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酔っ払いの独断で世界が終わる 映画「ワールズ・エンド 〜酔っ払いが世界を救う〜」を語る(壮大なネタバレあり)

序文

皆さんは、エドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ主演の映画「ワールズ・エンド 〜酔っぱらいが世界を救う〜」をご存知だろうか。

この映画、SFコメディー映画として名高い人気を誇っている作品なのだが、日本では確かビデオスルーだった気がする。(調べたら、ちゃんと劇場公開されてました。すんません)

 今回はこの映画について、ツッコミを交えつつ語っていきたいと思う。


まずは簡単なあらすじ

めちゃめちゃ端的にいうと、サイモンペッグ演じる「アル中男と愉快な仲間たち」が、いつのまにか街に溢れていたロボットと戦っていくうちに、支配者と対峙することになる、というもの。

ちなみに、支配者と書いたが、支配者という名称で呼ばれることは作中一度もない。

「ザ・ネットワーク」という名前で、光の集合体のような姿をしているのだが、冗談の通じない親父、って感じで面白い。

さて、本題へ入ろうか。


本題

この映画、サイモンペッグ演じる、大人になれない子供、子供のままの大人、「ゲイリー・キング」が主人公なのだが、彼は酒浸りで自己中心的、おまけに働いてない、いわゆるクズの部類に入るのだ。

そんな彼と、働いて,普通に暮らしている友人たちとの対比が明確に描かれている。

学生の頃は、がはがは笑って何も気にせずできていたことが、大人になるとできなくなる。

そんな寂しさを強烈に感じながら,でもゲイリーが変わることはなく。

鬱憤を晴らすように酒を飲む、周りに当たり散らす。

友人たちを誘って、学生の時に成し得なかった、「パブを全店制覇する」と言う目標を成し遂げるために、気乗りしない友人たちを無理やり集め,パブを回り始める。

乗り気ではなかった友人たちも、お酒を飲んでいるわけなので、そのうち楽しくなってきて、「普通」から逸脱し始める。

そこへ、ロボットだの,宇宙人が襲いかかってくるもんだから、アドレナリン出まくり、戦闘シーン(カッコよく言ってみた)もあるが、かなり皆さん頑張っている。


カンフー映画のオマージュなんかも込められていて、それを探すのも面白い。


本題の本題(ネタバレ)

さて、本題の本題ということで、ここが本番である。

酔っ払いの独断、と書いたが、この映画の終わり,目的のパブ「ワールズエンド」にたどり着いたゲイリー・キング様御一行。

親玉「ザ・ネットワーク」とご対面し、話をするのだが、酔っ払いなのでまともに話なんか聞いちゃいない。

おまけに,ゲイリー・キングは誰かにあれやこれやと言われるのが大嫌い。

「俺たちは、誰に支配されることも,誰の言うことも聞かねえよボケ」などと口走る始末。

愛想を尽かしたザ・ネットワークは、地球上のすべての文明を消し去り,地球を去るのだが、ここである。

キングが言った「俺たち」のなかに、キングの友人やその他大勢の人類の皆様は含まれていない,と言うことに気づくべきなのである。

つまり,キングの独断によって、地球上のすべての文明が消し飛んでしまったのだ。

つまり,この映画の一番の悪役は、ザ・ネットワークでも、ネットワークが使役するロボットたちでもない。

ゲイリー・キングこそが,いちばんの悪であり,敵なのだ。

文明が消し飛んだ後、ゲイリー・キングは行き場を失ったロボットたちを率いて略奪や虐殺行為を繰り返していることが暗示されている。

ゲイリーにとってはそれがいちばん生きやすいのかもしれないが、他の人間からすると、たまったもんじゃないのだ。ゲイリーを憎む奴がたくさんいるはずだし、僕もその1人だ。


「結局、世界救ってねえじゃねえか!!」ってツッコんだのを覚えてるし、まだユーチューブとかで動画を見たときツッコんでる。

まあ、でも、支配されることは、なくなったわけだし、救われたという方もいるかもしれないが、人間、統率する者がいなければ、何をしでかすか。

察しがつくと思うが、欲望のままに動く知能を持たない「猿」がそこに誕生する。

「猿」になってしまったら、もう元には戻れない。

文明再建なんて、夢のまた夢だ。

だから、結論。

僕はお酒を飲まない。




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