過去の持つ意味

現在はすぐに過去になる。過去になった途端に脳内に記憶として記録される。そして私達は、この記録に意味づけを行うことが可能となる。
これまでの人生で経験した過去は、現時点の自分=現在によって解釈される。つまり、判断する側は現在である。
過去は変わらない=固定されているが、未来は固定化されていないだろうし、わからない。つまり、現在の自分が変化していく中で、これからの過去が持つ意味というのは変化し続ける。20歳の頃に振り返った10代の記憶と、30歳の頃に振り返った10代の記憶では、そこで思うことや考えることは変わるであろう。
事実としての過去は不変であるという一方で、その過去が持つ意味というものは変化し続けていく。
未来については、あくまで予測しかできない一方で、過去は常に姿を変えて、私達の目の前に現れる。
過去に囚われるということは、その意味すらも固定化してしまうことである。
ただ思索に耽り、行動できない自分を辛く悲しむ人にとっても、過去の持つ意味を自ら変化させようとすることはできる。それはまさに、一つの行動であり、目に見えない行動として頭の中で起きていることを忘れてはいけない。
もしも未来のために生きるというのなら、過去の持つ意味を常に変化させようと生きることだ。

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