見出し画像

塩替息子

塩替息子 伊万里市史
 生まれた子供が次々に死んでしまったり、病弱の末に生まれたときには、子供を捨てる真似をする。     
 そうして多くの子供が育っている家に拾ってもらう体にする。それから捨てた方の家が塩三升で買い取る。こうすれば子供は丈夫に育つという。

 吉日を選び、三叉路になった道や畔に子供を連れていく。
「お前は生まれながらの弱造だから捨ててやろう」と捨てる側の親がいい、
「この子を拾っていって達者に育ててやろう」と拾う側の親は子供を抱いて連れていく。
 その夜、両方の親や身内のもので宴会を行い、持って行った塩三升で捨てた子供を買い取って帰る。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?