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在宅鍼灸師の多職種連携 褥瘡編(前編)

HAMTマガジンで「多職種連携」担当のすぎやんこと鍼灸マッサージ師の杉下辰雄です。いつも購読していただき誠にありがとうございます。

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治療院勤務の鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師にとって、「褥瘡」は関わることは少ない疾患かもしれませんが、在宅鍼灸師にとって患者さんと関わる時に常に意識しておくことが必要な疾患です。

そんな褥瘡の中でも特に治癒が困難とされているポケットが形成され、なおかつ糖尿病の既往がありながら治癒した症例に関わっていた経験から「糖尿病性壊疽による両側大腿切断後の仙骨部褥瘡が治癒に至った症例について」お伝えします。

褥瘡に関する基本的な知識について

まずは、「褥瘡」に関しての基本的な知識についてと在宅鍼灸師としての関わり方についておさらいしましょう。

身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる。

褥瘡は、日本褥瘡学会よると上記の様に定義されています。

発生の要因とメカニズム

褥瘡発生の要因には大きく分けて直接的要因間接的要因があり、それぞれが相互に影響していると言われます。

●直接的要因
褥瘡発生の最大の要因は、身体に加わった外力による皮膚および軟部組織への持続的圧迫です。皮膚の一定部位に圧迫が加わると、皮膚および軟部組織の血管が圧迫されて血流が途絶えます。特に骨突起部には体圧が集中しやすく、圧力および応力による循環障害が増大します。このような阻血(そけつ)状態が一定時間以上続くことにより不可逆的な組織壊死が生じて褥瘡となります。

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局所における褥瘡発生の機序

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