地域で何かを始めるとき、伴走してくれる人がいたらいいと思うんです。
今年4月から僕の後任できた地域おこし協力隊員の活動サポートをしている。具体的には、月に一度の面談(という名の雑談)のほかに必要に応じて一緒にプロジェクトを立ち上げたり、チグリスを活動場所として使ってもらったり、これからの活動にプラスになりそうな人たちを紹介したり。
面談(という名の雑談)の際に使っているのが「振り返りシート」。その月に「やったこと/わかったこと」と次に「やること」を書き出してもらって、自分の活動や思考の整理をしてもらっている。そのほかにも今後の起業に向けて事業計画を作るためのワークシートなどを使っている。
これらは、僕が実際に協力隊として活動しているときに毎月の活動の振り返りで使っていたものや実際に事業計画を立てる際に資料としてまとめたものをアレンジした。そもそもこのサポートも、僕自身の活動をしやすくするために立ち上げたプロジェクトだった。
共に悩み、サポートし合える仕組みを作る
地域おこし協力隊という制度は移住希望者と移住者を呼び込みたい自治体にとって非常に良い制度…のはず。でも、実際は活動内容のミスマッチや生業を作ることができずに任期終了後に地域に残れない事例も多くある。
なぜそうなるのか?もちろんさまざまな事情があるとは思うが、僕は定住・起業に向けてのサポート体制ができていないことが一番大きな問題だと思っている。
地域おこし協力隊は少し特殊な立ち位置で、行政や自治体関連組織の職員でもないし、かと言って、純粋に“民間人”としても見てもらえないこともある。そこの立場で生まれる悩みもあるし、その悩みを分かってもらえる人も多くない。
じゃあ、協力隊員同士でお互いの活動をサポートしあって、困っていることなどを同じことを経験した先輩協力隊員に相談できる場があれば、もっともっと有意義に活動できるし、任期後もそのネットワークを活用して事業を展開しやすくなるのではないかと動き始めた。実際にその活動を始めて動きやすくなったこともあったし、ネットワークも広がった。
“スキルや経験を生かして、自分らしく暮らせる環境を作る”ためのサポートが欲しい。
そんな経験から「これは他の協力隊や移住して何かを始めたいと考えている人にとっても有益なのでは?」と考えた。スキルや経験を生かして、自分らしく暮らせる環境を作るためのサポートがあればもっと地域への定着率が上がるはず。そこで、今年度は喜茂別町役場から“お仕事”として依頼を受け、隊員のサポートをさせてもらっている。
このサポートを通じて僕が提供できる価値は大きくふたつ
(1)やりたいことを整理し、実践に結びつけること
(2)やりたいことを実現させるために必要な人材を紹介すること
そのためにそれぞれに合ったかたちで進めていければと思いながらサポートをしている。何かを始めたいと思ったとき、田舎にいて困ることは「相談できる人が少ない」こと。それを解決し、具体的なアクションまで結びつけるまでの伴走をしてくれる人は重要になってくるはずだ。
目指すは“地域のカスタマーサクセス”
ITサービス業界では、カスタマーサクセスという職種がある。サービス利用者の満足度を高めて継続利用してもらうことが仕事。僕のはじめたこのプロジェクトも似たような支援サービスも同様で、「その地域での暮らしの満足度を高めて住み続けてもらう」ことが目標になってくる。そのためにも「日々の生活での困りごと」はもちろん、「生きていくために必要な仕事作り」をしていかなければならないなと思っている。
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