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母子家庭等就業・自立支援センター事業

昨日の記事では「マザーズハローワーク事業」について触れましたが、今日の記事では「母子家庭等就業・自立支援センター事業」について触れたいと思います。「何が違うの?」と思った方、鋭いです! 実は事業を運営する主体者が全く違うのです。

マザーハローワーク事業は、その名の通り「ハローワーク」が主体となって行う事業です。ハローワークは厚生労働省からの指示を受けて、都道府県労働局が運営しています。

一方で、母子家庭等就業・自立支援センター事業の主体者は都道府県・指定都市(大阪市・名古屋市・横浜市などの規模が大きい都市)・中核市(人口20万人以上)です。センター設置率は95.9%なので、ほぼ全ての自治体で設置していることになります(未設置は5自治体)。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000619772.pdf

マザーハローワーク事業と被ってない?

実施されている事業は「就業支援事業」「就業支援講習会等事業」「就業情報提供事業」「養育費等支援事業」「在宅就業推進事業」「面会交流支援事業」「相談関係職員研修支援事業」「広報啓発・広聴・ニーズ把握活動等事業」だそうです。なんだか難しい単語でよく分かりません(笑)

簡単に言うと、シンママが就職できるように職を探すお手伝いをしたり、就職に必要なスキルを学ぶお手伝いをしたり、就職に関する相談に乗ってくれたりするわけです。これだけ見ているといろんなことをしてくれそうです!

「あれ?!」と思った方、なかなか鋭いです! 昨日の記事と見比べてください。何か似てませんか? 「就業支援事業」と「就業支援講習会等事業」は思いっきり被ってます! やっぱり、所詮はお役所仕事なんです・・・。

そして、やっぱり人員不足・・・

職員の配置状況を確認してみました。少し古い情報で申し訳ないのですが、2005年に調査した結果では1事業所平均で3人いませんでした。私はこれをみたときに「3人に満たない人数で何ができるの?」とショックを受けました。マザーハローワーク事業同様、メニューはいっぱいあるけど対応しきれない状況なのです。

しかも職員はほとんど非常勤だというじゃないですか! 国や自治体が、この手の活動にいかに力を入れていないのかがよく分かる事例だなと思ってしまいました。

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出典:論文「ひとり親家庭の自立支援策における諸課題について

専門知識を必要とする内容が多い

シンママの要望と企業の就業条件は、ミスマッチが多いそうです。そりゃそうです、シンママは子供がいるので制約が多いのに対して、企業は「24時間働けますか?!」的なノリで募集したいわけですから。

案の定、上記で参考にした論文によると、企業とシンママのニーズにズレが生じていて、特に、希望職種、勤務形態、勤務時間、就業条件等にミスマッチが多いそうです。そのため、キャリア・コンサルティングの知識が求められるとのことです。つまり、シンママが今後どういう職業に進んでいくとよりお金がもらえるのかを一緒に考えてくれる人が必要だということです。

当然、一人一人やりたいことは違いますし、置かれている環境も違うので、丁寧なサポートが求められます。専門知識が求められるのも頷けます。

民間のサポートはどうなの?

では、民間で同様のサポートはないのでしょうか? 一つ、同様以上のサポートしている団体を見つけました!

はぴシェア https://www.hapishare.com/

この団体はHPを見る限り、シンママにも企業にもメリットがある「三方よし」を実現している感じです。三方よしとは、現代的に言うと「Win-Winの関係」で、関わる人全員がメリットを受け取れる状態になっていることを言います。誰も損しない状態とも言えます。

その主なメリットは「シンママは完全無料」「企業も採用が決まるまで一切費用がかからない」「企業が助成金(特定求職者雇用開発助成金)を活用できる」です。

それだけでなく、はぴシェアが自ら採用してくれそうな企業を自前で発掘しているそうです。これはかなりすごいと思いますし、民間ならではの活動だなと思いました。

こういう民間団体のサポートがもっと増えるといいなと思いますが、シンママを採用する企業そのものが少ないので、採算が取れないのかなと勘繰ってしまいます。厳しい状況だと思いますが、この記事を書きながら、私もこういう活動をしたいと心に強く誓いました!

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