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No.6 胸部レントゲン写真②

こんばんは。Ryeです。



本日は、昨日の続きですね。



胸部レントゲンについてお話します。




胸部レントゲンの目的や方法については前回お話しました。
今回は、胸部レントゲン画像の見方と関連疾患についてお話します。



1. 画像の見方

まず、撮影された胸部画像の例を下に示します。

画像1


この上の画像には、多くの情報が写し出されています。


写っているものだけで、肺野・心臓・鎖骨・肩甲骨・肋骨・胸椎・大動脈・横隔膜・肝臓・脾臓・食道・胃などなど…
他にもたくさんあります。

画像2

簡単に説明すると、上の画像のように解剖がわかります。
胸部画像の最も見たい部位は、肺野です。
そのため、肺野は絶対に撮影範囲内に入るように撮影しなければなりません。両肺野がしっかり入れば心臓や縦隔も入ります。主には、肺野、心臓、縦隔の3領域を読影医が読影し、異常の有無を確認します。


2. 画像の濃淡(白黒)


次に、X線の濃淡についてお話します。


画像上、黒いと正常・白いと異常と認識している方もおられるかもしれませんが、そんなことは全くありません。


レントゲンというのは、X線の吸収具合を画像化しています。


そのため、X線吸収の高いものが白く、X線吸収の低いものが黒く写るようになっています。
つまり、黒いものはあまり吸収されていない、ほぼX線がそのまま透過しているということになります。


その代表が、「空気」です。


空気は非常に透過性がよく、画像上黒く写ります。



逆に、吸収しやすく透過しにくいものが白く写ります。


その代表が、「骨」です。


骨はX線をよく吸収するので画像上で白く写ります。



以下の図のように白黒を臓器別に分類分けすることができます。


画像3


このことを知っているだけで見方が変わると思います。


肺野はほとんどが空気です。


これを踏まえたうえで、空気がほとんどの肺野はレントゲン上で黒く写るはずですが、その中に白い陰影があればその陰影は何かしらの所見がつけられると思います。


このように、写るべきでない部位に濃度の違うものが写っているかどうかや、左右で見え方に違いがあるかどうかなどを見ていきます。


3. 関連疾患


・胸部レントゲン画像では、疾患に限らず、以下ものが代表的な所見として確認できます。

異物・医療機器装置

横隔膜の挙上

気管支狭窄・拡張

胸骨縦切開術後

脊椎側弯

内臓逆位



・代表的な疾患は以下のものがあります。

肺炎

肺腫瘍(肺癌など)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

肺結核

非結核性抗酸菌症

気胸

胸水(血胸・膿胸など)

皮下気腫

縦隔気腫

サルコイドーシス

心不全(心肥大・肺うっ血)

大動脈瘤

鎖骨・肋骨骨折


これは、ほんの僅かな代表例であって様々な疾患が見つかることがあります。また、こういった疾患の疑いがかけられた場合は、精査を進められます。CTや内視鏡、MRI、超音波などで詳しい検査をすることをお勧めします。



画像で説明すると長くなりますので、詳細が知りたい方は後日詳しい記事を載せる予定ですのでそちらをチェックしてみてください。




この記事より、少しでも診療放射線技師・医療に興味を持っていただけると幸いです。

質問もどんどんお受けいたします。

診療放射線技師を目指している学生さん、診療放射線技師になったばかりの新人さん、医療に興味のある方、多くの方に役立つ情報を共有できたらと思います。


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