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中小企業の社長は、強い思いを持ち、それを大切にする傾向があります。しかし、思いだけで突き進んでしまうと、悲惨な結果を招いてしまうことが少なくありません。一生懸命努力しているにもかかわらず、結果が出ないという状況に陥ってしまうのです。

思いを込めて商品やサービスを作り上げたにもかかわらず、鳴かず飛ばずで苦戦している企業や店舗は数多く存在します。その理由は、思い自体が十分に考えられていないため、悪い方向へ作用してしまうからです。そして、思いが足りないから上手くいかないのだと誤解してしまうと、さらに悪い方向へ進んでしまいます。

もちろん、思いは経営において非常に重要です。人の思いは、理解と共感を得ることが不可欠です。その「誰か」とは、顧客、取引先パートナー、社員など周りの関係者です。

経営において共感を生み、成功を収めている企業には、必ず卓越した戦略があります。自分だけの基準で独りよがりな思いを叫ぶことで成功しているわけではありません。

優秀な経営者は、ロジカルに構築された戦略を立て、思いだけで突っ走ることは決してありません。思いを単なる思いに終わらせるのではなく、具体的な形にしなければなりません。顧客、パートナー、社員にとって再現性のある戦略的なものとして形にするのです。これは、経営の根拠となるものです。

例えば、社員に対して「思いが伝わらない。」「何度言ってもわからない。」と嘆く社長がいますが、そもそも相手は理解できない、わからないものだという前提を持つことが必要です。血の繋がった親兄弟や家族であっても同じであり、人は誰もが忘れるものです。

だからこそ、思いを具体的な形にし、繰り返し伝えることで、共感を得られるようにしなければなりません。思いだけでは、何も変わらず思っているつもりになってしまいます。つもりはいつまで経っても積もらないのです。

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