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“愉快なオトナたちのリアル講義”〜CHABE〜後編

高校生によるオトナたちへのインタビュー第10講
様々なバンドを陰で支えつつ、自分の音楽で弾き語りからバンドまで魅せる”ミュージシャン”CHABEさんによるリアル講義
2002年日本アカデミー賞最優秀音楽書も受賞し、LEARNERSを率いる松田”CHABE”岳ニさんの思考を聴き解く今回のインタビューは〜CHABE〜。みんなに愛されるプロフェッショナルの思考法をここに書き留める。








8,バンド:Backing Guitar


8,バンド:Backing Guitar



僕はギターでバッキングしかやってないんだよね。本当に高校レベルというか。
今の高校生の方が断然上手いと思ってるし。



バッキングしかやってないのも、例えばLEARNERSには素晴らしいベースとドラムがいて、Chieちゃんってギターだっていて。その間を埋める壁というか、フワーッっとした、自分だったらバッキングギターっていう存在がないとサラちゃんの歌が孤立しちゃうな、って勝手ながらに思ってて。全部のアンサンブルを考えてコレが最適だって、自分の中ではなってる。

あとは自分が前に出るってタイプでもなくて。弾き語りは仕方ないにしても。

バンドは一瞬一瞬で主役か変わっていくんだよ。決して、ヴォーカルがずっと主人公なわけでもなく。
このヴォーカルの裏で弾くギター超カッコいい〜って時、それを聴かせたいから自分の手を軽くしてあまりガシャガシャさせないようにしたり。ベースのソロだって、カッコいいなーって思って傍で聴き入ってるし。

それがLEARNERS以外のバンドでも同じ。
自分の歌う曲はオマケみたいなものだって思ってる。でも自分で歌うときは、この曲を好きでいてくれてる人がいて嬉しいなって。そんなお客さんに伝わってもらえればいいなって。

自分以外の4人が1人ずつ歌う曲を持ってて、カッコいいな・おもしろいなって、それがやりたかった。
あんまりこういうのやってる人いないよなってのをするのが自分の中で、ひとつの基準なんだよ。誰かがやってることはやりたくなかったから。
ロックンロールなんてやり尽くされてるけど、、こういうメンバーでこういう魅せ方のバンド、今までなかったでしょ?って。LEARNERSはそんなバンドにできたのかな。

バッキングギターに徹してるのも、実際問題ものすごいギターなんて弾けないし。Chieちゃんのようなすごいプレイヤーと一緒に音楽ができての喜びだってあるから、リードするギタリストにはなれないな。

結果として、自分はひとつのものだけを上手くなる人にはならなかったね。努力がただ嫌いなんだろうけど。だからこそできた、今があるっていうのはひしひしと感じてる。




9,座右の銘


9,座右の銘



座右の銘は『一期一会』。そしてキットギャラリーの『KEEP IN TOUCH』。連絡をとり続けようねって。


出会った縁を大事に。

それから、生きるうえでの指針・哲学は、人ではないな。自分の中にあるものを大事にして生きていきたいし。

色んな人に言ってるけど、自分は主役ではなくていいと思ってる。人生と弾き語りの主役はしょうがなく自分になっちゃうけど。小さい頃から利他的に生きようってのはあったよ。

それは、環境が教えてくれた。
困った人がいたら助けるなんて当たり前っしょって。


そう言うの自分がやってて楽しいの。気分も良いし。自分の誕生日会はやんなくていいよって言うけど、周りの人の誕生日会はホイホイ企画して。それが楽しいんだ。

だから、イージーだけど、楽しいことを続けてく努力ならどんだけでもやっていきたい。




10, 弾き語り:Japanese


10, 弾き語り:Japanese



TEENAGE KICKSとかも、本当はルール違反なんだと思うけど詞を書いてて想いがノッてきたんだよね。ハマった感覚というか。


東日本大震災から弾き語りを始めて、バンドのライブができなかったから。それまでは英語の歌詞でお客さんの前で歌ってたけど、英語の分、ちょっとメッセージとか想いが伝わってないのかもなって感じがして。日本語で歌いたいって思うようになって。

バンドだったらバンドの演奏で盛り上がれるけど、弾き語りだと、観客に伝わってないと盛り上がりきれないんじゃないかってジレンマもあって。
それで、どんどん自分で作ったオリジナルの英語の詞の曲も日本語にして。カバーは好きな曲でやりたい曲に勝手な日本語を充てちゃって。どんどん違うとこ行ってって感じかな。




11,thinking


11,thinking



自分では曲を作るのに、作り出す前の方がかかってる時間が長いって感覚があるんだ。


移動で自転車に乗るんだけど、自転車に乗ってヘッドホンとか、危なくてできないじゃんね。
だからぼんやりと自転車に乗ってて、音楽や曲のことを考えてるんだよ。その積み重ねが生み出す時に出てくる感じかも。

移動中に、なんかあんなカンジの曲あるといいなってずっと考えてる。それを家帰ってすぐに、忘れないようにパソコンに記録してるよ。まずはね。あとから差し替えたっていいわけだし。

雨が降って電車で移動する時には音楽が聴けるから、何聴こっかなって楽しみにしたり本を読んだり。自転車ではアタマで考えて。

人と話してる時には、気づくことがあって。自分で言って、ああそうだよな、ずっと思ってて引っかかってたけどやっと言語化できた。忘れないようにしよって。

しゃべってる時に考えてたことが口から出てきてハッとするんだよ。確信がようやく持てたなって。自分の芯の核心にも近づいて。

ずっと考えてて、ずっと人と喋ってる。考えてることは頑張ったら大抵ができることだから。

そりゃもちろん、できないことはあるよ。今から僕が総理大臣にはなれないし。でも、考えることはいいことなんじゃないかな。あとは喜んでもらうってこと。
自分の弾き語りなんて、わざわざ聴いていただいて申し訳ないって思うところもあるからさ。工夫して、考えて変えたり。喜んでもらおうっていつも頑張らせてもらってる。




12,作曲:works


12,作曲:works



弾き語りをする時は1人。僕の上手でもない弾き語りを聴いてくれる物好きなお客さんがいてくれて嬉しいなって、毎回歌ってる。


だから、弾き語りだけは上手くなりたいの。個のぶつかりあいで、自分らしさを出せたらなって。
もともと練習はほとんどしない方だけど、弾き語りだけは時間をかけて練習してるね。元は作曲した設計図が、みんなが加わる土台になって。そこから弾き語るものに枝分かれして。

じゃあ、練習してないけど普段なにしてんのって。人と飲むことに時間を割いてるかな。やんなきゃいけない仕事はしたうえで。
音楽の仕事はホントたまにやって。30代は基本CM音楽を作ってたんだけどね。今はそんなにやってないから。

夜は誰かとお酒を飲んで話して。クラブだったりライブだったりで音楽を聴いて。

昔だったら酔っ払って帰って、作曲したり仕事したりしてた。でも今はしてないよ。
作るときは作る。飲むときは飲む。

3日前くらいに曲を作る日を決めて、この日にやろーって。ぼんやりとスケジュール立てて。

パソコンさえあればどこでも家でもできるし。リミックスだって、鍵盤とパソコンを持ってリビングでもできる。それこそ、ヘッドホン持ってって飲み屋でもできるから。例えばだけど。

僕にとっては、飲みの場が自分をチューニングできる一番の場。面白いことを探すのも含めて、この仕事どうだったーとか、愚痴なんかを聞いたりも悪くないなって思う。今はそこに楽しさを感じての日常だね。







teenage kicks のCHABEさんの和訳ってめっちゃ心に来るんだよね。10代として頑張りたくなれる。ぜひ聞いてみてください!

次回、完全版!いつも通り前編後編プラス1って感じです。乞うご期待!

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