蛙
ほの暗い闇の底から
見上げてみると明るい光が差し込んでいる
あの光に近づきたくとも、聞こえない叫び声
あの光に近づきたくとも届かないこの想い
あんなに空は近いのに
井戸に落ちた私は蛙
醜いひき蛙
もはや地の底から這い出ることも叶わず
ここから哀れな叫び声をあげるだけ
ある日通りかかった少年が、私を救いだそうと糸を垂らしてくれた
私は喜んでその糸に掴まった
私を助け出してくれた少年は、いつか大人になっていった
私を助けたことも忘れて
けれど私は忘れない
醜いこの姿だけれど、あなたの側であなたを守りたい
いつか彼が闇に捕らわれたときに、私は真っ先にそこへ向かうだろう
糸を持って
夜になるとふつふつと湧くこの不思議な感情はなんでしょうか?
蛙を愚かと見るかはあなた次第だ。
2013年10月19日 の作品
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