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オフィスをなくしたら、組織が自由で多様でクリエイティブになった話

こんにちは!タイモブCFOの上原です。

今日は私から、タイモブがオフィスを解約して、フルリモートで働いている現状をお伝えしようと思います。

タイガーモブは海外インターンシップ事業を運営しております。しかし海外渡航ができなくなった今、事業をすべてオンライン化し、新規事業をスタートしました。
既存サービス2本をすべて止めて、新規事業を新たに7本つくって仮説検証を回していっている今は、まさに第二創業期、毎日が目まぐるしく過ぎております!

※詳細は以下のnoteをご覧下さい。

実はその裏で、事業だけでなく、自分たちの働き方もオンライン化したのです。
先月7月末にオフィスを解約し、完全フルリモート体制へと移行しました。さらに遡れば4月から、新型コロナウイルスの影響もあり、全社に在宅勤務を開始しています。すでに4か月間、フルリモート体制を続けているのです。

最近はオフィスを持たない会社も増えていると思いますが、せっかくなので事例紹介をしたいなと思いnoteを書くことにしました。

タイガーモブが社内で実践してきた中で気づいた、フルリモートな組織のいいところがお伝え出来たならと思います。

1. オフィスもういらないんじゃない?フルリモートでいけると確信し、オフィス解約へ!

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簡単に新型コロナウイルスの影響を受ける前のタイガーモブの状況(2020年4月以降)を整理すると、こんな感じです。

・役員含め社員7名、インターン生3名、計10名のメンバー
 ※うちインターン生1名は、6年勤めた保険会社を辞め、タイモブにジョイン。入社した時点ですでに会社がフルリモート体制だったため、オフィスの片付けをするその日まで、3か月間一度も会わずに仕事してました。詳細は下のnoteへ
・業務委託等のメンバー含めると20名弱
・COVID-19を機に、2020年4月ごろからフルリモートに移行
・東京、北海道、愛知、中国、南アフリカにそれぞれ在住
 ※1人はフルリモートに移行したタイミングで実家のある愛知に帰省
・オフィスは、渋谷区のメゾネットタイプの賃貸マンション。家賃20万円。

4月ごろからずっとフルリモートだったこともあって、オフィス解約の選択肢は、当初からありました。

しかしオフィスは、私たちにとっては、愛着ある場所です。タイモブのプログラムに参加してくださったタイモブ生たちが集まる場所であり、当然に毎日仲間と事業を作ってきた場所です。たくさんの思い出が刻まれて詰まっている場所です。リアルで触れ合い、思いもしなかった出会いやアイデアが生まれることに価値を感じていました。

けれど、この状況です。いつになったら大人数で集まれるようになるか、誰にも分りません。

ならば、立ち止まることよりも、前に向かって挑戦し続けることのほうが重要なのではないか。

オンライン海外インターンを推進する会社として、新しい働き方や新しいコミュニケーションの取り方を、自分たち自身が模索していくべきなんじゃないか。

何より、4月から3か月間、強制的にフルリモートとなってみて、何ら事業に支障がないことはわかっていました。

こうして6月末に決断、ドタバタしながら撤収作業を行い、7月末、ついにオフィスのない会社となったのです。

1-1. 場所や時間に囚われない働き方ができるようになった

ここからは、オフィスをなくしたことで起きた変化をご紹介します。

一つ目に、当たり前ですが、オフィスに縛られないことによって、場所や時間がより自由になりました。自分の好きな時間、好きな場所を、好きなように選んで働くことができます。

栃木の実家に帰省したり、名古屋の実家に完全に引っ越したメンバーもいます。ちょっと遠出した先から、あるいは近くのカフェに行くこともできます。家族や子どもがいるメンバーは、育児や家事を挟み込みやすくなりました。

もともと働き方の裁量も各自に任せる文化です。それがオフィスがないことで、より個人に委ねられるようになりました。
自分がリラックスできる場所、自分が好きな場所を選べる方が、生産性も上がるしクリエイティブになれますよね。

1-2. 場所が多様になって、組織も多様になった

働く場所を自由に選べると言いました。実はこれ、組織の多様性にとってとても重要なんです。

組織にいろんな人がいると、視点が増えて発想が豊かになります。これが多様性です。
私自身、ほんの少し前までは、多様性というと、年齢、性別、国籍、といったものを想像していました。
でもオフィスをなくして気づいたのは、「場所」も組織の多様性に関わるということです。

考えてみれば、全員が東京にいるという組織は、それだけで多様性に欠けますよね。
みんな満員電車に乗っていて、窮屈な都会で同じような生活をしていて。普段過ごす時間がその人を形作るとしたら、みんな似たような発想になるし、いいアイデアも浮かびません。

でも、森の近くで生活していたら、日常の中で自然と触れあう機会が増えます。毎日のコミュニケーションの中でも、自然や環境に対してのアンテナが立つようになります。旅しながら仕事ができたら、行く先々でインスピレーションを受けて、発想が柔軟になります。

海外在住の人や、田舎に住んでいる人がいるほうが、組織としての多様性がグッと上がって、出てくる企画も面白いんじゃないでしょうか。その人がいる場所もまた、多様性を彩ってくれるんです。


1-3. 行った場所からプログラムが生まれた

3つ目に、場所を自由に選べることで新しいプログラムが企画できたことです。

オフィスに縛られず、いろんな場所に住み、いろんな場所に行ったことをきっかけに、そのまま企画にすることもあります。

例えば、NATURE PROGRAM in Hokkaido。北海道に住んでいる代表の菊地が、摩周湖や屈斜路湖がある阿寒摩周国立公園を舞台に、自然との共生、持続可能な社会に目を向けるプログラムを実施予定です。

他には、ゼロウェイスト企画。環境問題に興味のあった古田が、平日に2003年に日本で初めてゼロウェイストを宣言した徳島県/上勝町に乗り込み、イベントとプログラムを企画しました。

極めつけはVirtual Startup Africa in South Africa。自宅からアフリカの起業家たちと繋がり、ゼロイチビジネスプランを作り、プレゼンし、起業家から直接フィードバックももらえちゃう企画もできました。


私たち企画の質を決める一つの要素は、その企画が「課題の最前線かどうか」です。

Withコロナ時代になり、私たちの社会はたくさんの課題を抱えています。世界をもう一度つくり直す段階に来ているとも言えます。

誰もが未体験の時代では、誰も答えを持っていません。だから実践を積み重ねて行動するしかありません。すると自然と、課題に立ち向かうリーダーたちのいる最前線が、世界の最先端になっているんです。

次の時代のヒントは、そうした課題の先端の場所、ニッチでローカルな場所にこそあります。

私たちが壊してきてしまった自然と改めてどう向き合っていくかという姿勢は、アイヌの歴史や文化から学ぶことができます。
ゴミを出さず、環境を大事にした社会の仕組みは、徳島県の上勝町の事例が参考になります。
私たち自身がそうした課題の最前線に触れることが、より多くの方々にそこに触れる機会を届けるために必要だと思っています。フットワーク軽く動くことで、常に最先端を捉えて走るために、この自由さはむしろ必要です。

オフィスがないという身軽さが自由を生み出し、自由さが多様性に繋がり、多様さがクリエイティビティを湧き起こす。私たち自身も思っていなかった効果がありました。


2. オフィスなしを補う工夫。意図的にコミュニケーションを設計する

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(オンラインでも楽しくコミュニケーションしてます!)

ここまで、フルリモートのメリットをお話ししてきました。
しかしオフィスを解約するに当たり、もちろん懸念点もありました。
それがコミュニケーションです。

対面のほうが、コミュニケーションの回数も多く、幅も広いです。
オフィスにいればいつでも気軽に話しかけられます。また画面越しでは感じ取れない表情やしぐさのニュアンスが分かります。何気ない雑談から得られるアイデアがあったり、一緒に働くことで連帯感が生まれたりすることもあります。
総じてオフィスはコミュニケーションが多様になります。

一方でオンラインは、時間が決まっていて、ツールが決まっています。少しかみ砕くと、コミュニケーションの始まりと終わりがはっきりしすぎていて、限られた映像と音声情報だけでやり取りするために、どうしても窮屈になってしまうのです。
また、声をかけるだけで会話が始まるオフィスに比べれば、ミーティングを設定したり電話をかけなきゃいけないのは、どうしてもハードルです。

だからこそ、それらを補う仕組みを、意図的に作る必要があります。
タイガーモブでも試行錯誤中ですが、その中の取り組みをいくつかご紹介します。
(※ここは代表の菊地が先陣きって進めてくれています)

2-1. 毎日の朝礼/夕礼

タイガーモブでは、毎日30分ずつ、朝10時に朝礼、夕方5時半に夕礼を行っています。

内容は本当に一般的なものです。朝礼ではその日の予定を、夕礼ではその振り返りをみんなに共有します。

「朝礼」「夕礼」という名前からは、ちょっと古臭いとか、大企業の堅いイメージを持つ方もいるかもしれません。かっちり決まっていて組織っぽい感じが、自由さと反するような。私たちも、オフィスがあったときは実施していませんでした。
でもフルリモート下では、やってみると案外いいものです。お互いの仕事の進捗や様子、その時の状態は、顔が見えないと伝わりづらいものです。毎日、少しの時間でも、お互いの顔や様子を見て仕事をスタートできると、みなが安心して仕事に向かえます。

※ちなみに、もともと夕礼は、朝だと南アフリカ拠点と時差が合わないために、南アフリカ拠点の朝礼として始めたものでした。タイムゾーンの異なる場所に仲間がいる組織なら、こういう工夫も必要かもしれませんね。

2-2. 日直制

日直って懐かしい…!

最近始まったのですが、朝礼/夕礼を曜日ごとの当番制にしました。
これまでは菊地や私が司会進行していたのですが、ファシリテーションの練習にもなるし、みんなで回していこうとなりました。そして毎回、日直はお題を出したり時間を自由に使えます。
「行ってみたい国は?」「一つ前の人の出会ったときの第一印象を教えてください」「集中するときに聞く音楽は?」「もしも体がもう一つあったら働いてみたい会社はどこ?」etc…

雑談の少ないフルリモートにおいて、毎日アイスブレイクがあると、楽しく仕事ができます。

2-3. 夜な夜な語らう会

特に4月から7月までは、既存事業を停止し、新規事業をいくつも立ち上げていたこともあり、サービスを根本的に見直さなければならないタイミングでした。そもそも私たちが顧客に対して提供している本当の価値って何なのか。そういった深い話題を煮詰めて、サービスを何度もブラッシュアップする必要があります。そうなると、3時間も4時間も、じっくり議論をしたくなります。

オフィスでは、みんなで集まって、ホワイトボードを使って議論をします。
しかしフルリモートでも、JamboardやMentiなどのツールを使って、アイデアだしから統合まで行うことができます。

空いている時間を見つけては、夜遅くまでzoomを繋ぎっぱなしにして、みんなで何時間も話していましたね。いまでもたまにこうした長時間会議をしますが、何ら不便は感じません。


3. 働くなら、満員電車より森の中

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いかがでしたでしょうか。オフィスがなくても問題ないどころか、いろんなプラス面があることも伝わっていれば幸いです。当たり前すぎて書いてないですが、他にも、家賃や固定費や交通費が節約できたりといったメリットもあります。
もちろん業態や業種にもよりますし、プラスだけでなくマイナスもありますが、それも工夫次第で全然乗り越えていけると思います。

かくいう私も、北海道に移住して、寒くて人がいないところで、静かに森の中で過ごすのが夢です(気持ち的にはもう夢ではなく予定です)。

住みたい場所に住み、行きたい場所に行き、好きな場所で好きな時間に働ける時代です。
そして自由で多様であるほど、個人も組織もクリエイティブになると思います。
ぜひみなさんも、場所に縛られない働き方を実践してみてはいかがでしょうか。

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