メーカー社宅・寮情報〜チベチベ不動産〜
お久しぶりです。チベスナです。
本日は何かと就活界隈でもメーカー界隈でも話題に上がりがちな
家賃補助・社宅・独身寮 についてお話をさせていただきます。
タイトルはなんとなく小枝不動産(関西の方ならわかりますよね?土曜日の夕方にやってるやつです。)に寄せてみました。
本記事は、これから就活を迎える23卒のみなさんや、入社後の住まいに不安のある22卒のみなさんに向け発信させていただきます。また、他メーカー・他業種にお勤めの方におかれましても、ご自身の所属する会社の住宅系福利厚生と比較しご意見をいただければ幸いでございます。
1.そもそも住宅系の福利厚生って?
そもそも住宅系の福利厚生は
・持ち家に向けた福利厚生(持ち家手当・住宅ローンの社内融資制度など)
・賃貸系の福利厚生(家賃補助・借上社宅・会社保有社宅・独身寮など)
に大別されます。
持ち家に向けた福利厚生の中では、特に社内融資制度は銀行などでローンを組むよりも利率が低いことが多く、また審査ハードルも低いため、定年まで勤務する心算ができている方にとっては魅力的な制度かもしれません。
一方で、退職時に一括返済を求められる場合もあるため、転職を考えてらっしゃる方は注意が必要です。
さて、本題である賃貸系の福利厚生に話を進めていきます。
2.賃貸系4種の福利厚生
賃貸系の福利厚生は、家賃補助・借上社宅・会社保有社宅・独身寮の4種が存在します。
よく会社保有社宅と借上社宅をまとめて「社宅」として解説していらっしゃる方がいらっしゃいますが、全くもって性質が異なるので今回は便宜上分けて解説させていただきます。
多くの企業ではこのうちの2つか3つをそれぞれの企業の勤務形態や転勤頻度・立地状況・を検討しつつ、保有不動産や他福利厚生制度とのバランスを取りながら運用する・・・というのが一般的であるように思います。
よくメーカー勤務民で囁かれる「独身寮地獄説」はこの転勤頻度・立地状況・保有不動産の兼ね合いで生まれる悲劇だったりします。詳細はまた後ほどお話しさせていただきます。
以下、4種の賃貸系福利厚生を詳細にご紹介させていただきますが、キーワードは支給(貸与)条件と年限です。これが自身のライフスタイルに合っていれば、どの福利厚生出会っても神制度になりますし、そうでなければなんら無用の、むしろ精神衛生上極めて不健全な制度になりうるのだ。という目線で読んでいただけますと読みやすいのではないかと思います。
2−1.家賃補助
まずは賃貸系福利厚生の代表格、家賃補助についてご説明させていただきます。
家賃補助とはその名の通り、手当として会社が従業員の家賃を補助する(給与支給)する制度です。
例えば月給25万円で家賃補助が4万円付くとなれば、額面給与は29万円になるわけです。とても分かりやすいですね。
よく企業の採用ページを見ると
「家賃補助支給!」とか「地域手当支給!」ってのが採用の売り文句になってますよね。それほどには従業員満足度の高い福利厚生であると思います。
実際、家賃補助は従業員・就活生目線からすると最も「ハズレのない」福利厚生であるように見えると思いますが、一方で大きな落とし穴があります。
それこそが支給条件と年限です
まず、支給条件から見ていきましょう
そもそも家賃補助というものは、企業が独自に設定する福利厚生であるが故に、その運用については就業規則や人事・総務内のガイドラインで定められていることがほとんどです。
それゆえに企業独自の支給要件を課していることも少なくありません。
例えば、首都圏にオフィスを構える企業でよくあるのが「会社からの距離制限」です。
今回はみんな大好きレバ○ジーズを例に挙げさせていただきました。
レ○レジーズでは家賃補助(2万円)の支給要件として、オフィス最寄りから一定距離内(2駅内)に居住することを求める「ご近所手当」を設定しています。
これってあれですよね、サイバーエージェン○の「2駅ルール」のパクリですよね。(小声)ちなみにサイバーエージェントは5年目以降はどこに住んでも家賃補助として5万円支給されるそうです。
「会社の近くに住めて補助が出るなんて最高じゃん!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、このレバレジーズという会社、本社は渋谷スクランブルスクエアに所在します。
渋谷から2駅・・・となると駒場東大前・中目黒・代官山・池尻大橋・・・といった1K22平米築浅で家賃10万円を超えてくるようなエリアです。
家賃補助で2万円支給されたとて、そこまで大きな恩恵がないのが分かりますよね。
さて、恒例のレバ○ジーズいじりも終えたところで、もう一つ問題が起こりがちなのが「実家や入社前の居住地」問題です。
企業が家賃補助を支給する要件として、「会社から自宅までの距離が〇〇km以上」という要件があったりします。
よくある例がこちらです。
地元就職を希望していたチベさんは、念願かなって地元の有力企業チベット工業から内定をいただき、入社を決断しました。チベット工業には家賃補助制度があるので、就職をきっかけに親元を離れ一人暮らしを始めたいと思い、人事に相談したところ・・・
「チベさんのご自宅は会社から50km圏内にありますので規則により家賃補助支給の対象外となります。一人暮らし自体は行っていただいて構いませんが会社から家賃補助は出せません・・・」
これ実は、社宅が無くなったJTCやメーカーのあるあるなんです。
というのも、JTCやメーカーは転勤や持ち家を前提に制度設計をしてる場合が多く、かつては事業所の横に独身寮や社宅を建て、従業員に提供していました。
そして転勤が起これば他の事業所にある独身寮や社宅を提供する・・・といった施策が行われてきたのですが、昨今の不景気や老朽化に伴い、独身寮や社宅を取り壊し借上社宅や家賃補助に切り替えることが増えてきました。
しかし、従業員全員に家賃補助を出すのは会社保有社宅・独身寮の維持よりコストがかかりますし、実家が会社近くにある人はそこに住んでもらう・・・といった制度運用をしていることもあるわけです。
特に首都圏在住で首都圏勤務を希望する方など、家賃負担が重くなりそうな方は、入社前に家賃補助の支給要件に距離制限がないか、現住の自宅はどこを指すのか確認しておくと良いですね。
そして家賃補助について最後の注意点「年限」です
これもJTCやメーカーあるあるですが、30歳以上は持ち家・もしくは家族用社宅を前提としているため、家賃補助に支給年限を設け、若手限定の制度として取り扱っているところもあります。
この年限というのが厄介で、企業によっては2年目から減額・・・といったところもあれば30歳まで満額支給となっているところもあります。
また大卒・院卒で年限が違うこともありますのでその点も要注意ですね。
往々にしてこの年限制度は他の福利厚生とのバランス維持に用いられる場合がほとんどですので、こちらについてもOPENWORKなどで確認しておくと良いですね。
ここまで家賃補助の支給要件についてお話させていただきましたが、家賃補助は規定がなければほぼ自由に物件を選択できる自由度の高い福利厚生である一方、手当自体は給与支給となるため所得税の課税対象となります。
また。給与支給額が増えることから労使折半となる社会保険料の企業負担額も高く、年々家賃補助支給企業は減少しつつあるのが現状です。
他にも会社都合の転勤だと家賃補助が出る企業や、社宅と家賃補助を選択できる企業もありますので、「家賃補助がある!」から、「どんな家賃補助なんだろう」ってところに目を向けてくださると入社後のギャップも少なくなるかと思います。
2−2.借上社宅
続きまして、借上社宅についてご紹介です。
昨今じわじわと普及している賃貸系の福利厚生で、会社(もしくは関係会社)が物件を借上げ、それを従業員に貸与する制度を指します。
後述の会社保有社宅は物件を会社(もしくは関係会社)が保有しているのに対し、借上社宅はあくまで物件所有者から会社が借りているという点で性格を異にします。
借上社宅の魅力はなんといっても節税効果と家賃の安さです。
先ほどの家賃補助とは異なり、会社が従業員に対して物件を貸与するため、従業員は会社に対し家賃を支払うことになります。
この家賃についてですが、給与天引きになることがほとんどですので従業員側からすれば所得の額面が家賃補助支給の場合に比べて低くなり、所得税・住民税の節税効果が見込まれるというわけです。
そしてなんといっても非常に家賃が安いのも魅力です。
多くの企業では物件一つ一つに別々に賃料を設定するのではなく、「単身用でこの広さの範囲内であればこの賃料」というように一括で設定をしている場合がほとんどです。
それ故に、運が良ければぱっと見一般的なマンションであっても破格の家賃で住まうことができる場合もあります。
一般的な借上社宅制度の唯一の弱点は、従業員側に物件の決定権がないことです。ですが、従業員が物件を一定の制約下の中で選択することのできる選択型借上社宅制度を導入している企業もあります。
はっきり言います。この選択型借上社宅制度があらゆる住宅系福利厚生の中で一番メリットの大きい福利厚生です。
節税もでき、賃料も安く、物件の選択権まである。さらには部屋単位で借り上げてくれる場合もありますので周囲に住む会社の人間との関係に気を遣う必要もなく、年限さえ長ければ非常にメリットの大きい制度であることがお分かりいただけるかと思います。
2−3.会社保有社宅
さあ、少しずつきな臭い話をしていきましょうか。
先ほどご説明した借り上げ社宅とは異なり、物件そのものを会社側が保有する社宅です。
特に会社保有社宅の中でもメーカー保有社宅は住環境として不満に思う確率が高い物件だと感じております。
理由は後述します。
会社保有社宅は選択権のない一般的な借上社宅制度がよりウェットかつ、会社の意向が反映されやすい制度であると見ていただけると良いかと思います。会社保有の物件ですので管理についても会社・もしくは会社が委託した業者が行いますし、同じ物件に住む人は皆社員、もしくは関係会社の人間で占められている・・・というような状況になります。
また、会社保有社宅制度がある場合は、転勤発生時の会社側から提供される住居の第一案はこの会社保有者宅になることが多く、ある種、転勤の受け皿としても機能しているということがわかるかと思います。
さて、この会社保有社宅ですが、選択肢のなさや老朽化が激しい物件もあり、住む人の不満が出やすい物件でもあります。
特にメーカーはその勤務形態や現在の資産状況、事業所の立地条件との兼ね合いでより不満が生じやすい制度になっていると感じています。
その内容は独身寮制度の不満と一致するところが大きいのでまとめて後述させていただきます。
2−4.独身寮
「おい、地獄さ行ぐんだで!」の地獄とは独身寮のことを指します。(大嘘)
ですが、独身寮という制度は昨今のワークライフバランス推進の社会からはどことなく外れた、というか、既出の3つの福利厚生に対し、非常に会社本意な制度であるというように感じています。
さて、独身寮は2種類に分類できます。
①マンションタイプ(風呂トイレキッチン完備)
②ドミトリータイプ(風呂トイレキッチン供用・食堂付き)
前者は実質社宅と大差ないので省略させていただきます。(というかみなさんチェックしたいのは後者ですよね)
問題はドミトリータイプの風呂トイレキッチン供用・食堂付きの独身寮です。
正直こちらのメリットは家賃の安さ(条件あり)と社内の人間関係醸成の2つだけです。といってもこの2つのメリットもはっきりいうと人と環境を選びますし、場合によっては従業員に全くメリットを及ぼさないこともあります。
3.メーカーの社宅・独身寮てどうなの?
前述の通り、メーカーの会社保有社宅や独身寮制度は非常に不満が溜まりやすい制度構造をしていると感じています。
と言うのも他業種に比べ、メーカーは本社だけでなく、工場・営業所と多くの事業所を抱えており、特に高度経済成長期の住宅事情の芳しくない僻地においては会社側が社宅の新築によって住居を従業員に対して提供する必要があったことに端を発しています。
高度経済成長期においては、各メーカーがあらゆる事業所に社宅・独身寮を併設し、運用できるだけの余裕がありました。ですが、高度経済成長期が終了し、バブルも弾け、メーカーにとって厳しい時代となった2000年代前半に多くのメーカーが主要事業所以外の社宅・独身寮を閉鎖し、集約していくことになりました。
こうした集約に対し、従業員の持ち家に対する意識も変化してきました。
昨今では地価や不動産価格も高騰し、社宅を安く借りる方が転勤に備えることもでき、安上がりだという財テク的な風潮も生まれ、社宅や独身寮の減少に対し、社宅へのニーズは意外と減らなかったのです。
すなわち、社宅や独身寮の建て替えのタイミング、改築のタイミングを見失った会社保有物件というのが多々存在するわけです。また、新たに不動産を取得するだけの余裕もないことから、借上社宅と会社保有社宅を並行運用するということも行われ、同じ会社の社員でほぼ同じ家賃負担額であるにもかかわらず、古い社宅に住む社員もいれば、綺麗な借上社宅に住むことができる社員もいるわけです。それでは不満も溜まりますよね。
ここから詳細は弊社内の情報と他社情報を組み合わせて発信させていただきますので一部有料にさせていただきますが、エンタメ要素強目で書くので読まなくても問題ないです。
有料部分の内容をかいつまんで説明すると
・家賃は安いが独身寮独自の費用がかかる(外泊費・食費・健康維持費)
・社内の人間と知り合えるきっかけは生まれるが、いいように転ぶかはわからない。
・休みの日も終業後も常に周囲で会社の話が繰り広げられる切り替えできない環境。
・生活態度が悪い人間とあらゆる設備を共同利用しなければならない苦痛。
・規則違反者に合わせて変えられていく規則
・正しい金銭感覚が身に付かなくなる恐れ
ここら辺に少しでも敏感な方は、退寮するタイミングを決めて徹底的に貯金し、将来の家賃補助として有効活用することをお勧めします
以下、エンタメ全振りの有料部分です。ご購入頂けますとチベスナの普段のむコーヒーがグレードアップします。よろしくお願いいたします。
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