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『夢で語りかける神』

 私は夢の研究者ではありません。自分のわずかな体験で夢に対して考えていることを勝手に言っているだけなので、皆さん、それぞれ考えてみてください。
私は聖書を読んでいる時に何故、神は夢で人に語りかけられるのだろうと不思議に思います。残念ながら私には夢での神からの語りかけの体験はありません。何かを示されるというような体験は少しだけあります。
夢というのは現実ではありませんので、本当に神からの語りかけなのか、自分が勝手に見ただけなのかわからないじゃないですか。そんな曖昧な応答に何の意味があるのでしょうか?

先に深層心理で夢が動く話をさせていただいたんですが、私が思うのはきっと、人の深層心理は取り繕うことができず、その人本人すらも気づいていない心の核心があるからではないかと推測します。

ヨブ記を読んでいくとヨブの友人たちに交じって不思議な人物が登場しています。エリフという人です。若いのでヨブと友人たちのやりとりをするのを黙って聞いているのですが、あまりに不毛な議論が続くので我慢できず口を出すのです。ところが、エリフの言葉に対して誰も応答していません。それどころか最後に神が介入してヨブを諭し、ヨブの状況を理解しなかった3人の友人たちも諭されるのですが正しいことを言ったエリフに対して神は言葉をかけていません。まるでエリフがいなかったような記され方です。このエリフの部分はヨブ記に後から追記されたのだという話がありますが、私にはそうは思えないのです。
なぜなら、エリフの言葉はヨブの深層心理の正しいヨブを代弁しているからです。私はエリフが「ヨブ記の見えない鍵」だと思っています。エリフがその場にいた人物かどうか不明ですがそういう意図をもって記されているような気がします。ここは自暴自棄になる人間の心理状態をよく表していて、口でいう事に反し深層心理のなかでは神が正しいことを理解し必死に助けを求めているのです。ですから神はヨブを正しい人だと言われているのではないかと思います。

神が夢のなかで語るのは人が取り繕うことができない深層心理へ直接、語りかけるためではないかと思います。それは新約聖書のなかでキリストが人へ語りかけるのに似ています。キリストの答えている内容が???文章を読んでも答えになっておらず、わからないことがよくありますね。キリストはその人の本質に応答しているのだと私は思います。

深層心理の変化は夢自体に与える影響が大きいのですが、その人の本質を変えることになりますので、神に語りかけられた人は絶対的な体験として残り、神からのものであることを確信できるのではないかと思います。

皆さんはどう考えるでしょうか。


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