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危険を冒す

  教会に来ている小さな子供さんを見ていて、面白いなぁ~と思うことの一つにこんなことがあります。

 怖いもの知らずの元気な男の子(2歳)。教会の人気者です。机の上にのぼるのが好きですが、親からは「のぼっちゃダメ」と注意されています。でものぼりたい。親が席を外しているときに、この子が周りの大人の顔を見ながら、「ニヤッ」と笑い、大人の反応を伺うように、ゆっくりと机の上にのぼろうとします。そして机の上にのぼった時のこの子の“どや顔”はなんともかわいいのです。そこに親が戻ってきて、この子はあっさりと机から降ろされます。

 この子の姿は、自分の立ち位置を確認する一つのパターンですね。自分の周りの常識(時にはタブー)や“今までしたことがない”という境界線を果敢に乗り越えながら、活動範囲を広げ確認していきます。時には失敗し、時には成功しながら、チャレンジしていく中で自分の守備範囲を広げ、立ち位置も掴んでいきます。このようなパターンの人はアグレッシブ(積極的)な性格の人です。失敗も多いけど成功も多い人です。叩かれることも多いけれども、出過ぎた釘は認められるという人です。

 逆に引っ込み思案の人の場合はどうでしょうか。恥ずかしがり屋だったり、人の目を気にしすぎたりする人の場合です。教会にもこういう子供さんがいます。良いものを持っているのに発揮できないのです。小さくきれいにまとまろうとします。こういう人には周りの人たちからの応援が必要です。自信が育っていくチャンスをあげる必要があります。実は、いい年(56歳)をしている僕もこのパターンに属しています。

 こんな僕ですが、神様のお役に立ちたい!人のお役に立ちたい!神様の栄光を現すような人生を生きたい!という情熱は人並み以上に持っているつもりです。ですから僕の場合、多少時間がかかるのですが、“快適な領域”から少しずつ“はみ出る”努力をし続けています。そして小さな達成を積み上げることによって自信を育て、自分の立ち位置、守備範囲を広げています。人々が眼を見張るような成功を成し遂げることはないかも知れませんが、神様と人と教会に貢献できればそれでいいではないか!と思っています。

 ティリッヒという神学者の言葉を紹介します。

「危険を冒して失敗する人生は赦される。危険も冒さず、決して失敗もしない人生は、その全存在において失敗している」。

 厳しい言葉ですが、そうだと思います。自分の守備範囲の広げ方は人によって違いますが、神様のため、愛する人たちのため、そして自分のために、危険を冒して冒険したいですね。


***参照聖句***
するとペテロが答えて言った、「主よ、あなたでしたか。では、わたしに命じて、水の上を渡ってみもとに行かせてください」。イエスは、「おいでなさい」と言われたので、ペテロは舟からおり、水の上を歩いてイエスのところへ行った。マタイ14章28-29節

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