見出し画像

推し活時代に効果的な最新マーケティングフレーム「ULSAESモデル」とは?

こんにちは、リードコミュニティデザイナーのたむこう(@oooootammです。時代の変化と共に価値観やコミュニケーション手法が多様化する中で、人々の購買行動のプロセスも変化をしてきており、企業はその時代に合わせた行動プロセスを要素分解しフレームに落とし込み効率的、効果的なマーケティング活動を実施してきました。
この記事ではこれまでの変遷を振り返りつつ、現代におけるフレームについて解説していきます。

関連記事

・購買モデルの変化

時代の変化と共に価値観やコミュニケーション手法が多様化する中で、人々の購買行動のプロセスも変化をしてきている。
マスメディアがコミュニケーションの中心にあった時代は「AIDMA」とよばれる店頭購買モデルが主流で、広告で注目を集めることが主眼に置かれていた。
その後、インターネットの普及とともに消費者が購入前に事前検索するようになると、購買は「AISAS」にうつり、企業はホームページ(Webサイト)の制作やWEB広告に力を入れいかに検索されるか?に注力していた。
そして、SNSが全世界に普及し、個人が情報発信を気軽に行える現代になったことで情報が溢れ、企業が発するメッセージは消費者に届きにくくなっている。
そんな中で消費者が多くの情報の中から友人や家族、憧れの有名人など、信頼している人を介した情報、クチコミ、ユーザーがつくりだすコンテンツであるUGC(User Generated Contents)が信用され購買に大きな影響を与えている。
この第三者に影響を与える良質なクチコミを生み出し購買につなげるサイクルがULSSASサイクルと呼ばれている。
しかし、技術革新が進み、機能的価値のみでの差別化がむずかしいなかで、推奨行動までいたる好意を高めることは容易ではない。
たとえ初回の購入体験がよく、機能に関するクチコミが発生してもそれは一過性のもので、ずっと機能に関するクチコミを生み続けることはまた新しい商品を購入しない限り難しいと我々は感じていました。
そこでこれからは顧客のブランドやサービスへの信頼、愛着、共感を高めながら深い関係性を築き上げていく「ULSAES」の考え方がより重要になっていると考えています。

・ULSAESとは?

ULSAESとは、より第三者への影響を与えやすい熱量の高い良質で多くのUGCを生むための推奨意向を高める関係構築に主眼をおいたフレームです。

<ULSAESモデル>
U:UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
L:Like(好意)
S:Search(SNS/ネット検索)
A:Action(購買)
E:Engagement:(関係構築)
S:Spread(拡散)

購入後、(購入前も含む)に顧客との双方向の深いコミュニケーションを図る場を設けることで商品やサービスを通した機能的な結びつきだけでなく、精神的な結びつきを形成し、好意度や推奨意向を高めることにつながりより熱量の高いUGCを最大化させる。
熱量の高いUGCがより第三者に信頼感を与え、本質的な好意に加えて物理的なSNS上の「いいね」数も高まることで広くリーチし、より深くサービス・商品について知りたいと思う人の母数も増大し、最終的な購買に至るユーザーも増大。このように関係構築がすべてのプロセスの最大化につながり好循環を生み出す起点となると考えています。

ホットリンク社のULSSASモデルに一部加筆

・ULSAESにおけるオンラインコミュニティの重要性

では、具体的に顧客との深い関係構築をどのように図っていくのか?手段としては、店頭、イベント、メルマガ、HP、SNS、など色々な手法があり、すべてが必要ではあるのですが、そのなかでもコミュニティを軸とした関係構築が重要であり、有効的な手段であると考えています。

関係構築の手段として、TwitterやInstagramなどSNSを中心に実施されている企業が多いと思いますが、SNSはユーザー心理として、知人や支持しているタレント・インフルエンサーなどが発信している情報をスキマ時間になんとなくみにいく偶発的な訪問による情報取得や自身の活動報告や考えを投稿する受発信がメインとなっているので、双方向の密度の高いコミュニケーションが生まれづらい特性がある。
一方、オンラインコミュニティは自身の興味関心の高いモノやブランド、ヒトを好きなモノ同士が集まり、情報交換や交流を前提として参加している活動体になるので、「新商品を試してみた感想をシェアしよう!」「◯◯の新作映画をみた感動をメンバーと語り合いたい!」など、共通の価値観・趣味趣向を持ったコミュニティメンバーと自分たちが好きなモノについて語り合いたい!シェアしたい!聞きたい!などただの情報取得ではなく共有しあうことを目的に能動的に訪問する特性があるので、企業とユーザーの1対nの関係性だけではなく、ユーザー同士のn対nの関係性も築きあげることができるためより密度の高い関係構築を行うことが可能となります。

コミュニティは単なる関係構築ツールとしてだけではなく、以下の3つの方向性に効果的な取り組みとなります。

<コミュニティの活用方向性>
①深める
②探る
③見つける

①深める
・自社のオンラインコミュニティを立ち上げ、コミュニティ内でユーザーとの双方向のコミュニケーションを行いつつ、ユーザー同士の交流・関係性も深めていきながら自社のファンの熱量を高めていく

②探る
・コミュニティ内のコミュニケーションを通して、購買に至ったきっかけや商品を継続的に利用してくれている理由、ファンになったきっかけ、どんなところに価値を感じているかなどインサイトを探り、マーケティング施策に活用していく

③見つける
・自社のファンがいるのか?どんな人がファンなのか?を、コミュニティ内での活動履歴から導出、特定。個別にやりとりをしながらファンとの共創活動やプロモーション施策への巻き込みなど熱量の高いファンと共にファン視点でのマーケティングにつなげていく

コミュニティは基本クローズドな環境で双方向のコミュニケーション、関係性を深めていく取り組みなので広めるアプローチ「認知獲得」には向いていない。
なので、広めるアプローチに特化したTwitterなどのSNSを通してブランドや商品を知ってもらうコミュニケーションをしつつ、さらに深く知りたい!という意向が高まった方をコミュニティに誘導していくような役割分担をしながら連動させることで効果の最大化につなげることができる。
また、コミュニティを通して推奨意向の高まったユーザー(ファン)がコミュニティ外のSNSにもブランドや商品に関するポジティブな投稿をしてくれるようになることでファン経由での認知獲得にもつなげていくことが可能になります。

コミュニティを軸にSNSアカウントともうまく連動させていくことでULSAESサイクルをより効果的に回していくことができます。

・【参考事例】lit.linkデザインコミュニティ

弊社のコミュニティSNS「WeClip」内で自社運営しているコミュニティ「lit.linkデザイン公式コミュニティ」では、※リットリンク というSNSリンクまとめサービスのユーザーとの交流を深めるスペースとして、ユーザーとの密なコミュニケーションを図っています。

※リットリンクとはデザイン性の高いプロフィールページを、スマホ1つで誰でも作成できる「ブランディングプロフィールサイト」で、日経TRENDY2022年Z世代ヒット大賞も獲得したZ世代に支持されている弊社の自社サービスです。

コミュニティ内では定期イベントとして「#背景つかってみて」という、参加型投稿イベントも行われており、多くのユーザーが自分の作品を投稿してくれているとともに、推しのクリエイターを応援するコメントもあがっており、双方向のやりとりが起きている。コミュニティ内でのアクティブなコミュニケーションがユーザー同士起きていることで企業とユーザーだけでなくユーザー間の関係構築につながっている。

密なコミュニケーションによってユーザーとの深い関係構築ができたことで、参加者がSNSでも能動的につぶやいてくれる流れを創出することにつながっている。

さらにコミュニティ内のイベントを通して、リットリンクを利用してくれたユーザーも出現し、新規利用者の創出にも繋げることができた。

このように、オンラインコミュニティを軸にULSAESサイクルを回していくことでファンの創出、利用者の増大、最大化につなげていくことができるので、マーケティング戦略の中核にコミュニティを位置付けてうまく他施策と連動させながら効率的なマーケティングにつなげていくことが重要だと思います。

コミュニティマーケティングは、自社のファンを発見、育成、交流、共創しながら顧客のブランドに対するエンゲージメントを高めていく手法です。コミュニティの戦略、運用、効果測定など、もしお力になれることがあれば、以下よりお問い合わせください。

関連記事


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?