「狂気に満ちた男たち」サイコスリラー映画のすすめ
こんにちは!
先週に引き続き、
"喜怒哀楽”が揺れ動く映画特集です🎬
第2回のテーマは"怒"。
今回は・・・
学生応援団のほっこり映画好きこと、小沼あみが、
観る度に異なる印象を与える、
【狂気に満ちた男】が主人公の名作三選をご紹介していきます❕
------拝啓、読者のみなさまへ。
はじめにお伝えしておきます。。
わたし、小沼あみはとんでもないビビりでございます。ホラー映画はおろか、暴力的なシーンを含む映画さえあまり得意ではありません。
そんな「怒」に関連した映画と少々遠い距離にいるわたしが、あまりの面白さに「いつかもう一度観たい…」と思い焦がれる、映画があるのです。
こわい映画が苦手な方でもきっと夢中になれる。
「ビビりながらでも見て良かった!!!」と思えた納得の3本をお届けしていきます!
1.時計じかけのオレンジ 1971年
監督 / 脚本:スタンリー・キューブリック
原作:アンソニー・バージェス
出演者: マルコム・マクダウェル, パトリック・マギー, マイケル・ベイツ
あらすじ:非行少年による暴力が横行する近未来のロンドン。アレックスも仲間を引き連れ、喧嘩とレイプに明け暮れる日々を過ごしている。ある夜、中年女性を死に至らしめた彼は刑務所行きに。しかし2年後、とある治療法の被験者になることを条件に、社会に戻ることを許されるが……。(出典:映画.com)
この映画をはじめて観た当時、19歳だったわたしは、あまりに過激な暴力シーンとレイプシーンの連続に、空いた口が塞がりませんでした。。。
率直にいうと「なんだ、この最低な世界は…!!」という印象。。(笑)
しかし、芸術性が光るキューブリック監督の世界観と、"人間らしさ"をリアルに描いたストーリーに、いつの間にか魅入っている自分がいました。びっくり…
目を背けたくなるようなシーンなのに、美しい…このアンバランスさは何なんだろう?
きっと映画を観た多くの人が抱く違和感。
とりわけ、主人公アレックスが『雨に唄えば』を歌いながら、女性に暴行を加えるシーンは不快感と爽快感、相反する2つの感情を呼び起こします。
そして、本作が描いた「時計じかけの人間」。つまり、外見的には個性豊かな一面をもちながらも、内面は社会やルールに縛られて機械的になってしまった人間。そんな矛盾をはらむ主人公の姿は、今を生きる人々と重なり、現実味を帯びた説得力があります。
また近未来のロンドンを想起させる、ユニークなインテリアや、ファッション、若者の言葉遣いに注目するだけでも十二分に映画を楽しめるところも魅力のひとつ🎩
まさに見どころ満載…!
わたしはまだ一度しか観ていませんが、
きっと何度観ても新しい発見と面白さがある映画です…!(説得力)
2.タクシードライバー 1976年
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
出演者:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ピーター・ボイル、ジョディ・フォスター
あらすじ:ニューヨークの片隅で鬱屈した日々を送るベトナム帰還兵の青年トラビス。不眠症の彼は、夜勤のタクシードライバーの仕事に就く。彼は夜の街を走りながら、麻薬や売春が横行する社会に嫌悪感を募らせていく。ある日、大統領候補パランタインの選挙事務所で働く美女ベッツィと親しくなったトラビスだったが、初デートでポルノ映画に誘いベッツィを怒らせてしまう。密売人から銃を手に入れ、自らの肉体を鍛え始めたトラビスの胸中に、ある計画が湧き上がり……。(出典:映画.com)
ベトナム戦争後の喧騒と混沌に満ちた70年代のアメリカ合衆国。
帰還兵トラヴィスの苦悩と狂気を物語に昇華させ、さらに予想外のハッピーエンドに仕上げてしまった、とんでもない作品です。
ちなみに脚本を手がけたポール・シュレイダーは、時計じかけのオレンジに影響を受け、殺人を起こしたアーサー・ブレマーという男の日記をもとに本作の脚本を書き上げたそう。
歪んだ正義に狂う主人公の姿に、当時のアメリカ社会を生きた若者は何を思ったのだろう…。ベトナム戦争後の辛く、苦しい社会を色濃く映した脚本には脱帽します。
さらに、特筆すべきは映像の魅せ方が美しいということ。
何度観ても冒頭のシーンは素晴らしいです。
トラヴィスの悲壮感漂う眼差し…
不穏な予感に包まれた夜のNY…
懐かしくもの悲しいサックスの音色…
一瞬にして映画の世界に引き込まれていきます。やはり、狂気的な主人公トラヴィスの内に秘める、"孤独"、"怒り"、”愛情”、その全てを語るのは巨匠バーナード・ハーマンが手がける美しい音楽だと思います。
最後には「映画好きで良かった〜!」と、思わず大声で叫びたくなるような一本です。
3.ジョーカー 2019年
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
出演者: ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、サジ・ビーツ、フランセス・コンロイ
あらすじ:「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる!(出典:Filmarks)
不当な差別や恵まれない家庭環境、人格障害に苦しむ孤独なピエロ。
理不尽だらけの社会の中で、猟奇的な悪役ジョーカーになるまでを見事に演じたホアキン・フェニックスの怪演は圧巻…!
そして『タクシー・ドライバー』の主人公トラヴィス役を演じたロバート・デ・ニーロが本作で魅せる、重厚な演技にも注目です。
またこの作品が『タクシードライバー』のオマージュであることは明白。しかし、主人公アーサーは、トラヴィスと真逆の結末を迎えます。歪んだ正義に生きたタクシードライバーと、"悪役"となったジョーカー。2人の運命はどこですれ違っていったのか。そんなことを考えながら、映画を観ると作品への理解がさらに広がるかもしれません。
さらに映画を彩る、フランク・シナトラのThat's Lifeや、ゲイリー・グリッターのRock And Roll Part Ⅱといった一度聴いたら耳に残る音楽の数々は、この作品の魅力を何倍にも膨らませています!
映画史に残る、階段の名シーン。
一度はマネしたいと思った方もいるのではないでしょうか…?
(私はよくジョーカーの音楽を聴きながら街を闊歩しています。笑)
脚本、音楽、演技力、その全てにおいて高次元なセンスが爆発している映画『ジョーカー』。
続編製作の可能性に期待します…🙏
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以上、
時が経っても色褪せない、狂気的な役者の演技力が光る3本でした❕
それでは最後に、
『時計じかけのオレンジ』で使われていた若者言葉” ナッドサット語 ”を用いて、締めたいと思います…。
トルチョックなどのアルトラシーン満載ですが、ついビディーしてしまうホラー・ショーなジニーです!ぜひこの機会にビディーください!
*トルチョック=殴る
*アルトラ=暴力
*ビディー=見る
*ホラー・ショー=最高
*ジニー=映画
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ここまで読んでいただきありがとうございました🌱
来週は喜怒哀楽の"哀"です!お楽しみに✨