短編 6話

 
ざー(急に振り出した雨)

 

[青年の部屋]

  

TV「……」(ワイドショー的な番組)

 

(少女は体を丸め)

 

女子生徒「……」

 

青年「(元気無いな)」

 

ちろ

 

「(膝細いな)」

「……」

「あいつに言われた事 気にしてるのか」

  

女子生徒「……別に」

「あいつの言う通りだ」

「私は人殺しの……」

 

「だから 正義を語る資格などないんだ」

 
 

青年「おい」

(青年は女子生徒を抱きしめる)

 

女子生徒「……なんなの」

「訴えるよ」

 

青年「俺は」

「君が好きだ」
 

「俺の 俺だけの」

「彼女になってくれ」

 
 

女子生徒「……」

  

TV「速報です」

「今日も某国艦船が当国の排他的経済水域に……」

  


ぱち(TVを消す)


 

女子生徒「無理だよ」

「政治的ニュースある度に険悪になる恋人同士なんて」

 
 

青年「俺が我慢する」

 

女子生徒「そーいう問題なの?」

  

ぎゅう
 
 

女子生徒「……」

 

「……私はネトウヨとか嫌いだし」

「絶対に心は許さないし」

「でも」

「抱きしめるくらいならいいよ……」

 

青年「そ それって」

 

女子生徒「あ」

「あのね」

「えっちな意味じゃなくてね」

 

ぎう

 

ちう

 

女子生徒「段階踏んで……」

 

「(私は無力だ)」

「(こうやって)」

「(愛し合う事しかできない)」

 

 
ちろ

 

 
ちろ

  

女子生徒「ここ触って」

「すごく安心するの」

(手を胸に当てる)

 

「大好きだよ」

「RWくん」

 


ざざざあ(雨の音)

 

 

小動物「おい 大変だ」

「悪魔が現れた」

 

続く


 

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