#30日物書きチャレンジday11

タイムリープ名探偵

 「私が名探偵だ! 謎は全て解けた! 犯人はお前だ! 事件はこれからだ!」
 洋館の一室に飛び込んできたトレンチコート姿の自称名探偵を殺人鬼は見た。ナイフを死体から引き抜きつつ、そっけなく探偵に告げる。
 「もう終わりましたけれど」
 今、最後の一人を殺したのだ。他の四人も死体になって転がっている。
 「手遅れですよ。名探偵さん?」
 「甘いな、殺人鬼クン?」
 「なに?」
 不敵な笑みを浮かべる探偵の顔を見て、殺人鬼は動揺した。まさか、計画は完璧のはず。
 「事件はこれから起こる! タイムリィィプ!!」
 「うわぁぁ!?」
 探偵の身体がまばゆい光に包まれる。そして殺人鬼が目を開けると、そこには信じられない光景は広がっていた。なんと、殺したはずの五人が生きているではないか。時間も戻っている。そして目の前にはあの自称名探偵が居た。
 「お前は……!」
 「フッ、予告しよう。私はお前の犯罪を暴く!」
 こうして過去へ遡る探偵と殺人鬼の戦いが始まった。

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