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読書レビュー「貧乏国ニッポン」


本書を読む目的・きっかけ

 以前、同じ著者の「国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶」という本を読み、この著者に興味を持ったので別の本を購入しようということで、たまたま本屋でこの本を見つけたので購入した。
 目的にとして実質賃金が下がり、相対的に貧しくなってく日本で生きていく中で何かヒントを掴みたいという思いで読んでみた。

読書感想

 正直、読書目的としていた「今の日本で生き抜くためのヒント」らしいことは書かれていない。書かれているのは日本がなぜ、ここまで安い国になったのかということと、これから日本は経済的にどのような国を目指すべきかといったことが書かれている。
 日本が安くなった理由は、結論から言えば賃金が上がらずに安いままとなあり、その一方で、外国が経済成長して賃金が上昇していったからという結論が出ているので目新しいことはない。そういう意味では面白味はない本だが、物の値段が決まる法則(経済学)について書かれている箇所は自分的には勉強になったので教養を身につけるという意味で良かったと思う。経済のメカニズムをサクッと知りたい人は第4章だけ読んでみてもいいかもしれない。
 さて、本書を読んで、なるほどと感心したことが2点ある。
 1つは、日本経済を根本から変えるのは政治家ではなく、経営者や消費者だということだ。世間では経済が悪いのは、政府のせいと言われるが実際は違うと私も考えている。政府ができる経済政策はマクロ経済学レベルでできることが少しある程度で、実際に経済を動かす力なんて、政府にはほとんどないのが常識だ。
 2つ目は消費税の増税で景気が悪化することはないという点だ。
これは他の経済学者も言っていたが、消費税の増税が景気の悪化をもたらすと言われることがあるが、実際に過去のデータを見ると、消費税が原因で景気が悪化したことはほとんどない。そのため、増税が悪のように言われれているが、個人的には少子高齢化が想定より早く進行していることを考えたら、やむをえないと思う。(ただし、税金の使い道はちゃんとオープンにして欲しいが)

実践すること

 現状の日本がなぜこうなったのかということがメインの本なので、実践できることが少ないが、最後に書かれていた個人レベルでやっていた方が良いことで、外国株への投資が書かれており、これは検討してみたいと思う。
 国内企業が成長できていない現状では外国企業の株を購入しておき、長期保有しておくことは自分を守る意味でも重要ではないかと思う。特にこの20年は、メタ社やグーグル社、アマゾンなどの台頭に始まり、近年のエヌビディアの躍進を見ると尚更そう思わざるをえない。

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