人間の強みについて考えた備忘録
よく「自分の強みを活かしたことをしたい」と聞くのですが、個人的にはしっくりこないので年末に考えていたことを備忘録的にまとめておきます。
「強み」=「能力」や「スキル」だと思っている場合はちょっと危ないんじゃないかという話。
そもそも強みとは?
辞書的な意味を確認するとこういう感じ。
つよ‐み【強み】
1 強いこと。また、その程度。「一段と強みを増す」⇔弱み。
2 頼んで力とするに足る点。「語学の達者なことが彼の強みだ」⇔弱み。
強いの対義語は「弱み」となるので、なにかと比較して「強い」「弱い」が決まることが分かります。
相対的に決まる「強み」
つまりは、「強み」とは相対的に決まると言えます。
誰かと比較して強い、その環境において強い、などのように考えると絶対的な強さは存在しません。
なので「強み」=「自分の能力」とだけ捉えてしまうと、片手落ちになってしまうのでどのような相対性の中で「強み」が決定されるのかはもう少し俯瞰して考えたほうが良さそうですね。
もうちょっと因数分解すると
私は強みとは「特定の環境で自分の持っている能力を行使することで成果を得れること」だと考えています。
私は大学時代にフィリピン留学をし、その後6ヶ月マニラで働いていました。
英語の読み書きはある程度は問題ないが、スピーキング&リスニングは英語を母語とする人たちに混ざるとぶっちゃけほぼついていけません。
こうした能力&経験だけでは、環境によっては強みに転じますし、弱みにも転じます。
私は日系企業がフィリピンに進出するタイミングでジョインしたのですが、その企業の本社に勤める人たちよりも相対的には英語ができたので採用されたのだと思います。
逆に英語をめちゃくちゃ求められる環境(外資など)ではぶっちゃ採用されなかったと思います。
このように環境によって人の強みと弱みは変わります。
要するにどうするべき?
強みを考えるときには能力やスキルだけではなく、その能力やスキルがどのような環境で発揮されるかも理解しないとあまり効果的ではないです。
能力やスキルがそこまででも環境の選択次第では成果を出せます。
強みについて考えるときには「環境」もぜひ変数として取り入れてみてください。
自分の強みに固執すると将来的な選択肢が狭まる
自分の特定の能力に固執することで逆に自分の可能性が狭まる可能性があります。
いまできることを強みだと信じることで、他の可能性がどんどん減ってしまいます。
営業が得意だと思っているが、実際は営業しかしたことがないだけ。
マーケが得意だと思っているが、実際はマーケしかしたことがないだけ。
そういう人は意外と多いのではないでしょうか?
単純に自分の経験の幅の中でしか思考はできないので、自分が強みだと思っているものが実は経験の中から拾い集めたにすぎないということはあります。
私はもともと人とのコミュニケーションが得意だと思っていましたが、幅広く業務経験を積む中でデータ分析や戦略を黙々と考えるほうが実は得意だということに気づきました。
コミュニケーションだけが自分の強みだと思いこんでいたら、このような業務からは距離を取っていたと思います。
いま自分が「強み」だと思っているものは本当に強みですか?
改めて自問自答してみましょう。
自分の経験の中からだけ選び取っただけのものの可能性を検討してみてください。
それじゃ、能力開発はどこから手をつければいいの?
とはいえ、環境の選択だけでも将来的には先細るので能力開発ももちろん重要です。
それじゃ、能力開発はどこから手をつければいいの?という疑問が出てくるかと思います。
これまであまり能力開発をしていないのであれば、特化型の能力(営業、マーケ)などを習得したくなると思いますが、同時に「複利で効く能力」の開発を行うことをおすすめします。
年始に深津さんが書かれていた、「累積するスキル」のような能力ですね。
このように累積する(複利で効く)能力を身につけることができれば、具体性の強い強みよりも、永続的に強みを発揮できる可能性が高まります。
(以下深津さんのnoteから引用)
特にオススメな、序盤に抑えたい永続支援アイテム
個人的に、小〜中学校の間で、強くオススメしたいのは以下のようなスキルだ。これらは、若年で習得するほど活躍する。一方で人生の後半でとっても、それほどメリットがない。
勉強のしかた
あらゆるスキルの中で、初手でゲットすべきスキル。勉強のしかたを身につければ、以後あらゆるスキルの習得スピードが倍加する。
分析のしかた
スキルの習得と実行から意思決定まで、全方位で役に立つ超汎用スキル。仮説検証、構造化、抽象化などを抑えるとオススメ。
記録のしかた
習得したスキルや情報をアーカイブする方法。メモ、記法、記憶術、整理術など。
コミュニケーションのしかた
人生の成功失敗は、だいたいコミュニケーション能力で決まる。
調査のしかた
質問の仕方、どこでどういう情報が手に入るのか、深堀りの仕方。
リスク管理のしかた
想定が狂ったときに、どのようにリカバリーするか? そのために、どれくらいのリソースを準備しておくのか。失敗を織り込むには、損を切り捨てるにはどうすればいいか。
※この累積するスキルについての深津さんのおすすめの本、動画、noteがあったらぜひ知りたいです!
おわりに
つらつらと強みについて考えてきましたが、下記にまとめをば。
1 強みは相対的に決まる
2 強みは能力×環境で決まる
3 現在強みだと思っているものはこれまでの経験をもとにした思い込みである可能性がある
4 能力開発は複利で効く能力を身につける
雑多なまとめなのでどこかで加筆修正するやもです。
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