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認証を受けたコーヒーを選ぶということ

コーヒーを選ぶ時、パッケージに「JASマーク」がついていたり、カエルのマークがついてたりしますよね。
そんなマークを見て意識的に選んでいますか?

恥ずかしながら私はコーヒーの産地に行くまで、認証の有無で選んだことはありませんでした。それよりは産地での加工方法や風味などの情報を重視して選んでいました。
でも現地を回る中で、農家の生活に触れ、豊かな自然の中で栽培されるコーヒーを見て、
認証を受けたコーヒーを飲むことが、コーヒー農家の方にとっても、我々消費者にとっても大切だと感じました。

今回はコーヒーに関わる認証の中からいくつかピックアップして、どういった認証なのかを軽く書いていきたいと思います。(約3000文字)

コーヒーを飲みながら、日々の一杯が農家の生活の向上や環境維持へ貢献していることを感じられれば一層豊かなコーヒータイムになるのではないでしょうか。
今後のコーヒーを選ぶ時の参考にしてもらえたらうれしいです。

「コーヒー生産の現場」

コーヒーを生産する地域は課題を抱えている国も多いのが現状です。

収入が少なくて教育を受ける機会がなかったり、豊かな森林が農地開発によって伐採されてしまったりしています。
そういった問題を解決することは農家だけでなく、消費者にとっても重要な意味を持つようになってきました。

そしてこれらの問題解決には現地に根差した啓蒙活動が必要になってきます。

私がアフリカの生産地に行って感じたのは、農家の方が情報を得る手段が余りないということでした。

そんな中でも周りの農家と情報を共有しあい、栽培方法を試してみたり、苗を分けあったりして試行錯誤しています。
でもこの時に「環境保護」という話題はほとんど上がりません。

生産性向上にモチベーションのある彼らに、環境への配慮と生産効率を両立した農法を伝えるためには、現地にノウハウを伝えることが必要になります。

認証の種類によって仕組みは違いますが、その仲介者になってくれるのが各種認証機関だと考えるとわかりやすいかと思います。

日本に住むわれわれが、認証を受けたコーヒーを選択的に購入すれば結果的に認証機関の収入を増やします。
そうすれば認証機関の現地での活動が活発になりコーヒーの生産現場で日々農家の方が情報に触れ、環境の維持と収益性の両立を可能にできます。

認証に関しては掘れば掘るほど情報が出てきて迷子になってしまいますし、立場によって見え方が変わるのでどれがいい認証でどれが悪い認証といった優劣もないと思います。

最初はパッケージに何かマークついているのかな?と興味を持つだけでもより良い社会への一歩につながると思います。是非参考にしていただければ嬉しいです。

「オーガニック認証」

自然と調和のとれた方法で作物を生産し、生物多様性を支え、土壌の質を高めることを基本理念としています。

栽培・加工・輸送において農薬、除草剤、防カビ剤、化学肥料を一切使用していない場合で且つ、第三者機関による認証を受けたものが認証オーガニックコーヒーと呼ぶことができます。

認証を受けるためには最長3年もかかることがあり、経済的にも大きな負担となりえます。

オーガニックで栽培することで、周辺の環境を保全し、生物多様性を支える助けにもなります。そのため、オーガニックのコーヒーを選ぶことに意味はありますが、上記のような負担があるため、正式な認証を受けていなくてもオーガニックで栽培されているコーヒーも多いです。認証がついているかどうかは参考にする程度でもいいのかもしれません。

「フェアトレード認証」

フェアトレードは途上国の小規模の農園で作られた原料を適正な価格で購入し続けることで生活改善と自立を目指す取り組みです。

国際フェアトレード基準は、開発途上国の小規模生産者・労働者の持続可能な開発を促進することを目指して設計されています。
基準は、「生産者の対象地域」、「生産者基準」と「トレーダー(輸入・卸・製造組織)基準」、「産品基準」で構成されています。
生産者とトレーダーは、適用される基準を守り生産や取引を行う必要があります。多岐にわたる基準ですが、すべての基準に共通しているのは、「経済」「社会」「環境」の三つの原則です。   協会ページより抜粋


「レインフォレストアライアンス」

生物多様性の保護、地域社会の発展、労働者の権利、生産性の高い農業の実践を統合して包括的で持続可能な農業経営を守ることを基本理念にしています。

農園が認証を取得するには、レインフォレスト・アライアンスの持続可能な農業基準 の要件を満たさなければなりません。この基準は、社会、経済、環境という3つの柱にわたる持続可能性を要求するものです。レインフォレスト・アライアンス認証農園は、定期的に監査を受け、基準の要件に則って持続可能な農業の実現に向けて継続的に進歩していることを証明しています。この基準は、持続可能な農業に関する以下の重要な原則を基本としています。   協会ページより抜粋


「バードフレンドリー(SMBC)認証」

渡り鳥を代表とする種の多様性を維持するための認証。

コーヒー農園はジャングルにあり、シェードツリー等もあったため渡り鳥の住みかとなっていましたが、1990年代に生物学者によって渡り鳥の減少が報告され、その一因としてコーヒーの改良品種への植え替えや肥料の性能向上により、シェードツリーが伐採されたことがあげられました。

農地の40%以上が日陰になっていること、最低10種の自生植物があることが基準となっています。

渡り鳥が休息する森で生まれたコーヒーを「バードフレンドリー®コーヒー」と呼びます。熱帯の森林を利用したシェードグロウン(木陰栽培)かつ有機栽培で生産されたコーヒーをプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支えなが ら森林伐採も防止し、そこで休む渡り鳥を守るプログラムです。コーヒーから生まれた収益は、このプログラムを創設したスミソニアン渡り鳥センターの研究調査資金として、世界中の渡り鳥保護・生態系保護のために利用されています。  協会ページより抜粋


【まとめ】

今回はコーヒー業界でもよくみる4つの認証を見てきました。

「認証を受けているから素晴らしい味わいがする」とか「認証を受けていないコーヒーは美味しくない!」みたいなことはありませんが、認証を受けたコーヒーを選択的に購入することは世界をいい方向に近づけることにつながると思います。

是非普段飲んでるコーヒーのパッケージを見返しながらコーヒーの新しい楽しみ方を見つけていただければ幸いです。

今日もコーヒーとともに豊かな時間を!

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