ふと考「花粉症薬をもらうために病院に行って思いついたこと」
最近、花粉症がひどくて、
病院に行って、花粉症の処方薬をもらいました。
ドラッグストアなどで気軽に買える花粉症の市販薬もありますが、
お医者さんに掛かる費用を含めても、処方薬のほうが安いので、
私の場合、毎年処方薬を飲んでいます。
ところで、
我々弁理士の業務の中でも、花粉症薬を処方するお医者さんと非常に似たような部分があったことにふと思い付き、ここでつぶやきたいと思います。
この前、私は、住んでいる近くの小さい耳鼻咽喉科のクリニックに朝一行きました。
朝一病院に行ったのにも関わらず、前に10人ぐらいの人が並んでいて、自分の順番になるまで20分ぐらい待たされました。
このクリニックで分かったことは、
① 患者さんは、みんな花粉症薬をもらうために来たこと
② 1人あたりの検査時間は、1分ぐらいしかかからないこと
③ お医者さんは、少量の薬の処方箋しか出さないこと
お医者さんに、「多めにください」と言ってみましたが、その場で断られました。
そこで、弁理士業界で最近起こっているある揉め事が思い出せました。
このように、弁理士業界にも、最近、IT技術を駆使した便利なSaaSサービスが出てきました。
それに対し、下記のように、
反対の声も出ています。
このようなSaaSサービスの出現により、
元々は、弁理士しかできなかった業務が、誰でも、特に大きなミスもなく、特許庁が求める要件を満たす書類を自ら作れるようになり、
弁理士にお願いしなくても、自ら特許庁に商標出願とかできるようになりました。
自ら出さず、弁理士のアドバイスをもらう場合もありますが、
それにしても、昔のように、ゼロから丸投げで弁理士に頼むのではなく、
これらのサービスを使って完成度高い書類を自ら作り上げてから、
最後の部分で弁理士の力を借りて、軽く見てもらうようにすることもできす。
特に、若い経営者が起ち上げた最近の特許事務所の中には、このように、本当に弁理士の力が必要な部分だけに力を出して、その分、弁理士費用も低くするような仕組みを取り入れているところもあります。
弁理士業界の場合、
従来は、弁理士業務がブラックボックス化されて、商標出願をしようとしても、弁理士に高いお金を支払わないとできなかったところ、
最近はIT技術の発達に伴い、誰でもできるようになりました。
これは、お医者さんの業界に例える場合、
必ず病院に行って処方箋をもらわないと薬が買えなかった時代から、
(日本にはそんな時代がなかったかも)
一部の薬に限ってではありますが、誰でも、直接ドラックストアに行って薬を買えるようになったことと同じです。
これに対し、簡単な診査で楽に金稼ぎできた、あんまり専門家ではないお医者さんが反対したとします。
「薬を多めにください」と言った私のお願いを無視したあのお医者さんも、主な理由は私の健康のためだと思いますが、実は、自分の仕事を増やすためと言う理由もあるんでしょう。
士業の中には、
①資格を持っている人に頼まなければならない
②それはお客様のためである
③お客様自らできるようにする技術の出現は反対
このような主張をされる方がいます。
それに対し、私の場合、
新しい技術の出現により、行政手続きに必要な書類の作成は、お客様自らできるようになる時代が必ず到来すると思うし、
むしろ、外部からの黒船に我々の弁理士業界が完全に潰れるより、弁理士として人工知能の到来に危機感を持って、自ら積極的にこのようなツールを作るべきだと思います。
それにより、我々の弁理士は、
ロボットでもできる業務でお金を取ろうとするのではなく、
弁理士として、ロボットでもできる仕事をやり続けるのではなく、
弁理士の本当にあるべき姿は何か、お客様が本当に借りたいと思う弁理士の力とは何か、を考え続け、
そのようなサービスが提供できる本当の専門家になるべきであり、
専門家の人間しかできないことを探究すべきだと思います。
花粉症みたいに、自分の病因をはっきり分かっている場合には、わざわざお医者さんに診てもらわないで、いきなりドラックストアに行って買えばいいのと同じく、
なんの指定商品でどんなロゴを出せばいいかをはっきり分かっている場合には、わざわざ弁理士に相談せず、いきなりSaaSサービスを使って商標出願すればいいと思います。
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