短編 11話

[戦争と平和展]

 

(殺害された某国人の死体写真)
 

女子生徒「……」

 

女性「私達は この様な残虐な行為を行い」

「その上で この国の恵まれた生活」

 

「飽食・怠惰・快楽」

「自由」

「幸福」

 

「それらを享受しています」

 

「なのに」

「私達の行った残虐行為の被害者の国々は」

「分断され 今も苦しみ続けています」

 

 

[少女像]

 

女性中学生「これは何ですか?」

 
 
 

女子生徒「これはね」

「戦争に行った私達の国の軍人に」

「性的な事をさせられていた隣国の女の子だよ」

  
 

女子中学生「性的な事?」

  

女子生徒「募集は17歳からだったみたいだけど」

「騙された子もいただろうし」

 

「あの国って数え年で年齢数えるから」

「実質 君より若い子もいたんじゃないかな」

 
 

女子中学生「……」

 

……

女子生徒「私達 加害国が平和と繁栄を謳歌し」

「被害国は分断の恐怖に怯え 苦しみ続ける」

 

「私達は本当に」

「生きていて良いのかな?」

 
 

女子中学生「嫌です」

 

「こんな醜い国」

 

「この平穏も怠惰も夢も」

 

「血に染まっている」

 

「もう生きていたくありません」

 
 

「私達が死ぬ事だけが」

 

「唯一の贖罪」

 

……

[ビルの屋上]
 

  

女子中学生「綺麗な夕焼け」

  

女子生徒「本当に死ぬの?」

 

女子中学生「……」

 

「私はこんな醜い世界で生きていたくありません」

「一緒にいきましょう」

  

女子生徒「ちょ」

 

「ちょっと待って」

「夜まで待とうよ」

「……夜景きれいだよ」

  
 

女子中学生「先輩」

「びびってるんですか」

 
 

女子生徒「……」

ぎゅう

 

いち  にーの

 

 

さんっ

 

(少女達の身体が投げ出される)
 

痛いのかな

痛いのやだな

 

でも

 

卑怯者として

 

もう生きることもできない

 
 

女子中学生「見て」

 

「1番星」

 

「きれいだよ」

 
  
 
 

 
 
 

………

 

●●「で」

「死に損なったのか」

 

女子生徒「私は天使だから」

 

「空 飛べちゃうし」

 

「どーたらこーたら(言い訳)」

 

 

○○「もう1人の子は?」

 
 

女子生徒「記憶を消して」

「うちで寝てます」
 

……

[女子生徒の家]

  
 

(パジャマ姿の女子生徒)

 

 
女子生徒「(可愛いから)」

 

「(つい 連れてきてしまった)」

 

「(……)」

ちう

  

ぎう

女子中学生「……?」

 

(こうやって 抱きしめ合っている時だけが)

(私の自由)

 

(……)

 
 

ぐー

  
 
 

 
 

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?