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事業KPIについて掘り下げた備忘録

最近マネジメントが増えており事業KPIについて考えることが多く、実際に手を動かす中で学びが多かったので備忘録としてまとめておきます。

よい事業KPIの前提

よい事業KPIの前提は下記を満たす必要があると考えています。

■経営目線
・売上に影響を与える全パラメーターが整理されている
・全パラメーターが机上で終わらずオペレーティブに収集できる
・経営目線で整理したKPIを現場に落とせる形にできている

↕(ここの繋ぎ込が一番難しく、かつ重要なポイント)

■現場目線
・KPIを見たときに何を実行すればいいかが分かる
・短期で結果が出るもの、長期で結果がでるもののバランスがよい

一番粗く売上を分解した時の事業KPI

一番粗く売上を分解すると下記の分解になります。

売上=顧客数×ARPU(Average Revenue per User)となります。
めちゃくちゃ単純化すると顧客数を増やすか一顧客数頭の売上を上げることが必要となります。
ただ、このままではなにも分解されていない状態なのでより因数分解をします。

これでもまだまだ粗いと思いますが、今向き合ってる事業に対してどんどんパラメーターを見つけていきます。
こうして、事業上存在するパラメーターを整理し、理解を深め、どのKPIをどれだけ動かすと最終の売上がどれだけ伸びるのかをシミュレーションしていきます。

KPIをどこまで伸ばすかを決める上で大切なこと

理想としては全KPIが伸びていけばいいのですが、なかなかそういうわけにもいきません。
あまりにもストレッチさせたKPI設計では成果は出ませんし、現場が疲弊するだけです。
ぼくの場合はこのような場合だいたい3つの考え方でKPIの設計をしています。

1.同業界の平均数値と同業界で一番パフォーマンスのよい数値を知る
2.業界が新しい場合にはアナロジーが効く業界からベンチマークする数値を持ってくる
3.過去からの推移でどこまで目指すかを決める

1.同業界の平均数値と同業界で一番パフォーマンスのよい数値を知る
同業界の場合では同じような形でKPIを因数分解していることが多いので、それぞれ目安となる数値が存在します。
その場合には上場企業のIRやWeb上の記事、各種イベントで得た情報などをもとにベンチマークする数値を決めていきます。
また、業界の平均数値を最低限達成する目標とし、ストレッチゴールに同業界で一番パフォーマンスのよい企業の数値を持ってくるとよいでしょう。

2.業界が新しい場合にはアナロジーが効く業界からベンチマークする数値を持ってくる
いま取り組んでいる業界が新しい場合には近しい業界をベンチマークするといいでしょう。
私が取り組んでいるライブ配信事業は人材系の事業とのアナロジーが強いので人材系の数値をベンチマークすることが多いです。

3.過去からの推移でどこまで目指すかを決める
過去からのトレンド上まだ伸ばす余地があると感じられる場合にはトレンドライン上の数値を目標数値として据えることもあります。

いずれにしよ、そのKPIをどこまで上げることができるのかを考えることは非常に重要な作業です。

1タームで終えるKGI&KPIは3つが限界

特に現場にKPIを渡すときに意識をしているのは絞った形で数値を追いかけてもらうことです。
あれもこれもと取り組むほどリソースのある組織は少ないでしょうし、本質的に成果が出る可能性が高いKPIに集中することでよりレバレッジを効かせた形で成果を出すことができます。
個人的には1KGIに2KPIぐらいが人がフォーカスして見ることができる限界だと考えています。
特にこのときに意識をする必要があるのはKPIが量的指標と質的指標が同時に設計されていることです。

よく失敗する例では量的指標のみ、質的指標のみを追いかけてしまい部分最適に陥ることです。

たとえば、営業組織でコール数をKPIに置いてる会社は多いと思うのですが、コール数のみをKPIとすると無駄な架電を繰り返しコール数だけを伸ばそうとするメンバーが出てきてしまいます。

また、逆にアポ率のみを置いてしまうとコール数を減らし確実にアポが取れそうな企業にのみコールをしてしまいます。

アポ数がKGIなのであれば、コール数とアポ率という量/質を見る必要があります。

数字に意図は込めれているのか

KPIを設計するときにその数字の意味を本当に理解できているのでしょうか?
分母になぜその数字を持ってくるのか現場に説明できますか?
直近勉強になったのは契約数/流入ユーザー数を見ていたのを分母を契約数/面談数に変更することで本質的な営業マンのクロージング力が可視化されたことでした。
マーケティング的な分解としては契約数/流入ユーザー数という分解でもよいのかもしれませんが、営業マンのパフォーマンスを測る上では不十分でした。
このように数字に対して一つずつ意図を込めていく必要があります。

現場に渡すときに理解しやすい数字になっているか

現場にKPIを渡していくときには分かりやすい形にしておく必要があります。
CPAを○○○円にしよう!みたいな話はよくあると思うのですが、このときの"A"はなにを指しているのでしょうか?
Webサイト上のCTAのクリック?それとも面談?それとも契約?それとも実稼働?
などなど曖昧な言葉で渡してしまうと本来意図していなかった形で運用がされてしまいます。
そのようなことが起きないように必ず理解しやすく一意に定まるKPIを設定しましょう。

最後に

私は経営企画としては駆け出しなので、まだまだこの領域の解像度が高くありません。
これから学習を繰り返し、より精度の高いアウトプットを出していきます。
今回はあくまでここまでの学習の備忘録として捉えていただけますと幸いです。

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