見出し画像

ラノベ1 66話

 
話は『現在』に戻る

 

きい

「一紗さん綺麗でしたね」

「そうだね」
 

 
「私なんかも結婚出来るのかな いつか」

「…」

「何で黙るんですか」

「なんでもないよ」

「部屋まで送ってくれてありがとう」

「…」

「…どうしたの?」

「部長は…私のこと恨んでますか?」

 
「そんなことないよ 嬉しいよ」

「嬉しい…ですか」

「そうやって気にかけてくれてる」

「…」

「ほら もっと近うよれ」

(ここ座れのジェスチャー)
 

とすん

 
「髪 きれい」
 

さわさわ

「…恥ずかしいです」
 

ぎゅう

とさ

「…」

「モブ1さん…最近会ってないんですか」

「部室で会ってるよ」

「ここで って話です」

「うん そうだね」

「…別れるんですか?」

「……私と彼は 何となく付き合って 何となく離れる」

「…」

「それでいいな それしか無理だなって 思ってたの」

「…私のせいだ 私がモブ1さんとAちゃんが親しくなる理由を作った」

「関係ないよ モブ1格好いいから」

「…ごめんなさい」

「私も浮ついて居られないからさ 丁度良かったよ。…私じゃ彼の夢の力にはなれないし」

「…」

「丁度良かったよ」

 
 
 
ぎう

「(…泣かないで下さい)」

「 …彼さ 私のこと ずっと好きだったって」

「(私達が邪魔した)…ごめんなさい」

「そう言う意味で言ってないよ…」

  

 
私は絶対に機械を完成させる 

 
そしてやり直すんだ


「(何書いてるか 全然判らないよ)」

(ねえ ママには 何が見えていたの?)
 
 

むくり
 

「勉強熱心なんだね」

「…母親のノートです これに全てが書かれている筈だから

でも 全然わからない」

「…」

「数学あんなに頑張ったのに」

「これ 数学じゃ無いでしょ」

「…」
 

「『請求項1:ある時刻における人間の意識ーー要素の配置がーー再帰により 長長時間の後に近似的にーーを用いた時間航行装置』

『請求項2:ある時刻における人間の--異なる時刻の--類似であるならばその状態ベクトル--を用いた時間航行装置』」
 

「母は 機械の構成要素を分割して」

「魔法石に隠した」

 
「ちょっとしたお遊びですよ」

「私は…」

 
 
 
 
 
続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?