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天狗の足跡

天狗の足跡 本島の伝説
※本島というのは香川県丸亀市塩尻諸島の本島のことである

 瀬戸内海の島々にはたくさんの天狗が住んでおり四国はもとより中国地方まで飛び回っていたそうです。
 ある時、丸亀城下に住む子供が神隠しに遭い、家族のものが八方手を尽くして探しましたが、どうしても見つかりませんでした。
 そこで古老達に相談しましたところ、失せものや家出人などにご利益があるという大天狗さんに願掛けに出かけました

 佐柳島という島は猫の島としてしられている。島の中には大天狗神社という神社があり、山頂まで行くと、珍しい大天狗の石像がある。 参詣すると、失せ物が見つかり、また、泥棒除けにもなるという言い伝えがある。

 3日が過ぎた。
 あんなに捜していた子供が無事、父母のもとへ帰ってきた。
 子供の云う事には、
「夕方、堀の近くで遊んでたら、急に目の前が暗くなって気がついたら、本島の弁天島におった。そこへ、大きな天狗さんがやってきて、家につれて帰ってやるから背中に乗りまい」と云うた。
 それから、弁天島を飛び上り、遠見山の大岩に片足を踏ん張ってその勢いで丸亀のお城の下まで連れてきてくれたという。

 今でも遠見山に「てんぐの足あと」というものがあるから、それかもしれない。


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