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Night Street 序章 【創作大賞 2024 漫画原作部門応募作】


あらすじ

「ナイトストリート」は、ある日能力を使えるようになった動物たちが、悪の組織への復讐をするために戦う壮大な冒険物語です。彼らは仲間の犠牲と数々の試練を乗り越え、成長していき、壮絶なバトルを繰り広げます。友情と犠牲、そして再生の物語が織りなすナイトストリートは、圧倒的なスリルと感動を提供します。


シーン1:ハンチョウの疾走


アンダーストリートの夜、街灯がぼんやりと照らす通りを、一匹のチーターが駆け抜ける。その速さで、あたりのゴミが巻き上がり、風のように舞い上がる。ハンチョウは一瞬で通り抜け、静寂の中に戻った。彼の心は静かで、目は前を見据えている。

「俺は家族を失った。一族の復讐のために今日も前へ進む」とハンチョウは心の中で呟く。

ハンチョウはアンダーストリートの風景を見つめながら走る。廃墟となった建物が立ち並び、ゴミが散乱している。その中に、酔っ払いやホームレスが寒さに震えている姿が見える。遠くで犬が吠える声が響き、車のエンジン音が夜の静寂を切り裂く。

シーン2:ハンチョウの過去


アンダーストリートは下町のような場所で、野良犬やホームレス、酔っ払いなどがいる街だ。育ったアンダーストリートはハンチョウにとってとても落ち着く場所だが、犯罪率も高い。

幼い頃、ハンチョウの家族は強力な敵によって皆殺しにされた。彼は一匹、おばあちゃんチーターの元で育てられた。

「おばあちゃん、僕、強くなるよ」と幼いハンチョウが言うと、おばあちゃんチーターは優しく微笑んだ。「あんたは大丈夫。仲間を見つけて、自分の道を切り開くんだよ。そして、人は人、自分は自分。それを忘れないでね。」

おばあちゃんは、ハンチョウに優しさが強さだと教えてくれた。ご飯を食べさせてくれ、いつも温かい言葉をかけてくれた。その言葉は、今でもハンチョウの心に深く刻まれている。

シーン3:チンピラのハイエナ


夜のアンダーストリートを歩いていると、ハンチョウは不良たちに絡まれる。彼らはハイエナの集団で、すばしっこく5匹で囲んできた。

「おい、こんな夜中に何してるんだ、チーターさんよ」と一匹のハイエナが言った。

「お前らには関係ないだろう」とハンチョウは冷静に答える。

「関係なくねぇよ。ちょっと遊んでやろうか」とハイエナたちは笑いながら近づいてくる。

ハンチョウは目を鋭く光らせ、心の中で「これが俺の能力だ」と呟いた。その瞬間、ハンチョウの口から濃い煙が噴き出し、視界を奪った。ハイエナたちは驚き、混乱する。

「何だ、これ!?」とハイエナの一匹が叫ぶ。

その間、ハンチョウは一瞬で不良たちの間を駆け抜け、軽やかに跳ね上がり、狙いを定めて一撃で打ち倒す。まるで風のように速く、そして正確だ。

「俺に関わるな」とハンチョウは冷たく言い放ち、倒れたハイエナたちを見下ろした。

シーン4:旅の始まり


ハンチョウはゆっくりと息をつき、周囲を見渡した。これから何が起こるのか、どんな出会いが待っているのか、誰にもわからない。しかし、彼の心には一つの決意があった。

「おばあちゃん、俺、仲間を見つけるよ。そして、この街を出て、新しい道を切り開くんだ」とハンチョウは独り言を呟いた。

最近、色々な場所で突然能力を使えるようになった動物たちがいるという噂が広がっていた。ハンチョウもその一匹だった。自分の能力が何なのか、どこまで使いこなせるのか、まだわからないことだらけだ。しかし、それでも彼は前に進む決意を固めた。

アンダーストリートの片隅、廃工場の前でハンチョウは足を止めた。そこでは、一匹のゴリラが数匹のハイエナに囲まれていた。ハイエナたちはハンチョウが先ほど倒したものとは別の集団で、ゴリラを取り囲んで嘲笑っていた。

「おい、ゴリラ野郎。こんなところで何してるんだ?」とハイエナの一匹が挑発する。

「俺に構うな。お前らの相手をしている暇はない」とゴリラは冷静に答えた。

ハンチョウはゴリラの言葉に一瞬驚き、彼の冷静さと自信に感心した。彼はゴリラに加勢することを決意し、再び能力を使おうと準備を整えた。

「俺たちが相手をしてやるよ。覚悟しろ」とハイエナたちは笑いながらゴリラに迫る。

その瞬間、ハンチョウは口から煙を噴き出し、ハイエナたちの視界を遮った。ゴリラの目が赤く光り、彼はその力を解き放った。ゴリラは驚異的な力でハイエナたちを次々と操り、同士討ちさせた。

「お前、何者だ?」とゴリラはハンチョウに向かって言った。

「ただの通りすがりだ。でも、お前の力、気に入った。俺と一緒に来ないか?」とハンチョウは提案した。

ゴリラは一瞬考えた後、笑みを浮かべて言った。「俺の名前はミツ。自由を求めているんだ。一緒に行こうかどうか、まだわからないが、とりあえず同行する。」

ハンチョウとミツは互いに距離感を保ちながらも、次の目的地であるビーサイドビーチへ向かうことを決めた。そこには、ハンチョウの一族を殺したとされる組織がいるという噂があった。ニュースでその存在を知った二匹は、真実を確かめるために旅立つことを決意した。

「行くぞ、ミツ。俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ」とハンチョウは前を見据えて言った。

「了解だ、ハンチョウ。面白そうだからついて行ってみるさ」とミツは力強く応えた。

こうして、ハンチョウとミツは新たな冒険の舞台であるビーサイドビーチへと向かうこととなった。そこで、彼らは新たな仲間と出会い、さらに物語は続いていく。

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