと、落語を知らない私が一番観たいと思っていた立川志の輔師匠の落語があるとの情報を入手!
迷わずチケット買っちゃいました。めんどくさいので誰も誘わず(笑)

なぜ私が志の輔師匠の落語を観たかったかというと、理由はミーハーなんです。映画「えんとつ町のプペル」で主人公ルビッチのお父さんブルーノの声を演じていたのが志の輔師匠だったんです。
その映画のクライマックスのシーンでブルーノの一人語りのシーンがあるのですが、まさに「口上」という言葉がしっくりくるような心揺さぶられる台詞を語るあるんです。そのシーンにポロポロと涙がこぼれて…あーきっとこの方の落語って凄いんだろうな…って思っていたんです。

だから、志の輔落語が地元で観れるチャンスがあったのなら、それを逃すわけにはいきません!

…久しぶりの長い前置きでしたね(笑)
そんなこんなでようやくようやくやって来た公演日。

ワクワクして会場へ向かいました。
チケットは自分でもぎって箱に入れるスタイル…なるほど、コロナ禍ならではですね。
ロビーに入るとパンフレット類やグッズを販売している様子はないものの、何やら列ができていたので、様子を見に行ったところ、今後の公演のチケットの販売ブースでした。落語だけでなくワハハ本舗やほかのお笑い系の公演んがいくつかあり、その場で席を自分で選んで買えるというものでした。

落語好きの人はきっとまた次の落語の公演があれば行くんでしょうね。だから長い列ができていたのです。なるほど落語ファンはやっぱり多いんだなぁ…私もその列に並ぶ日が来るのか否か?
ワクワクしてきました。

会場が暗くなり太鼓の音が響きます。あー伝統芸能っぽくていいなぁ←素人感全開(笑)
そして出囃子…出ていらっしゃったのは志の輔師匠の八番弟子の志の大さん。前座ですね。さて、私の人生初の生の落語は志の大さん!あなたです!
落語ではすぐ本編に入るのではなく「まくら」と呼ばれる噺家さんが自身の言葉で近況などを面白おかしく話してその流れでそのまま本編に入ります。
(あ、これが「まくら」と呼ぶのは後で調べました笑。敢えてなにも知識を入れずに観たらどうなるんだろう?と思って何も調べずに会場へ行きました)この「まくら」時事ネタだったりするのでしょうがそれが上手く本編の演目につながるような内容なので、いつのまにか本編に入っているって感じでした。
志の大さんの演目は「狸の札」という古典落語。
八番弟子とのことですが、いやぁ面白かったです。会場も笑いに包まれ拍手で終わりました。

すると、高座を降りる前にくるりと座布団をひっくり返して降りていきました。
あー、これも落語の所作の一つなんだろうな…この後出ていらっしゃるお師匠様が座る座布団だから?
調べました。
これは「高座返し」というものらしく、前座さんお仕事一つとのこと。
目の演者が終わり次の演者が上がる前に座布団をひっくり返し、羽織や湯飲みなどがあれば片付けて、次の演者の「めくり)を返すまでの一連のことを「高座返し」というそうです。
今回は志の大さんが前座で次に志の輔師匠が出てこられるので、自分の演目が終わった後そのまま座布団を返していったんですね。
でも、調べたところ、この座布団の返し方にも作法があるようで、縫い目を客席側に見せないように、返した時の風を客席と反対側の自分の方に送って塵を飛ばさないように…とかあるみたいです。
志の大さんは座布団の角にあるフリンジみたいなフサフサのやつを整えていました。
うーん、落語…所作一つ一つを見ても深い。

所作と言えば、羽織脱ぐときに脱ぎ方がなんとも美しい…袖口をつかんでさらっと脱いでサッと自分の後ろに隠す。話しながら脱ぐのだが、最初の志の大さんの時にはよくわからなかったが、観ているうちにどうやら本題に入りますよ…というタイミングで脱ぐことがわかった。それがホントにさりげなく美しく脱ぐんですねぇ。素敵だ…←素人らしい感想(笑)

そして、いよいよ志の輔師匠のお出ましです!
出囃子が流れ、舞台の袖からゆっくりを歩いてこられました。
高座に上がるのもゆっくり…大御所らしさが遠目でもわかります。(私の席…21列目)

高座に座ると深々とお辞儀をされ、会場が拍手に包まれました。
何が良いってまず私、志の輔師匠の声が本当に好きなんです。
まずは今日会場に来られたお客様に対しての丁寧なお礼の言葉。
毎年新潟に来ていて(素人は知りませんでしたが)去年は丁度10年目に当たる年だったそうですが、コロナ禍で中止。今年は11年目だが10回目という節目の公演とのこと。なるほど…ファンも多いはずだ。

「小池都知事の目を盗んでやってきました」に会場がドッと笑いに包まれた。「まくら」にあたる話がまた素敵だった。
落語というものは日本語だからいいのだと。日本語の持つ独特な言い回し…例に出されていたのがいわゆる一人称と二人称。例えば英語だと私は”I”、あなたは”You"しかない。それが日本語の場合「わたし、わたくし、わし、手前、自分、僕、俺…」と「あなた、お前、てめえ、このやろー(←だったかな笑?ちょっと定かではないがここで笑いが起きた)」といろいろある。
しかも相手の顔が見えなくても、その使い方で相手が自分より目上なのか嫌な奴なのか…とかがわかると。そんな話をされていました。
そこから物は言いよう…という話になり、同じことを伝えるにも言い方ひとつで相手の受け取り方が変わる…というような話になり、その中で自分は知ったかぶりが一番嫌いだ…と。この辺りで確か羽織を脱がれたと思います。

ホントに話の流れが自然に本題に移った。演目は「ちりとてちん」古典落語です。
落語好きの方にはきっとおなじみの演目でしょうし、知らなくても内容は調べれば出てくると思うので省略しますが…
一言で言うと「凄かった!」
師匠の作り出す世界にグーっと引っ張られて、話の情景が目に浮かんだ。
右を向いたり左を向いたりすることで今誰が話しているのか、声の大きさで相手までの距離がわかる、目線、姿勢、声の張り方や抑揚、手のたたき方(音がすごい)膝で立っただけで高さを見せたり…使うものは扇子と手ぬぐいだけ。扇子が箸になったり、手ぬぐいは…何だったけな(笑)何かで使っていたんだけど子の演目ではちょっと思い出せない。(志の大さんの「狸の札」ではもちろん「札」になっていた)とにかく、高座に敷かれた座布団と扇子と手ぬぐいだけであれだけの世界を作り出してしまうその技術(と言っていいかわからないが)が素晴らしすぎた。

前座の志の大さんも面白かったし会場も笑いに包まれていたのだけれど、やっぱり「師匠」と呼ばれる方が編み出す世界は申し訳ないほどに全くレベルが違った。圧倒された。
もちろん笑いのレベルも全然違う…会場の笑いの声が違う。

「凄かった」の感想に尽きるのがわかってもらえるだろうか?

この後、仲入りに入るのだが(仲入りってのがあるあたりが伝統芸能っぽくて良い~笑)、その後、四番弟子の志のぽん(え?名前これでいいんだ笑)
さんが出てこられて「看板のピン」という古典落語を。これも面白かった。面白いし上手なんだろうけど、先ほどの師匠の落語を観てしまった後なので、どうしても差を感じてしまった。

さて、もう一回師匠!と思ったら志のぽんさんは座布団を持って高座を降りて行った。ん?2回目の登場の時は新しい座布団にするのがしきたりなのか?…と思ったら三味線をもった女性が出てこられた。
「志の輔師匠じゃなくてすいません」みたいに笑いを取っていたが、この方は出囃子を演奏されていた方。何曲か披露して下がっていかれた。

さて、満を持してまた志の輔師匠のお出ましです。
次の演目は「ねずみ」
「ねずみ」は旅籠が舞台なので、「まくら」は旅の話。これがまた、面白かった!落ちなんて大爆笑。
「ねずみ」は笑いだけじゃなくて、しんみりしてしまう場面もあるんだけどその時の声のトーンとか“間”とか、絶妙だった。


おっと、めちゃくちゃ長くなっちゃった(笑)
それだけ最高だったってことです。

落語詳しい方からしたら何を今更…って思うでしょうが、初めてだった私にはこれが感じたままの全てです。
落語…ハマる人が多い理由がよくわかりました。
どこまでハマるかわかりませんが、とりあえず今これを書きながらYouTubeで志の輔落語を聴いています(笑)
声が良い…聴きながら寝れる。

てことで、そうしますね。

では、また明日。



《ダイエット81日目…今日の増減》
昨日より+0.2キロ
初日より−2.4キロ

なんだか書いてる意味あるのか?ってくらい一進一退な体重。
もっと頑張れ!

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