12月20日 霧笛記念日

少しずつ身の削られていく視界の中で、聞こえるものは君の声だけ。
波にもまれ左右もわからず、このまま沈んでいけるなら、きっと楽になれるだろう。

「***」

僕を呼ぶ声。

億劫さに息が詰まる。
それでも声が聞こえたから。

僕も空気を吸い込んで、もう一度喉を震わせ君を呼ぶ。

***

※霧笛は、視界が悪い時などに危険を回避するため、大きな音を出して船に灯台の位置を知らせるもの。

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