短編16話
例えば、このコップに水を注ぎたいとする。
そのためには、水差しの位置をコップより高く持ってくる必要がある。
とぽとぽとぽ
「コップに水を貯める」、とはそういうことだ。
逆に、
コップから水を減らしたいとする。
コップを傾けて、コップから水を逃がしてやる、、。
じゃばー
これは コップの中よりも低い位置にある空間、、床などだが、
そこと接続させてやるという事だ。
これが「コップの中の水を減らすこと。」
バッテリーの充放電もこれと同じことだ。
電気も、我々の目には見えないが、高低の概念がある。
電気的な位置、、、それを「電位」と呼ぶが、、
普通、我々が「電圧」と呼んでいるものと大体同じ
(正確には、2か所の電位の差、電位差が電圧と呼ばれる)
なので、以下、電圧として話を進めよう。
まあ、とにかく「電気は電圧が高いところから低いところに流れる」という訳だ。
電気の流れ、を電流と呼ぶので、
「電流は電圧が高いところから低いところに流れる」といっても良い。
「水流が、高いところから低いところに流れる」のと同じだ。
だから、
バッテリーに電気を貯める、つまり送り込むには、「バッテリーの持つ電圧」よりも
「貯めたい・送り込みたい電気」の電圧を高くしてやる。
水だったらポンプを使うが、、
電気では、充電したいバッテリーより「貯めたい・送り込みたい電気」の電圧を高くする装置が「充電装置」「充電器」と呼ばれる訳だ。
逆に、バッテリーに貯めた電気を使いたい、つまり放電したい場合には
そのバッテリーよりも、「そのバッテリーに貯まった電気の電圧」よりも低い電圧をもつ「何か」と導線で接続してやれば、電気は流れ出す。
その「何か」が「放電装置」という訳だが、、、
電気をながすついでに豆電球とかTVとか、、モーターとか、
そういう電気製品(負荷)をつけて動かすことができる。
仕事をさせてやる(エネルギーを使う)ことができるって事だな。
水が流れてくところに水車つけて、何かさせる事ができるのと同じだ。
まとめると、バッテリーの出入り口に装置をくっつけて、
その装置の電圧を上げ下げしてやる事で、充電放電ができる、、。
別の言い方をすると、
バッテリー内部の電圧よりも高い電圧で電気を押し込めば充電されるし、
低い電圧でなにか逃げ道を作ってやれば放電される。
プリ〇スに乗っている装置に「DC/DCコンバーター」と「インバーター」
がある。
DC/DCコンバーターは直流電流を、電圧を変えて直流電流で出力する。
インバーターは、ここでは直流電流を、交流に変えるはたらきがある。そのとき、交流の周波数や電圧も変えられる。
プリ〇スの場合、、バッテリーは直流だが、
車輪を回す・あるいは回生ブレーキとなる「モーター・ジェネレーター」は3相200V交流を使用する。
だからインバーターが重要な役割を果たしているって事だ。
「モーター・ジェネレーター」ーーー「インバーター」ーーー「バッテリー」
インバーターは交流・直流の変換だけでなく、「バッテリー側」と「モーター・ジェネレーター側」それぞれの電圧を変えられて、それによって電気の流れを制御している。とても大事な部品だ。
上で話した、充放電の話の応用になるが、、
★インバーターの「バッテリー側」電圧をバッテリーの電圧より低く、
かつ
「モーター・ジェネレーター側」電圧を「モーター・ジェネレーターの発生している電圧」よりも高くすれば、
(電圧の階段を作ってやるという事)
バッテリー電力でプリ〇スの車輪が回転し、加速する。
逆に、
☆インバーターの「バッテリー側」電圧をバッテリーの電圧より高く、
かつ
「モーター・ジェネレーター側」電圧を「モーター・ジェネレーターの発生している電圧」よりも低くすれば、
モーター・ジェネレーターで発電された電力が、インバーター経由でバッテリーに流れ込み充電され、プリ〇スは、減速する。(回生ブレーキ)
という訳だ。
インバータは、直流電流のON/OFFを繰り返して、
交流電流の波形(正弦波)を可能な限り再現しようとしているが、、
完全には再現出来ない、、特に交流電流の出力開始時には、
出力したい電圧値よりも瞬時に過大な電圧が発生してしまう。
この瞬時過大電流電圧(サージ)は、インバーターのON・OFF時には
原理的には常に発生する筈だ。
例えば、、ABS発動後の短時間の回生ブレーキ無効化(プリ○スの仕様)、、
その後の再起動時など
池袋暴走プリ〇ス事故 仮説の結論を書いてしまうと、、
その瞬時過大電圧が、【回生ブレーキを行うべき時に】 車輪を回す「モーター・ジェネレーター」の電圧を超えるとどうなるか、という事だ。
○○「モーターに電気が逆流して 一瞬とはいえ加速する事になるわね。」
●●「多く報告されている ABS発動後の加速感のあるブレーキ抜け、というのは プログラムエラーではなく これが原因かも知れんな。」
20系プリ○ス不具合情報の一部
比較:初代プリ○ス不具合情報
ABS発動時のブレーキ抜け報告が殆ど無い
女子生徒「いや そんな一瞬の加速じゃなくて
池袋や福岡の暴走は 数100m暴走だよね?!」
●●「絶縁破壊だ」
「プリ○スのモーター・ジェネレーターに使用されている」
「断面が長方形の導線(平角線:rectanglar wire)を用いたコイルは」
「絶縁紙を挟みにくい関係で 絶縁破壊に弱い事が知られている」
○○「ショートしやすいって事ね」
●●「池袋プリ○スは カーブでの縁石接触ののち S-VSCが作動した、、これはABSを含む車体制御機構で
ABS作動中は 回生ブレーキは無効化する。
つまり インバーターが止まるという事だ。」
かすかすかす
老人「ブレーキが効かない」
●●「そして 回生ブレーキを使えるようにするため インバーターが再起動
その時 瞬時高電圧、突入電流が発生し
モーター・ジェネレーターに流れ込む。
それがコイルの絶縁を破壊し、
モーター・ジェネレーターは
本来 回生ブレーキとして発生すべき
電圧を出せなくなる
つまり インバーターの出力電圧に負けてしまうという事だ。
一度 そうなると バッテリーからインバーターを通して
モーター・ジェネレーターに電流が流れ続ける。
つまり
ブレーキペダルを踏んでいるのに
モーター・ジェネレーターが回って
加速し続ける事になる。」
ぎゅいーん
ぎゃー
わー
どかん
●●「おそらくEDRに記録される スロットル開度は 結果としてのインバーター出力を見ているのだろう、、
モーター側へと電流が流れているのだから
記録としては 『アクセルスロットルON』判定されるのだろう。
そうするのが楽だからな
作る側からすれば。」
女子生徒「でも 報道では 事故後に修復したらブレーキも効いたって」
●●「そりゃ修復したら治るだろ」
「どこまで破損・修復したかはっきりしないが」
「もし モーターやインバーターがそこまで破損してなかったとして」
「例えばこないだ お前掃除機壊れたって」
「騒いで 蹴飛ばしたら治っただろ」
女子生徒「う うん」
●●「電気製品何てそんなもんだ」
「放電による絶縁破壊で言えば」
「温度や湿度でそれが起こる条件が変わる」
「別の日には 何事も無いように動くんじゃないか?」
「事故車そのものでABS発動試験、、あらゆるバッテリー充電状態で、、までは 警察・検察もやらないだろうしな」
(満充電近いと怪しい)
○○「興味深い考察ですけど」
「複雑すぎ」
「本人は『アクセルが戻らなかった』」
「言ってるから単純に」
「アクセル装置のバネ噛んで引っかかったんじゃないの?」
引用(プリウスαのアクセル分解)ーー
引用終わりーー
○○「おそらく暴走プリ○スも似たような構造だけど」
「例えば 1億回踏んでも 1度も引っかかりません って言えるような物かというと」
「疑問ね」
●●「うむむ」
○○「真実ってのは シンプルなものよ」
女子生徒「シンプル言うなら」
「アクセルブレーキ踏み間違いで良いじゃ無い」
●●「……」
「本人が 『踏み間違いしてない』」
「言ってるんだから」
「誰かが信じてやらないと可哀想だろ」
女子生徒「…暴走の原因が何だったとして」
「止める方法は他にもあっただろ」
●●「先に言ったように」
「プリ○スは 理由はどうあれ いざ止まらなくなった時の回避手段が他より少ない」
「ニュートラル入れるのに正規の方法で2秒、システム落とすのに1.5秒」
女子生徒「ガードレール擦って止めるとかあるだろ」
●●「助手席に奥さんか誰か乗ってると」
「決断出来ないんだろう」
「他の暴走死亡事故でもそうだが」
……
女子生徒「おい」
「2代目プリ○スは平角線モーターじゃなくて丸線って書いてるじゃねーか」
「嘘つきめ」
●●「そうか」
「ありがとう」
にこ
女子生徒「…」
「あのさ」
●●「ふむ」
「THSからTHS2への変化のポイントは」
「バッテリーとインバーター間に昇圧コンバータ(DC/DCコンバータ)が加わった事とある」
引用ーー
引用終わりーー
●●「初代(THS)ではあまり報告されていない 2代目(THS2)では多く報告されているブレーキ抜け・暴走」
「何か関連があるのか」
女子生徒「ああもう」
●●「ふむ」
「やはりTHS2で昇圧コンバータを用いて」
「インバーター入力電圧を高めた結果として」
「サージ電圧のさらなる高電圧化
(入力電圧の2倍程に達するらしいです つまり1000V越え)
が一因と思えるな」
「おそらく池袋暴走プリ○スも」
「モーター等 分解してしっかり調べれば」
「サージ、それによる放電、絶縁破壊の痕跡が見つかるだろう」
女子生徒「……」
「で 今さらどうすんだよ」
●●「別に」
女子生徒「犯人助けるんじゃ無いのか」
●●「……」
「俺は 俺が納得したいだけだ」
「他人がどうなろうと知った事じゃない」
女子生徒「な」
「そんな」
「人が亡くなってるのに」
●●「……」
「裁判ってのは」
「検察と被告人」
「それぞれが思い描くストーリーがある」
「それに沿って 証拠・証言を積み上げる」
「観客が何を言った所で」
「手遅れ」
「余計なお世話何だよ」
「それは理解しておけ」
(時間あるときに図や参考資料追記します。)
参考文献:
これも興味深いです
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