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スラムダンク創作山王でわちゃわちゃする話(沢北栄治、深津一成)

主人公アキちゃん、2年生設定
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完全自己満、大人な内容ですので苦手な方はご遠慮ください。あまりバスケに触れず健全な高校生として書いてます。誤字脱字あり。すみません。
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「アキ好きなやついる?」
ぽつりぽつりと無駄話をしていたラリーが
この質問で急に止まる。
理科の実験の時間、この時だけは血気盛んな工業高校でも雑談をしてても特にうるさく言われない。
「急になに?」
思わず吹き出した。
4人がけの古びた実験テーブルの丸椅子は、
188センチの沢北には少し小さい。
1人だけ練習着での参加が許されているのは
沢北がバスケット部のスーパーエースだからだ。

「最近2組の小松から告白されたんだよね」
「えー、モテるなほんとに。どうすんの?」

秋田にあるバスケの全国大会を三連覇中の名門校、山王工業に通っている人なら誰もが沢北を知っている。
私は、田舎な事もあって近所で生まれ育って幼稚園も小学校も中学まで一緒。
正直中学生まで仲良かったわけでもないけど、
昔の馴染みで同じクラスな事もあってか
よく話す。

「可愛いとは思った。でもよ、付き合うまで行くかって言われるとな…」
沢北は子犬みたいに表情がコロコロ変わる。
懐っこさがある割に、押しが強くて気分屋でわがままだ。

「沢北って彼女作ったことないもんね。」

山王に入ってからは1年から一緒のクラスで女子の中だと1番話す仲になった。
多分、
高校No.1プレイヤーになってから
少し特別な目で見られるようになって
同級生で色眼鏡なく気軽に話せるのが私だけなんだろう。
「アキ彼氏作ったことあんの?あったらなんで付き合ったの?」
コソコソバツが悪そうに、でも好奇心旺盛に聞いてくる沢北がおかしかった。
「そうだなぁ…」
実験の途中経過を書き始めた私を見て沢北は
はは〜とペンで私を指す。
「彼氏できたことないな?」
沢北を睨む。図星だった。
「でも好きなのかもって人はいたよ。」返し刀で言う。言いながら自信がなくなってきて高一の時はね。と下を向いてペンを走らせた。

「だれだれだれ?」
周りを見た後に屈託のない笑顔でグイッと聞いてくる。割と乗り気で私もグイッと前のめりになる。
「深津先輩」
お前マジか!と沢北が抑えきれずニヤニヤしながら思わずノートで顔を隠す。
相手がバスケットボール部というのが問題なんだ。
ほぼ寮生活をしていて、勉強がある1〜4時限以外はほぼ部活動をしてる。
つまり誰もが憧れるのはバスケ部で、現実味がない存在ってこと。ほとんど雲の上の存在で、私も打ち明けられたのはどうにかなる相手じゃないって事。
この時は、このままこの話にオチがつくわけでもなく、「地球の女がアキだけになっても無理」と言われて私も吹き出して終わった。

ねぇ、私があなたの事を考えるたびに
この日の事を思い出すよ。
沢北はどう思ってるかな。

急に馬鹿げた考えをおこした理由は
驕りだった。
なぜかって私は昔から沢北を知っていて、周りから受け入れられず苦しんできた沢北も知っていたから。
沢北の精神状態にはムラがある。

「今日休んだ分のプリント」
いつもの調子で家に休んだ分のプリントを部屋に届ける。
茶化し半分で差し出した手を、一旦おろす。
沢北は私を一別した後、ん。と受け取らずベットの上で背中を向けた。
沢北は泣いていた。
私にはバスケの事はよくわからないけど、沢北の努力と苦労は伝わっていた。
何も言わずベットの下に座る。
テーブルの上にプリントを置くと
立ち去るべきか迷った。
2年になってからチームメイトのおかげかあまりこんな姿を見ることはなかった。
少し動揺しながら、何かかける言葉を探した。
大きい体が小さく見えて、私の中で何か疼いた。
「沢北は頑張ってるよ。プリントならいつでも届けるからさ。」絞り出すように声をかけた。
何故そんな事をしたのかわからないけど
沢北の頭をわしゃわしゃ撫でる。
今まで沢北の泣く姿を見たのは何度かあったけど
こんな事したのは初めて。
沢北は泣き腫らした目でキョトンと私を見た。

あ。やばい。踏み込みすぎたかも。
私はそう思って手を止めた。
屈んで頭を撫でてた手を引っ込めようとした時
沢北は軽く私の上半身を持ち上げて自分の上に置いた。上半身にまわされた腕がギュッと私を抱きしめる。
ありがとう。と言われた気がした。
もしくは顔を見られたくなかったのか、
私の胸に沢北は顔を埋める。
沢北に覆い被さるような体制になると、さらに沢北の体の大きさがわかった。
こんな風に男の子に触られた事は初めてだったので、どうしたらいいかわからなかった。
でも沢北がみんなから憧れられたり、一目置かれている姿をいつも目にしてるから
その反面私の胸の中で泣く沢北が子犬のようで
また恐る恐る頭を撫でた。
沢北は顔をあげて私を見た。

ぐすんっと鼻をすすったあと私を見つめる沢北の目の黒目がゆれる。
この間で緊張した。
あれ、なんか沢北がいつもと違う。
沢北の顔にかかった私の髪を耳にかけて、沢北は、私の首を噛んだ。

あっ。と声が思わず漏れた。
本当にびっくりしたのと、そんな所を誰かに何かされた事がなかったので頭が真っ白になった。
沢北はその反応を見て、もう一度噛みながら私を持ち上げて押し倒す。
何が起こったのか。と動揺しながらも
甘噛みされながら首を舐められて声が漏れる。
恥ずかしくて顔を手の甲で隠す。
「ね、キスしたい。」
ぐずりながら沢北が私の手をどかしてじっと見つめる。泣く沢北の体温が熱い。
「え…ダメ。」真っ直ぐ目を逸らした。
すこし間があって、しゅんとした顔をする。
「なんで…?」
「俺の事嫌い?」
嫌いって、そんな聞き方ずるい。
まだグズリながら子供みたいに駄々をこねる沢北。
上半身を起こして沢北がおもむろにティーシャツを脱ぐ。
え、なんで脱ぐの。
いや、だって熱い。。
首から汗がつたうのを見てドキッとする。
不覚にも沢北の身体に見惚れている私を横目に
脱ぎながらまた私の首を舐めた。
ダメだ。このままだと流されてしまいそうだ。
押し倒された姿勢から、ゆっくりと上半身だけ壁づたいに起き上がる。
沢北は私を上目遣いで見つめた。
「沢北っ…!」と頭を首から離そうと手を置く。
沢北は私を上目遣いで見つめながら私の制服を両手でめくりあげて
お腹を舐めた。体がビクッとして沢北が片手でブラジャーのフックをなぞったので両手で頭を掴んで顔をこちらに向ける。
「本当…だめ。これ以上。」
私が顔を真っ赤にして絞り出した声に
少し沢北はハッとした顔をした。
めくりあげた制服をゆっくり下ろした後
…送ってく。と目線を合わせずポツリといった。
それはいつもの沢北だった。
私の手を引いてベットから降ろすと私の前髪を屈んで整えた。
私はスカートを整えて、あー、大丈夫。家隣だし
。と目を合わせずいった。
そういって部屋のドアを開けると、私は沢北を置いて家を後にした。


「沢北、調子良くなったな」
シュッと音を立てて3Pを決めた沢北を見て、3年の松本がつぶやく。
周りには3年のメンバーが同じく沢北を見つめていた。
「昨日はどうなることかと思ったけどな」
河田が少しため息混じりに言う。
「でもあいつ休憩の時かなりぼーっとしてたけどな」
野辺がふんっと指をさして言う。
「彼女でもできたのかな。あいつ告白されてたしな。」
ポツリといった一ノ倉の言葉に松本河田野辺が振り返る。
あいつ生意気だなほんとに。と3人が口を揃えていった。
「バスケが調子いいなら、なんでもいいぴょん。」
キャプテンの深津が制するようにいった。

きゃっ。
急に声が上がったのでみんなそちらを見る。
マネージャーが練習着を忘れて制服のまま作業していたら、体育館のネットが絡まってしまったらしい。
沢北がちょうどボールを持って近くにいたので
大丈夫〜?と声をかけた。
マネージャーがなんかが引っかかったみたいと自分からは見えないのかジタバタしていた。
なんとなくみんな、その会話が耳に入っていた。
「セーラーの左側にチャックあるからそこにひっかかってるんじゃない?」ドリブルしながら沢北が言った。
「あ、本当だ。」マネージャーが思い出したように手を伸ばす。
沢北の距離からはチャックは見えない。
「お前随分女子の制服に詳しいな?」
気づいたら沢北は河田に関節を絞められていた。

「あいつ…」
松本野辺がその後交互に関節を締めにいった。


沢北が今日、授業を休んだ
あれから沢北は驚くほど普通で、私もそれに釣られて何事もなかったかのようにいつも通り過ごした。
学校にいると、沢北はスーパーエースとして扱われていてなんだか夢から覚めた気分だった。沢北が私を相手にする理由なんてない。
そう思わずにはいられなくて逆に気が楽だった。
また、触られるのだろうか。
プリントをギュッと握りしめて足取り重く家に向かう。
学校で小松さんを見かけるたびになんだか胸が痛んだ。
誰もあんな事があったなんて思いもよらないだろう。

いつも通り部屋に通された私は面食らった。
部屋には沢北の他に三年生バスケ部のメンバーがいた。
ドアを開けて呆気に取られている私を見て
沢北が、はっとした。
「プリント持ってきてくれたのか!今日練習には行ったんだよね実は」そしたら先輩着いてきちゃってさ。と周りに目線を動かす。
「沢北の彼女?」
ワナワナしている他のメンバーをよそに一ノ倉が聞く。
「違います!」
「幼馴染です。」
「あ、えと、ちなみにアキは深津先輩の事好きですよ。」
何かを勘繰っている空気を感じたのか、あっそうだと沢北は茶化すように大声で言った。
ええー!という声が上がった中で
「深津よかったな。」とベットの上に座って漫画を読んでいた人を河田が腕でこづく。
え。まさか。
漫画を読んでいた人が小突かれて初めて私を見てキョトンとしていた。
でも動揺してる様子はない。
キャプテンの深津先輩だ。
まさか本人がいるなんて…。
状況を飲み込むまでに時間がかかった。
「え、ちょっと沢北!!」
私が沢北につかみかかったので先輩はみんな笑っていた。
「沢北の昔の話聞かせてよ。」
松本が笑いながらそうふったので、このきまづいカミングアウトはなかったものになった。
と思いたい。
とチラッと深津先輩を見たけどまた漫画を読んでいた。
思った以上に3年生のバスケ部メンバーと意気投合してしまった。
みんな優しくていい人達だった。
きまづくてもう深津先輩の方は見れなかったけど、まさか同じ空間で笑い合う日が来るなんて夢にも思わなかった。
実は私は深津先輩と話した事がある。
でもきっと、深津先輩は覚えてない。
「アキちゃんじゃーねー!」先輩達を沢北と家の外で見送る。
「あ、じゃあ私もいくね」
「ん。ありがと。」
ふと思い立って沢北に向かって振り返る
「先輩達、心配してきてくれたんだね。優しくてよかったね。」
「へ?あ。うん。」
沢北は私の手を掴もうとしてて、その手を引っ込めた。
あれ?と思ったけどそのまま手を振った。


今日は球技大会。男子が多いからか女子はあまり活躍できないので実行委員会になった方が気が楽だ。
大会の終わり際、球技に必要なボールを片づけようと体育館に向かっていると雨が急に降り出した。
「ちょっと、やめてよー。」
ボールを持っているから手傘もできない。
独り言いいながら体育館の屋根の下に入った。
私の後に入ってくる人がいてふとそちらを見る。
深津先輩と河田先輩だった。
「あ。こんにちは。昨日はありがとうございました!」
「あー、沢北の幼馴染!」
「アキちゃんだぴょん」
ははって笑いながらお辞儀をしたあと、あれ。名前覚えててくれた。と嬉しくなった。
その後すぐ先生が河田先輩を呼ぶ声がして、河田先輩はまた遊ぼうね!と私に手を振る!
あっ。ちょっと待って、2人きり?

私の動揺した様子を見て、深津先輩が気を遣って話を振ってくれようとした。
何か言いかけた途端、すぐ目を逸らした。
ん?何だろ。と思った途端深津先輩が何かを私の頭からかぶせた。4番の文字が見える
深津先輩のビブスだった。
「え、なんで?」深津先輩が私からボールを2つ取る。
「ボール戻しとくぴょん」
雨の中深津先輩が体育館へ走る
「あっありがとうございます!」
どうしたんだろう?思わずギプスを見ると
大きいビブスの間から真っ赤なものが見えた。
そうだ。今日キャミソール着るの忘れた。
雨で濡れてブラジャーがスケスケだった。
「う、嘘でしょ。」私はその場にへたりこんだ。

スケスケなので決して脱げないけど、制服に着替えれば大丈夫だ…でもちょっと待って。深津先輩のギプスきて教室戻るとかやばすぎる。
頑張って走って戻ったけど案の定視線がすごくてクラスメイトの子から「なんで?」
という声が聞こえてきたのは間違いない。
沢北が二度見していた。


「深津先輩、ビブスどうしたんすかー?」
部室で沢北があえて大きめの声で深津に聞く。
違う番号に着替えている深津はなんにも動じずにただ真っ直ぐ前を見てる。
「雨に濡れたぴょん」
間違いでは…ない。
と沢北がふーん。と部室から出ていく深津を見送った。
初めは茶化そうとしただけなのになんだか変な違和感を感じた。
「深津はお前が思う以上に優しいんだぞ。」
河田が沢北の背後から言った。
ことの成り行きを見ていたのか深津が出て行った後に急に話しかけられたので沢北は驚いた。
「えっ!別に、気になっただけですけど!優しい…?」
そういって、自分でもあ。と言う顔になる。
沢北はそんなんじゃないですよ。とぶつぶつ言いながらその場を去った。
「そんなんじゃないって何がだ?」
にやにやしてる河田に一ノ倉が
「なんか面白くなりそうだなぁ」と言った。

なぜこうなったのか。
金曜日の夜家にいたら
沢北から電話が来た。
スピーカーで話してるようで盛り上がってる声で松本先輩と河田先輩の声が聞こえる。
「アキちゃん一緒に遊ぼう!」
ちょっとやめてくださいよ。という沢北の声も聞こえた。
幼馴染なので親も沢北さんのところいくなら、と色々とお土産を持たせて送り出された。
一体どうしたのだろうか。
部屋につくとswitchで大盛り上がりしてる河田、松本、野辺、一ノ倉先輩がいた。
明日はどうやらオフらしい。申請をすれば遅くなっても寮は大丈夫らしく沢北のお父さんが電話してくれていた。
私はよくわからないけどNBA 2K22というゲームで盛り上がっていた。
一ノ倉さんが何飲むー?と私の前にペットボトルを並べる。
私を見てバツが悪そうな沢北がひらひらと手を振っていた。
しばらくゲームを見ながら、あーだこーだ笑っていると一ノ倉先輩がスマフォで誰かの電話をでる。
「もしもし深津?」
その名前に思わずドキリとする。
「あー、そっか、それ今日だったのかぁ。」
なんか予定あったのかな。。となんとなく聞き耳を立てる私。
「でもさ、沢北がメソメソしてるからきてあげてよ。」
ちらっと沢北を見るとゲームに夢中で聞いてなかった。
「オッケー。待ってる」
私も聞こえないふりをした。
1時間くらいして部屋のドアが開くと
「…。」
キョトンとした深津が立っていた。
Nikeのトレーニングウェアのセットアップに、Bluetoothのイヤフォンを片方はずし
嫌そうにつぶやく。
「定員オーバーだぴょん」
確かに部屋はもうぎゅうぎゅうで足の踏み場がない。
180センチ以上の男の子が集まると沢北の広い部屋もあっという間に埋まる。
まぁまぁ。と一ノ倉がペットボトルの山をどけて座る場所を確保する。
私の隣だった。私に気づいてるかな。
と小さく会釈する。
コンビニの袋を片手に下げてたのをガサゴソしながら腰掛けると、肩が触れた。
え、ちょっと一ノ倉先輩わざとやってない?
やっぱみんなあのカミングアウトちゃんと意識してる…?
私はぎこちなく一ノ倉先輩の方を見るけど、
一ノ倉先輩はひょうひょうと深津先輩に話しかけていた。
うまい棒とポテチをゲームをしてる沢北河田、松本先輩にぶん投げたあと、ピュレグミを私に無言で差し出した。
「あっありがとうございます!」
私がいること知ってたのかな…?とグルグル考えていたら一ノ倉にもあるぴょん。と
一ノ倉先輩にもピュレグミをあげていた。
ちょっとがくりと肩を落とす。

早く着いたな。
うん。ちょっと走ったぴょん。
という2人の会話になんとなく混ざれていて
なんだかとても不思議な気分だった。
その時一ノ倉は心の中で
この2人こうやってみると案外お似合いかも?と内心にやにやしていた。
深津先輩って思ったよりオフの時声少し高いんだなとか。思ってたより話しやすいなとか。(静かに面白いこと言う)
近くで見たら彫りが深くて目が二重で肌が綺麗。
とか遠くから見てたら気づけない事がたくさんあった。
話し始める時、ん?と少し眉間を寄せて近くにくる感じとか、なんだか一緒にいて深津先輩をたくさん知れた感じがした。

すごい笑ったりはしないけど
口角が上がる時が可愛い。
深津先輩も一緒にやりましょーよーと沢北が深津に抱きついた。
しょうがないので深津が後ろを振り向いてゲームをやるのを一緒に見ることにした。

それが思ったより接戦で白熱してしまい
かなり夜が深くなった。
私ははっと気がつくと沢北の部屋で横になって寝落ちしていた。
目を開けると1m先に深津先輩がTシャツ姿で横になって目を閉じていた。
深津先輩に一ノ倉先輩が手を回していて
かなり私にスペースをくれている事がわかる。
寝てしまったとまだ眠気に身を任せていたら、
カシャっという音が耳に入る。
深津先輩のウェアが体にかけられていた。
だからTシャツなんだ。
あの日を思い出すニオイがした。
ウェアを握りしめて深く丸くなる。
その時、ウェアの下で大きい手が私の腰からお腹にまわされる。沢北だ。
私の身体が少し後ろに引き寄せられる。
みんな寝ていて声を出したらすぐ起きてしまう。
私は振り向けなかった。
しばらく私のお腹に合った手が少しずつ動く。
どうしよう。動いたら気づかれちゃうかも。

沢北の足が私の足の間にするりと入る。
沢北の心臓の音がとても近かった。
私の太ももまで手が降りてきて、パンツの中に指を入れられる。
声に出せない声が出る。
指が入ってきて私はビクッとした。
どうしよう。と思った時、沢北は少し体を起こして
それから私から手を離した。その後向こうをむいたので私は目を瞑ったままドキドキしてそのまま寝てしまった。


月曜日、部室で沢北は肩を落としていた。
その時すっと深津が横で着替え始めた。
沈黙にたえきれず切り出す。
「深津さん…あの時起きてました?」
するするはやく着替え終わると深津はロッカーを閉めた。
「見てないぴょん。」
そして部室を出る時に振り返らずにそう言った。
深津さん、よく見てる。
体を起こした時ばっちり目があったのだ。
沢北はロッカーに頭を押しつけた。

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