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アナログ備忘録。のようなもの 2


・漫画の道具について

前回、スタートとしてまずは原稿用紙について書きました。
手作りの原稿用紙時代から漫画専用の原稿用紙が販売されているのが当たり前の時代になっているのを、思い出すと時間の流れを感じます。
子供時代を懐かしむような感慨がありますね。
画材の入手も手間のかかる時代でした。
通販なんてもちろん無くて、文房具店やら画材店を探してさらに画材を探して‥。すぐに買うものが無くてもちょくちょく店を覗いて、新しいものや情報が無いか通ったりしてました。
改めて思い返したり、今になって情報を確認したりしているとまた新しい発見があるのは楽しいです。
まあ、今になって昔のように画材を入手しろと言われたら嫌ですが。
店舗での購入はまだしも、情報収集は大変すぎ。ネット万歳。

さて、原稿用紙の次は道具、まずはペン先について書こうと思います。

ペン先

・ペン先

漫画のペン入れといえば以前はつけペンが主流でした。
ペン軸にペン先を差し込んでインクを付けて描くペンです。
ペン先の種類はGペン、丸ペン、かぶらペン、スクールペン、日本字ペン、ガラスペン等いろいろあり、ブランドはゼブラ、日光、タチカワとあります。ちなみにかぶらペンはブランドによって呼び名が違っていてサジペン(日光)、タマペン(ゼブラ)、スプーンペン(タチカワ)となっているようですが同じ種類のペン先です。

種類は他にもあるけどポピュラーなのはこれくらいかな?

同じペン先の種類でもブランドによって硬さが違うので、自分好みの扱いやすいものはどれか色々試してみるのが良いと思います。
感覚では一番硬いのがタチカワ→日光→ゼブラの順に柔らかい印象です。
他のブランドも今はあるのかもしれませんが、そこはよく分からないので昔の記憶からですが。

ペン入れ作業を、つけペンではなくミリペンなどほかの画材で入れる人もいますね。
昔はつけペンでペン入れをするもの、と思っていたので、ペン先や筆以外の画材でペン入れをする発想を聞いた時は目からうろこでした。

ペン軸は、Gペンでもかぶらペンでもどのペン先も挿し込めるようになっていますが、丸ペンだけは筒状の差込口なので専用のペン軸になります。
丸ペン以外のペン先はスプーンのような半円くらいのカーブ状です。
挿し込み方はペン先の差込口をペン軸の穴にギュッと奥まで挿し込むだけです。
あとガラスペンも専用のペン軸です。知っているガラスペンはねじのように回して挿し込むタイプでした。
ガラスペンは一体化したデザインのものも良く販売されていますね。レタリングやカリグラフィとかに向いていそうです。
あまりマンガ用では聞かないかもしれませんが個人的にわくわくして好きです。

・いろいろな方法について

そういえば細い線を引くのにペンを裏返す、なんて技もありましたね。
紙の繊維が引っ掛かりやすくなるので描きにくいのですが、より細い線になります。ペン先が開いてきて、線が太くなってしまう時などにやっていた方法です。
新しいペン先は、使い始めの時は錆防止に塗ってある油分がインクを弾いてしまいます。
気にならなければそのまま使い始めても良いのですが、インクの落ち方がやや悪かったりするので、その油分を使い始めに拭き取ったりしました。
ティシュやペーパータオルで拭く、布で拭く、ライターで一瞬焙って油分を飛ばす、などなど。
ライター等で焙る時は焙りすぎるとかえって痛めてしまうので注意です。
私も最初は加減が分からずしばらく焙って筆洗の水に漬けたらジュッ・・と・・。(刀鍛冶っぽい、とか当時思ってました)
やりすぎて黒く変色するまで焼いてしまったことも。焼きすぎるとすぐに先が折れてしまうんですよね。焼きすぎ、ダメです;;そもそも焼くのはだめかな?
最近はそのまま使い始めるのが良いらしいと聞きました。いろいろやるとかえって痛むとか。そういえば近年はそんなに強い油分ではなくなってきたような気もします。
使い終わった後はしっかりインクを拭き取っておきましょう。錆の原因になります。
うっかり一晩おくとすぐ錆びたりします。
錆びなくても、描いているうちに先が擦り減ったり、開いてきて太い線しか書けなくなったりするので消耗品なんですよね。
一つ一つ耐久性にムラがあるので、長持ちする「当たり」が嬉しかったりします。
近年聞いた話では丸ペンの差込口を手作業で丸めているというのですが、本当だとしたら大変な作業です。こんなところにも職人さんがいてありがたいです。

決して推奨している方法というわけではありません!錆び注意は大事ですが💦

・ペン先の変化

そういえば、よく利用しているペン先の耐久性が昔より落ちているような気がするのですが原材料の比率とかが変わったのでしょうか。
柔らかくなっている?
今は無茶な使い方してないけどなぁ・・?
気のせい?
長い間に仕様変更はあるかもしれません。
自分が使い始めた昭和の頃から少なくとも2回は、見た目からわかる変更があった記憶があります。
最初に使っていた頃は濃い銅色で、力の入れ具合でGペン並みの太さまで描けるような柔らかさがありました。
そうすると紙の繊維を挟んだり、すぐ開いちゃいますけどね。
そして指の負担もかかりますけれど。
そのあと近年、と言っても10年単位の以前はシルバーっぽい色になった頃がありました。
その頃あたりからかな?36本入りの箱入り(紙製)が無くなってしまって10本入りの箱(プラスチック製)だけになってしまったんですよね。
やや硬くなった書き味だったような気もします。
そしてその後また銅色になり、これが最近のバージョンだと思います。
今の銅色は昔のよりやや薄めの銅色かな?
そして先端が少しカットしてある、というかややカーブが平らに研磨してあるような?
多分描くときの開き方が滑らかになっているのだと思います。
紙に引っかかりにくくなってきているように感じるので。
印象が何ともふわっとしている「なんとなく・・こんな感じになってる?ような気がする?」感想と記憶なのですが。
2回どころではなくもっと細かく変更はされているのかもしれません。

色々書いたけれど、気のせいだったらどうしよう。
形の変化?してませんよ~みたいな。
色の変化は!ありましたので!

いずれにしても変化は改良の追求だと思いますので、日々真摯に製造していて下さっていることに感謝です。
ありがたく、まだまだ使っていきたいと思います。


書きながらふと確認に調べてたらゼブラのタマペン(さじペン)2021年に製造中止になっていました。
おぉう・・・知っている画材が無くなるのは寂しい。


参考サイト

ゼブラ株式会社
https://www.zebra.co.jp/pro/shusei/
デリータ―公式サイト
https://deleter.jp/lineup/pen
Too漫画の描き方・道具のまとめサイト
https://www.too.com/manga/pen.html
株式会社立川ピン製作所
https://tachikawa-net.jp/pen/features
芳栄堂
https://nasushiobara-hoeido.com/index.php?FrontPage
たかじいちゃんのペン軸ペン先屋さん‘s shop
https://fril.jp/shop/a14ceeabfd4a8d5556a8f4c3a922ef95

上記サイトを資料参考にさせていただきました。
ありがとうございました。


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