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アラフォー婚活戦線異状無し!

婚活女子に贈る応援TIPS! 婚活は新たな発見もあって楽しいけれど、年齢が上がるとそれなりに、苦戦も強いられる。そんな婚活女子にエールを贈るエッセーです。

「お釣りが無いから次回会う時に、450円返してくれたらいいよ!」

喫茶店を出てお茶代を払おうと千円札を出したら、おつりの代わりに返された言葉だ。
相手は、結婚相談所の紹介で初めてお会いした男性だ。しかも何故か上から目線。

とにかく、男性をひたすら上げて話すのにも、疲れた。
婚活市場には、今迄自分の人生の周りには存在しなかったタイプの男性しか、いないようだった。

例えばこんな感じだ。
店に入るのに30分もかかり決められない。見かねてこの店はどうですか? と、提案すると、否定する。(主導権は男性が持ちたいらしい)
自慢話が多い。(良く見せたいのはとっても理解出来るが逆効果)
会話の全てが上から目線。(貴族が王様の生まれ変わりか?)
別れた元妻や、前職等の過去話ばかり。(タイムマシーンで帰ってください)
2回目会いましょうと連絡を頂いて、返信したら次の連絡が2カ月後。(もうあなたの顔を既に忘れたよ)

婚活で会う方は、経歴もファッションセンスも言葉使い一つとっても申し分ない方ばかりだった。けれども経験を積んだアラフォーということもあり総じて、プライドが高い方が多いようだった。
それでも、印象を良くしなきゃ! とニコニコ顔で話を聞く方に徹した。

婚活とは、就職活動と同じように、結婚をする為の活動だ。就職活動は大卒求人倍率1.83倍というが、婚活市場は、年齢と成婚率が反比例し、年齢があがればあがるほど、分母が減るから困難を極めるのだ。
婚活は下克上だ。年齢があがれば、簡単に結婚という天下は取れない。

ところで、結婚相談所は以下の3パターンに分けられる。
・昔からある、御見合い結婚紹介所で、良い意味でお節介な仲人さんが切り盛りしてくれる小規模なところ。家族構成や背景が解っている分安心だ。
・大手が運営する、入会するには、収入・経歴・プロフィール写真・家族構成・独身証明書・確定申告等を提出し、やっと入会が認められる審査が厳しい所だ。企業勤めの固めの人が多く安心だが会話も固い。
・インターネット上で、クレジットカードさえ持っていれば、手軽に申込が出来るマッチング系で検索するところだ。この場合既婚者でも成り済ませば解らないから注意は必要だが、ユーモアある人が多い印象があった。

そうこうする内に、活動期間が長期化しだんだんと焦りも出て来た。御見合いする時は、人一倍容姿や一言一言にも気遣い、極力相手を上げて話をした。
ネット婚活3カ月でめでたく結婚した友人のアドバイスを受けて、「婚活本」というハウツー本を何冊も買って読み込んだ。
自分なりに、研究と対策し時間と手間ひまかけて、日々活動をした。
しかしながら、長く暗い出口の無いトンネルをすっと彷徨っているようだった。

もう、これ以上婚活相談所に貢いでも、もういい人は現れないと諦めた時、振り返れば入会から3年経っていた。
安く無い会費をドブに捨てているようで、それなら今後の自分の人生に使った方がましだ! と思えたら、キッパリと辞められたのだ。

そうしてずるずる続けていた婚活にもやっと諦めがついて、これから人生おひとり様で生きて行くんだ。となんとなく思っていたある日のことだった。
友人に誘われてとあるITのイベントに参加した。
参加者は、ITエンジニアや、メーカー、技術者、教職者などで、男性9割女性1割だった。

友人と話していると、そこに2人のエンジニアが現れた。
2人は親友同士だと言った。
まるで、某子供番組に出演する、無口で長身のっぽさんと、お茶目で太っちょのゴン太君のようだった。
話しているうちに、やがて野球の話や共通の話題で一通り盛り上がった。
饒舌なゴン太君が話を多いに盛り上げたが、のっぽさんは一言も口をきかなかった。
だが、この日から半年後に、のっぽさんと私は、なんと結婚してしまっていたのだ。

お互い、アラフォーだからということで、結婚しないならお付き合いはしない。とはっきりしていたこと。
両方の親が、付き合うならさっさと結婚したら良い。年なんだから早ければ早い方が良いと後押ししたのだ。
何より影で、太っちょのゴン太君が白い翼をつけたキューピットになって、2人の間を取り持ってくれた功績は大きかった。
お互いの気持ちをそれとなく、聴いて取り持ってくれたのだ。

で、結婚してみて解ったけれど、結婚相談所で申請していたスペックから外れる人だった。喫煙者。身長体重。年収。家族構成。何から何迄全て逆だった。

目から鱗だった。
自分はいったい何を求めて、婚活していたんだろうかと。
けれども、婚活でいろんな人に出あって、幻滅していたからこそ、のっぽさんの無口で、気が利かなくて、そっけ無いけれど、優しさに気が付いた。
婚活をしていなかったら、見た目やスペックが邪魔して、本当の優しさを見抜けなかったと思う。
きっと、アイドルの後ろで踊っているその他大勢のダンサーの様な彼には見向きもしなかっただろう。
婚活さまさまだったのだ。

今夫は、隣でイビキをかいて寝ている。まあまあうるさい。
お腹も出ている。
時間にルーズ。
上げれば切りが無い。

だが、私のすることを全て受入れてくれる世界で一番の理解者だ。

婚活で悩む方は、自分を曲げてまで、無理矢理相手に合わせる必要は、無い。と思う。
婚活は、下克上。
いつ何が起こるが解らない。
いつどこで縁があるか解らない。
求めるばかりでもご縁は繋がらない。
もしかしたら身近にいい人がいるかもしれない。
自分が気がついていないだけなのかもしれない。
それでも、婚活するあなたを応援したい。

この記事は、2019年執筆し天狼院のメディアグランプリに選ばれた文章をリライトしました。

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