短編 5話

女子生徒「(SNSをこっそり覗くと)」

「(彼は未だ 外国人排斥を訴えていた)」

……

 

がちゃ
 

青年「行って来ます」

「あれ」

 

女子生徒「……」

(天使に変装している)
 

「(どうしよう)」

「(どきどきする)」
 

(ずっと待っていた様だ)
 
 

女子生徒「……どこへ行くんだ」

 

青年「別に……」

(目を合わせない)

「何でもない」

 

……

[喫茶店]

からん

 

店員「いらっしゃいませ」

 
 

青年「……こんにちは」

 

男「こんにちは」

(眼鏡の優男)
  

からん

 

女子生徒「……」

(ベレー帽を深く被り)

(無言で離れた席に座る)

 

じと

 

「(こいつが)」

「(ネトウヨ集団の構成員である可能性は高い)」

「(何とかして手を切らせて)」

 

店員「ご注文が決まりましたらお呼び下さい」
 

にこ
 

(メニューを差し出す)
 
 

[ブレンド珈琲 980円]

 

女子生徒「(高値え……)」

「あ あの……」

「チョコレートパフェだけで」

 

……

 

男「今期のアニメ 覇権は……」

「『○○○○○』かな」

 

青年「最後良かったですね」

 

店員「ありえない」

「あの作者のこれまでの作品は」

「最終回において」

「それまでの世界観の否定が伴った」

「箱庭世界でした とか みんな演技でした とか」

 

男「あの アニメ最終回にはそれが存在していないと?」
 

店員「あれがフェイクである事を望むよ」

「全然 良い話じゃない」

「母親が可哀そうだ」

 

……
 

女子生徒「(アニオタの集会かよ)」

「(心配して損した)」

「…帰ろ」

 

「お会計お願いします」

 

店員「あちらの方の支払いとなっております」

 

女子生徒「……」

 

男「さて」

 

(男は立ち上がる)

 

「次の議題だ」

「そこの女の子の処遇について」

「はじめまして liberty_angel さん」

「●●です」

  

(店員「○○だよ」)

 

女子生徒「……」

「(こいつがネトウヨ集団のリーダー)」

「だったら 何ですか……」

 

男「良くやったRWくん」

「作戦通りだよ」

「彼女をおびき寄せる事に成功した」

 

青年「え……」

  

女子生徒「(……動揺するな)」

「(私が彼の後を尾行たのだ)」

 

男「ふーん」

 

「偽善者ってこんな顔してるんだ」

 

女子生徒「(挑発に乗るな)」

「何の事か判りません……」

「ねえ 帰ろう」

(青年の手を掴んで逃げようとする)

 

がちゃがちゃ

 

女子生徒「(開かない)」

 

男「ふーん」

   

店員「……」

  

男「君のひいおじいちゃん」

 
 

「某国人 殺してるよね」

  
 

女子生徒「……」

 

男「先の戦争で」

「……僕たち愛国者達に対するその敵意は」

「罪悪感の裏返しかな?」

 

「僕たちはただ」

「この国の人々の 権利を守りたい」

「それだけなんだ」

 

「君達が当国の過去の戦争犯罪を償え と言うのなら」

「真っ先に 君が○ぬべきだよ」

 

「ほら」

 

ぽーい
 

[ナイフ]

 

女子生徒「……」

  
 

(店員「ちょっと止めてよ」)

 
 

青年「●●さん」

「自殺教唆です」

 

男「……冗談だよ」

「怖い怖い」

 

………

 

[帰り道]

 

青年「ごめん」

「あんな奴とは思ってなかった」

 

女子生徒「……」

「……」

「もう……あんな怖い人達と会わないでね」

 

青年「分かった」

 

小動物「(悪魔より人間のが面倒そうだな)」

「(まあ 目的は果たせたから良いのか)」

 

続く

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