短編 10話

(剣の悪魔が再生する)
 

○○「……」

 

きりきりきり

 

ずしゅん

 

(天使の腕が吹き飛ぶ)

  

天使「あ」

 

○○「あの悪魔の依代は」

「お前自身だ」

 

……

小動物「(人間が認識している世界は)」

 

「(彼等の脳によって その本来の姿は隠される)」

 

「(人間の認識を超える存在は 感覚から遮断される)」

 
 

「(悪魔は空間上に普遍的に存在する)」

「(人間はその認識回路を 平常時は脳レベルで遮断しているが)」

  

 

「(極稀に それを具現化させてしまう人間が現れる)」

 
 

「(意図的にその能力を発現させるのが)」

「(天使と呼称される実験体)」

 
 

「(天使が悪魔の依代になる事は)」

「(不思議では無いが)」

 
 

「(早い内に処分するか?)」

 
 

青年「何してる?」

 

天使「!」

 

「来ないで」

 

(青年は悪魔に殺される)

 

……

 

天使「……」

 

○○「この子は」

「君に会いたかったんだね」

 

「……」

 

「代償と引き換えに」

「蘇生できるけど」

 

「どうする?」

 

 
天使「ぜひこのままで」

 

小動物「おい」

 

(遠くから声がする)

 

転校生「青年氏ー」

「何処」

 
 

○○「やれやれ」

「面倒事になる前に」

 

「今回は特別に蘇生させてやる」

「代償は お前等の記憶だ」

 
 

天使「記憶……」

 
 

○○「あいつは 天使であるお前を もう思い出さない」

「お前も あいつが好きだった事を忘れる」

「それでいいだろう?」

……

 

からんからん

[喫茶店]

 

●●「おかえり」

 

○○「ただいま」

 

[コーヒー]

 

女子生徒「……」

 
 

「戦争が無ければ」

「ひいおじいちゃんだって人殺さなくて済んだんです」

 

「何で私がこんな」

 

 
 

「私は」

「こんな醜い国に生まれた事が」

 
 

「悔しい」
 

 

「人殺しの子孫として」

「快楽と幸福を貪って」

 

「生きていく事なんて出来ない」

 
 
  

●●「あのな」

 

「そういうお前の様な奴等の為に」

 

「俺達ネトウヨが居る」
 
 

「お前等を守ってやる」

 
 
 

「(虐殺は無かった)」

  
 
 

女子生徒「頼んでねえ」

  

「……」

 

 

続く

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