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光石

光石 飛騨の伝説と民謡

大根川という川ではまるで金のように輝いて見えるが、掴むとただの石になってしまうという光石という石がある。これは三木秀綱という武士が敗れた時に、落ち武者狩りにあい殺された。その時に金を川の中に放ったものだという。入っていた袋は六蔵という男の家に持ち出された。家の子供が持ち出し、遊んでいたところ、川のそばで転がり落ち亡くなった。六蔵は狂って『秀綱が来る』とおびえるようになった。翌年、疫病がはやり多くの人が亡くなった。また、真夏というのに雹が降り、作物をダメにした。六蔵は手をうって喜んだ。人々はこれは秀綱の祟りだと神として祀ることにした。秀綱大明神として盛大に祭儀が行われた。七日目の晩は大嵐となり、六蔵の家に雷が落ちて火事となり、一家全滅となった。


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